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地獄のダブルデート 草加の暴走
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「おっまたせー!」
数分で着替えて更衣室から出てきた草加先生。
草加先生に似合いそうな若草色のフリルビキニをつけていた。
それを見て柚樹は鼻の下を伸ばしていたが、隣にいた藤木乃さんに強く小突かれていた。
(柚樹、何やってんだ…)
「そういや、お昼の時間だけど草加ちゃんは飯食ったの?」
「え?食べてないよ」
「俺ら、これから飯だけど…」
「え?!食べてなかったのか!」
「てっきり食べたもんだと…」
(いやいや…12時きっかしに来ておいてそれはおかしいだろ)
「よろしかったら草加先生、私たちのお弁当を御一緒にいかがです?」
「えぇっ、いや誘ってくれるのは嬉しいけど、悪いよ…」
「あら、でしたらこのフジキノプールパーク内のレストランをご利用になられては?このフィールド内にあるのです」
「へー!すごいね!じゃあ、利用させてもらおうかな」
藤木乃さんは草加先生をフィールド内のレストランへ案内しに行った。
「はぁ…なんで草加先生が来るんだ…」
「ほんとね…」
「え?お前ら草加ちゃん嫌いなの?」
「嫌いって言うか…苦手…的な」
「うん…あのテンションと絡みようはちょっと無理があるわよね…しかも実習生じゃない?こんなとこに来てていいのかしら」
「え?なんでだよ、ダチみたいでいいじゃん?」
「私のお母さん、高校の事務員なんだけど、実習って実習先の学校が実習生の評価を決めるから、あんまり迂闊な行動は控えた方がいいって言ってたわ」
「そうだよね、フレンドリーなのはいいことかもしれないけどちょっと踏み込みすぎって感じる」
「へー、実習って大変なんだな」
「教師になるのにも苦労が絶えないのよ」
(今の話を聞く限りでは草加先生は実習生としてふさわしくないんじゃないかな…)
と、そんなことを考えていると草加先生を案内していた藤木乃さんが帰ってきた。
しかし、案内する前の雰囲気と今の雰囲気が明らかに違った。
「ど…どうしたの?藤木乃さん…」
「どうしたもこうしたも…ありませんわー!!!!!!!」
「ま…万璃?!」
珍しく藤木乃さんがブチ切れしている。
きっと草加先生のことに違いない。
「あの女ぁ…レストラン利用するとか言っといて…財布に金がほとんど入ってなかったんですわ…」
「え…持ってたの…」
「200円…」
「はぁ!?」
「マジかよ…いくら学生だからって…持ち合わせが200円って…」
「ふざけすぎでしょ…」
「ありえないわ…」
「で、どうしたの?」
「…メニューを選んでいただいてこちら持ちにしましたわ…」
「えー!?」
「万璃…人良すぎじゃね?普通、金なかったら食わねーって」
「仕方ありませんわ、邪険に扱うのも気が引けたんですもの…」
(藤木乃さん…優しすぎる…)
「話題を重くしてしまい申し訳ありませんわ…さ、今度こそランチにしましょ!」
俺たちはようやく藤木乃さんちのシェフが作ってくれたお弁当にありつけた。
待った甲斐…というか待たされた甲斐があったというかでお弁当はとても美味しかった。
「不快にさせてしまったお詫びとして
シェフの田所にお願いして七色ゼリーを作っていただきましたから召し上がって?」
「デザートまでくれんのか!ラッキー!」
「柚樹、少しは遠慮しろよな
いいの?藤木乃さん、デザートまで貰っちゃって…」
「えぇ、不快にさせてしまったお詫びですもの」
(やっぱり人がいいな、藤木乃さんは)
デザートまでご馳走になった俺たちはまたプールへと行こうとした。
「待って!」
「え?」
「万璃?」
「食べた直後は運動するものではありません、少し胃を休めてからにしましょ」
「そうだね、」
「さすが藤木乃さんね」
俺たちは屋根のある日陰で少し休んだ。
数分休んでいると、食事を終えてきたのか草加先生が戻ってきた。
「やっほ~君たちもうへばったの?体力ないなー」
「違いますわ、食事直後の運動は良くないから少し休んでいるのです」
「えー?そんなん大丈夫だよ!」
「草加先生が大丈夫でも俺らは休みたいので」
「いいじゃんかー!パツキンくん泳ぎに行こ!」
「やー俺もちょっと休みてぇ…」
「なーに言ってんの!君みたいな鍛えてる子はちょっと休まなくても大丈夫!」
(何を根拠に言ってんの!?)
