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番外編:サーシャの結婚(後編)
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――捨てられた子犬再び。
しかも前回よりもしょんぼり具合が二割増しですわ。
「またお会い出来て光栄です。
先日は不適切な発言をしてしまい、申し訳ありませんでした」
王子なのに、ずいぶん謙ってますわね。大丈夫なのでしょうか。
前回、王都別邸でお会いした時は、両親と共にご挨拶を受けました。
今回は、領地の本邸――ではなく、わたくしが領主を務めるホーソン領の領主館で、叔父夫婦と一緒です。もちろんリベロも。
対面がこの地になったのは、領地の視察に向かうことになったので、東側の領地と東側隣国、王都に向かうより距離が近いからついでに、という単純な理由です。
ひとしきり挨拶が終わった後、現在ガゼボに場所を移しています。
叔父様が今回同行したのは興味本位でしょうけれど、奥様は?
奥様は平民でしたが、キンバリー侯爵家の養女になり、叔父様と婚姻しました。
叔父様が彼女を妻にしたいが為、貴族籍を抜けるとまで言うほど惹かれ合っている……ようには感じられませんが。
どちらかと言うと、同好の士のような関係に見えますわ。
十三歳も年が離れていますしね。
奥様=セシルさんは、現在の身分は子爵夫人。
マリアージェ様=女王陛下の身分を超えたご友人なので、権力志向の強い貴族に利用されてしまいそうな立場です。
――が、義実家がキンバリー侯爵家であり、夫の実家がミカエラ公爵家であれば、よほど愚か者でない限り、彼女をどうこうしようとは思いませんでしょう。
そして何よりも、彼女自身には『ファン』という支持層がおりますの。
彼女の正体は、小説家です。しかも、貴族から平民に至るまでの愛読者が多数いるのです。
最初こそは女性ファンがほとんどでしたが、最近再版された処女作で、男性ファンも獲得したのです。
叔父様もそのファンの一人です。何を隠そうわたくしも。
そういえば、わたくしをモデルに小説を書いているはずですが、許可を貰いに来てから結構な月日が過ぎています。
もう一つ二つ、何かエピソードがあれば……とか言っていたようですが……もしかしたら今回の同行はネタ探し?
そう。そうなら仕方ございませんわね。うふふ。
「あのぉ、サーシャ嬢。
先日は失言のみならず、言葉が足りませんでした。
俺がアルステッド王国の令嬢との縁談を望んでいることは既にご承知の通りです。
ですが、それが誰でも良い、という訳ではないのです」
すっかり思考があらぬ方へと逸れていたわたくしに、オルティス様はおずおずと話しかけてきました。
理由は、それこそ知りたいと思っていましたわ。
「あの婚姻式で、サーシャ嬢は不自由な体を推して参列していた――というのは、実は後で知ったのですが、癒えたばかりの体ですっくと立ち、堂々と証言された姿に、俺は感動したのです。
この国と縁づかせたいという思惑は、国としての判断ですが、俺個人の希望でもありました。
何人かの候補を上げられましたが、俺は真っ先に貴女を思い出したんです。
俺の失態を目撃している、悪い印象を持っているだろうサーシャ嬢に、敢えて縁談を申し込んだんです」
ううん? 納得できるような出来ないような。
「どうも俺は、強い女性に心惹かれるようです。
女王陛下しかり、サーシャ嬢しかり」
「わたくしが、強い?」
「そうでしょう?
並み居る貴族たちの前で堂々と証言出来たり、先日ははっきりと断りの文句を言えたり。
それに『魔狼』を完全に従えている事も。
幼体から育てたとはいえ、豊富な魔力と強い精神力が必要なはずです」
リベロが『魔狼』だと分かると、契約解除して森に返すべきだと皆さんに言われてきました。
成獣になれば手に負えなくなるから――と。
今日もわたくしの足元に侍っているリベロを見下ろすと、わたくしを見上げ、こてんと首を傾げました。
あ、あざとい。
成獣になってもリベロはわたくしの可愛い子なの!
くすりとした笑い声が聞こえました。叔父様です。
「サーシャは一見、優しそうで大人しそうに見えるからね。
見かけで騙されず、本質に気づいてくれる存在は貴重だよ?」
誰かと違ってね――そう言外に言ってますわね?