草加先生は断る柚樹を無理やり引っ張ってプールに連れて行った。
急いで止めに行った時には遅かった。
「そーれっ!」
「や!やめっ…!」
間に合わずドボーンと目の前で草加先生は柚樹をプールに投げ入れた。
(何考えてんの!この先生は!?)
「柚樹!!!」
相当疲れていたのか柚樹は溺れかけていた。
「た!たすっ…け…!」
「今行く!」
俺はプールへ飛び込み、泳いで柚樹をプールサイドまで引き上げた。
藤木乃さんが家の救急隊を呼んでくれていて、柚樹は事なきを得た。
気は失っているが、少しすれば意識が戻るだろうと救急隊員はそう言って去っていった。
「良かったですわ、無事で…」
「うん…」
「柚樹を助けてくれてありがとう」
「ううん、俺にとっても大切な友だちだからね
そういえば、さくらちゃんは?」
「青い顔しながら去っていった草加先生を追いかけていきましたわ」
「そういえば…いつの間にかいなくなってる…あの女…柚樹をこんな危険な目に合わせて!」
「本当ですわ」
ー更衣室ー
「草加先生!」
「…さくらん」
「なんで…なんで逃げるんですか」
「用事を思い出したからよ」
「…それ、嘘ですよね?」
「!う、うるさいわね!あんなことになるなんて思わなかったのよ!私は悪くない!」
そう言って草加先生は水着の上に服を着て走って出ていってしまった。
「あ!ちょっと!」
(…無責任すぎるわ…自分がやった事なのに自分は悪くないとか…)
あの後、柚樹はすぐ目を覚まし元気にいつもみたく喋っていた。
草加先生に振り回された今日は地獄のダブルデートになり、そのまま空気が重いまま解散となった。
数分で着替えて更衣室から出てきた草加先生。
草加先生に似合いそうな若草色のフリルビキニをつけていた。
それを見て柚樹は鼻の下を伸ばしていたが、隣にいた藤木乃さんに強く小突かれていた。
(柚樹、何やってんだ…)
「そういや、お昼の時間だけど草加ちゃんは飯食ったの?」
「え?食べてないよ」
「俺ら、これから飯だけど…」
「え?!食べてなかったのか!」
「てっきり食べたもんだと…」
(いやいや…12時きっかしに来ておいてそれはおかしいだろ)
「よろしかったら草加先生、私たちのお弁当を御一緒にいかがです?」
「えぇっ、いや誘ってくれるのは嬉しいけど、悪いよ…」
「あら、でしたらこのフジキノプールパーク内のレストランをご利用になられては?このフィールド内にあるのです」
「へー!すごいね!じゃあ、利用させてもらおうかな」
藤木乃さんは草加先生をフィールド内のレストランへ案内しに行った。
「はぁ…なんで草加先生が来るんだ…」
「ほんとね…」
「え?お前ら草加ちゃん嫌いなの?」
「嫌いって言うか…苦手…的な」
「うん…あのテンションと絡みようはちょっと無理があるわよね…しかも実習生じゃない?こんなとこに来てていいのかしら」
「え?なんでだよ、ダチみたいでいいじゃん?」
「私のお母さん、高校の事務員なんだけど、実習って実習先の学校が実習生の評価を決めるから、あんまり迂闊な行動は控えた方がいいって言ってたわ」
「そうだよね、フレンドリーなのはいいことかもしれないけどちょっと踏み込みすぎって感じる」
「へー、実習って大変なんだな」
「教師になるのにも苦労が絶えないのよ」
(今の話を聞く限りでは草加先生は実習生としてふさわしくないんじゃないかな…)
と、そんなことを考えていると草加先生を案内していた藤木乃さんが帰ってきた。
しかし、案内する前の雰囲気と今の雰囲気が明らかに違った。
「ど…どうしたの?藤木乃さん…」
「どうしたもこうしたも…ありませんわー!!!!!!!」
「ま…万璃?!」
珍しく藤木乃さんがブチ切れしている。
きっと草加先生のことに違いない。
「あの女ぁ…レストラン利用するとか言っといて…財布に金がほとんど入ってなかったんですわ…」
「え…持ってたの…」
「200円…」
「はぁ!?」
「マジかよ…いくら学生だからって…持ち合わせが200円って…」
「ふざけすぎでしょ…」
「ありえないわ…」
「で、どうしたの?」
「…メニューを選んでいただいてこちら持ちにしましたわ…」
「えー!?」
「万璃…人良すぎじゃね?普通、金なかったら食わねーって」
「仕方ありませんわ、邪険に扱うのも気が引けたんですもの…」
(藤木乃さん…優しすぎる…)
「話題を重くしてしまい申し訳ありませんわ…さ、今度こそランチにしましょ!」
俺たちはようやく藤木乃さんちのシェフが作ってくれたお弁当にありつけた。
待った甲斐…というか待たされた甲斐があったというかでお弁当はとても美味しかった。
「不快にさせてしまったお詫びとして
シェフの田所にお願いして七色ゼリーを作っていただきましたから召し上がって?」
「デザートまでくれんのか!ラッキー!」
「柚樹、少しは遠慮しろよな
いいの?藤木乃さん、デザートまで貰っちゃって…」
「えぇ、不快にさせてしまったお詫びですもの」
(やっぱり人がいいな、藤木乃さんは)
デザートまでご馳走になった俺たちはまたプールへと行こうとした。
「待って!」
「え?」
「万璃?」
「食べた直後は運動するものではありません、少し胃を休めてからにしましょ」
「そうだね、」
「さすが藤木乃さんね」
俺たちは屋根のある日陰で少し休んだ。
数分休んでいると、食事を終えてきたのか草加先生が戻ってきた。
「やっほ~君たちもうへばったの?体力ないなー」
「違いますわ、食事直後の運動は良くないから少し休んでいるのです」
「えー?そんなん大丈夫だよ!」
「草加先生が大丈夫でも俺らは休みたいので」
「いいじゃんかー!パツキンくん泳ぎに行こ!」
「やー俺もちょっと休みてぇ…」
「なーに言ってんの!君みたいな鍛えてる子はちょっと休まなくても大丈夫!」
(何を根拠に言ってんの!?)
草加先生は断る柚樹を無理やり引っ張ってプールに連れて行った。
急いで止めに行った時には遅かった。
「そーれっ!」
「や!やめっ…!」
間に合わずドボーンと目の前で草加先生は柚樹をプールに投げ入れた。
(何考えてんの!この先生は!?)
「柚樹!!!」
相当疲れていたのか柚樹は溺れかけていた。
「た!たすっ…け…!」
「今行く!」
俺はプールへ飛び込み、泳いで柚樹をプールサイドまで引き上げた。
藤木乃さんが家の救急隊を呼んでくれていて、柚樹は事なきを得た。
気は失っているが、少しすれば意識が戻るだろうと救急隊員はそう言って去っていった。
「良かったですわ、無事で…」
「うん…」
「柚樹を助けてくれてありがとう」
「ううん、俺にとっても大切な友だちだからね
そういえば、さくらちゃんは?」
「青い顔しながら去っていった草加先生を追いかけていきましたわ」
「そういえば…いつの間にかいなくなってる…あの女…柚樹をこんな危険な目に合わせて!」
「本当ですわ」
ー更衣室ー
「草加先生!」
「…さくらん」
「なんで…なんで逃げるんですか」
「用事を思い出したからよ」
「…それ、嘘ですよね?」
「!う、うるさいわね!あんなことになるなんて思わなかったのよ!私は悪くない!」
そう言って草加先生は水着の上に服を着て走って出ていってしまった。
「あ!ちょっと!」
(…無責任すぎるわ…自分がやった事なのに自分は悪くないとか…)
あの後、柚樹はすぐ目を覚まし元気にいつもみたく喋っていた。
草加先生に振り回された今日は地獄のダブルデートになり、そのまま空気が重いまま解散となった。
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