あの波瀾の婚姻式では、叔父様は裏方に徹していました。
大量の転移魔法陣を設置させたり、臨時貴族議会が始まった時から、大聖堂の出入りを封じる結界装置を発動させたり。
わたくし達家族とセシルさんたちを守る防御結界を張ったり。
普段はミカエラ家と距離を取っている叔父様ですが、いざという時はやはり頼りになります。
リズボーン公爵、いえ、今は大公閣下ですわね。あの方の依頼で動いたのでしょうけれど。
おもむろに叔父様はオルティス様に顔を向けました。
「オルティス殿下、質問をしてもよろしいでしょうか」
「ああ、構わない」
何でしょう。叔父様は時々突拍子もないことを言い出すので、ドキドキしますわ。
「感謝致します。では――オルティス殿下はマリアージェ様のどこが一番輝いていると思われますか?」
「叔父様!?」
何を言いやがりますの!?
「既存の概念を打ち砕く発想力、この国及び近隣諸国にもなかった技術やアイデアをもたらす女神の如く!
わたしはあの方になら下僕として生涯仕えても良いと崇拝しております!」
「なんと! イリヤ卿もそのように思っていたのか!
女王陛下はまさに『至宝』と呼ばれるに値するお方!
美しさは言うに及ばず、周辺国のあらゆる言語を流暢に操り、大使にも気遣う豊富な知識と教養。
更には稀なる魔法属性をいともたやすく使用できるなど!
ああ、言葉に尽くせない! 俺にもっと語彙力があれば!!」
オルティス様の近侍の方々が、慌てて止めようとしますが何故か動けない様子。
まさか叔父様の仕業!?
「そう! かの方の魅力に順位など無用!
陛下は輝ける明けの明星。きっとこれからもこの国を、いや、周辺国にもその恩恵は広がっていくでしょう。
いったい次はどんな閃きを与えて下さることか、それを想うと昼は眠れず」
叔父様の目的が分からない。
ただ、同士と語らいたかったのですか!?
それに昼に眠らないのは普通ですわ!
「この胸の高鳴りを理解してくれる同士がいようとは!
これは『恋』ではないが、一種の『愛』だと言える!」
「その『愛』というのは、『推し』というのですよ、殿下」
「おし?」
「我が妻の語録です。『ファン』とも言います。
第三者でありながら、対象の魅力に惹かれ、応援したくなる。
更には貢献したくなる、それが『ファン心理』!」
「な、なるほど……『ファン』か」
「そうです!」
「ありがとうイリヤ卿! 女王陛下に対するこの想いを、どう言って現せばいいのか分からなかったんだ。
我々は女王陛下の『ファン』なのだな!」
「きっと他にもこの想いを抱えている同士がいる筈です。
仲間を集い、いつか『ファンクラブ』なるものを発足したいと野望を抱いております」
「おお! 俺も仲間になるぞ!」
「それは頼もしい! 『ファンクラブ』発足の最大の障壁は王配、レオナルド様です」
「うっ! それは何とも高く険しい壁だな!」
「我々『ファン』の愛はその壁を越えてこそ本物になるのです!
共に戦いましょう!!」
「おおっ!!」
……あなた方は何をやっているのでしょう。
肩を組んで片腕を天に突き上げて彼方に向かって叫んでいますが。
オルティス様、あなたの近侍は床に頽れておりましてよ?
それから叔父様、あなたの妻は猛然とメモを取りまくって、何やら意味不明の言葉を呟いていますのよ。
そろそろ現実に戻って頂けないかしら。
ああ、わたくしが場を仕切らないといけないのでしょうか。
「――叔父様、オルティス殿下」
特に大きな声を出していませんが、オルティス様はびくりと肩を震わせ、そろりそろりとわたくしを振り返ります。
まあ! 叱られた子犬のよう。
「子犬属性で“M”っけあり。“受け”だよねー」
子犬属性以外意味不明のセシルさんの呟きは、すっかり言葉遣いが乱れていますわ。
余計なことかもしれませんが、後で注意を促しましょう。
「オルティス殿下、楽しそうでよろしゅうございましたわね?」
ここに何をしに来たのか思い出したのでしょう。
慌てふためき、無駄に両手を突き出して振っていますが、本当にどうしてくれようかしら。
元はと言えば叔父様のせいですわ! と視線を向けると、ニヤリと笑い返されました。
わざと、ですか。そうですわね。
すっかりマリアージェ様に対する『愛』が、『ファン』としての愛に置き換えられてしまいましたわ。
素直ですわねぇ。
「あ、あ、あの、サーシャ嬢……」
一度ならずも二度までも脱線しまくるこの方、将来が心配ですわ。
しっかりした方が傍で教え導かねば、取り返しのつかない失態を犯しそうですもの。
あら、既にやらかしていましたわ。
どうしたものかと考えていましたら、ふいにリベロが立ちあがり、てくてくとオルティス様の側へ行き、ぐるりと回りながら上から下まで見やって、ふんと鼻息を吹きかけました。
ちょっと小馬鹿にしているようですわ。
対するオルティス様はがちがちに緊張しています。
ふぅと溜息を吐いて、リベロを戻すために視線を向けると、ちゃんと目線を合わせてくれる賢い子に手を差し伸べます。
「お手」
わたくしの手の平に、しっかりと手が載せられました。人間の手が……ええ!?
リベロは中途半端に持ち上げた前足をそのままに、呆れた目でオルティス様を見上げています。
これ、どうしましょう。
動揺の中にちょっとした好奇心が湧き、期待を込めて言います。
「……お座り」
わたくしの目の前に、すちゃっと片膝を着くオルティス様。と、その隣にお座りしているリベロ。
ああ、でも、なんでしょう、この達成感。胸が高鳴りますわ!
「サーシャ様ったら“S”っけあり!? “S”と“M”! 相性ばっちり!」
セシルさん、何をおっしゃっているの?
「サーシャ嬢、返す返すも申し訳ありません。
でも、どうか俺との縁談を前向きに考えて頂けませんか。
女王陛下への思いは『ファン心理』だとイリヤ卿のおかげで分かりましたし、アルステッド王国の誰かと婚姻する事になるなら、俺はサーシャ嬢が良いのです」
差し出しているわたくしの手を下からも支え、両手でそっと包み込まれてしまいましたわ。
理想を言うなら、国など関係なく、わたくしを望んで頂きたいと思いますの。
でも、致し方ございませんわ。高位貴族たるもの、国の思惑を無視する訳には参りませんもの。
それに――そんな不安そうに、縋る目で見られては、捨てるに捨てられないではありませんか。
ああ、わたくしの悪い癖が……。
さすがに「伏せ」を言うのは止めておきましょう。
「分かりましたわ。正式なお返事は関係各位の承認を得てからになりますけれど、前向きに検討いたします」
とたんにぱぁっと笑顔を浮かべる子犬。ではなく、オルティス様。
ぶんぶん左右に揺れる尻尾の幻を見た気がしますわ。
いつの間にか立ち上がった、オルティス様の近侍たちは少し涙ぐんだ笑顔です。
あの方たちも大変ですわね。
さて、事態をややこしくした叔父様はというと――
「『えす』と『えむ』とはどういう意味かな?」
「えーと、ちょっとニュアンスが繊細なんですけどぉ」
セシルさんを膝の上に座らせ、好奇心に目をキラキラさせて、彼女のメモ帳を一緒に覗いていましたわ。
何故ここでイチャイチャしているのでしょう。
わたくしたちの事はもう眼中にないのでしょうか。
まぁ、叔父様、そんな慈しむ眼差しを奥様に向けて!
わたくしが男女の機微に疎いだけで、ちゃんと仲の良い夫婦関係を築いていたのですね。
叔父様はもしかしたら結婚しないまま、生涯マリアージェ様を敬愛し、魔導具作りをするのではないかとわたくしたち家族は思っておりましたの。
だけれど、今とっても幸せそうで安心いたしました。
*****
その後、家族と相談し、結局この縁談を受ける事になりました。
「サーシャは昔から色んなものを拾ってきたが、ついにダメ王子まで拾ってくるとは」
お父様がおっしゃる通り、わたくしは子供の頃から弱っている生き物を拾ってきてしまうのです。
子猫や小鳥、子犬(魔獣)、行き倒れていた男の子など。
看病し、元気になった後もミカエラ家で過ごしていますわ。拾った責任において、無責任に放逐など致しません。
男の子は下男から始めて現在従僕として働いていますの。
「純粋で素直なので騙されやすいのではないかと。
よく目を掛けて脇道に逸れないよう、しっかりと監督いたしましょう」
「ああ、ちゃんとお世話するようにな」
およそ婚約者、それも王族に対するお話ではないでしょうけれど、これが我が家ですの。
叔父様には「調教すればいい」と言われましたわね。
あちらに聞かれたら不敬だと憤慨なさるでしょうから、家族だけの秘密です。が――マリアージェ様にも同じようなお話をして、縁談を受けると伝えました。
少し心配そうにされましたが、【CAMERA】の録画を観て、声を上げて笑っておりましたわ。
因みに、セシルさんの小説が書き終わったという事で、本にする前の原稿の写しを頂きましたの。
タイトルは『お嬢様と犬(魔狼と下僕)』。
…………このタイトルは、ひょっとしたら物議をかもすかもしれませんわね。
内容は――
陰謀に巻き込まれたお嬢様が、王子から婚約破棄され、冤罪を掛けられ国外追放処分を受ける。
だがこのお嬢様は逞しく、獣魔の魔狼と下僕(従僕)をお供に他国に渡り、そこで冒険者として生計を立てようとしたが、下僕はなんとその国の王子だったのです。
犬たち以外を失ってしまったお嬢様は、温かく迎えられ、下僕だった王子と仲を深めていく。
そんな中、母国では王子の陰謀が暴かれ、お嬢様の冤罪は晴れていました。
帰還を促す書簡を受け取り、お嬢様は下僕王子の婚約者として共に帰国します。
自分を蔑ろにした人々を断罪し、縁を切って下僕王子の国に戻ったあと、犬たち(魔狼と下僕)と一緒に幸せに暮らしましたとさ。
「『ざまぁ系』です」、とセシルさんに言われましたが、「ざまあ」とは何のことやら。
でも、悪を懲らしめて幸せになるという、スッキリとしたお話でしたわ。
ただね、『下僕』というのはもしかしたら……いえ、追及は止めておきましょう。きっと気にしたら負けなのですわ。
オルティス様には知らぬ存ぜぬで通しましょう。そうしましょう。
そういえば『ふぁんくらぶ』なるものは、意外なことにレオナルド様の公認となりましたの。
きっと、マリアージェ様のファンが有象無象といるより、管理しやすいと思われたのでしょう。
でも、その内『名誉会長』に就任している……なんてこともあるかもしれませんわね。
うふふふ。
――後日。
ホーソン子爵、サーシャ=ミカエラは、カイザール王国の第三王子オルティスを婿として迎えるにあたり、伯爵位へと陞爵された。
また、オルティス王子はカイザール王家の王位継承権を放棄し、臣籍降下して伯爵位を得た。
ホーソン伯爵家へ婿入りの為の持参金は、カイザール王国の特産品である魔鉱石、その採掘場の一つだった事が大変喜ばれ、カイザール王国は他の国々よりも一歩アルステッド王国と親密となった。
---------------おわり---------------
長いお話を読んでいただきありがとうございます!
<蛇足>----------
サーシャは控えめで大人しい淑女と思われていますが、芯の強いちょっぴり腹黒さん。
可愛いもの好きです。
レネはそういう所も承知していて「いい子」と言っているのは、単にその性格が好きだからですね。
大人しくうじうじするタイプは敬遠します。
本編にも番外編でも一切登場しなかったサーシャの兄は、国内の貴族令嬢との結婚一択です。
前王家の血筋なので、外国の王族と結婚したら、いらない波瀾が巻き起こるかもしれないという理由からですね。
サーシャがオルティス君と婚約することになってから、本腰入れて縁談をまとめにかかりました。
きっといい人を見つけたでしょう。
しかも前回よりもしょんぼり具合が二割増しですわ。
「またお会い出来て光栄です。
先日は不適切な発言をしてしまい、申し訳ありませんでした」
王子なのに、ずいぶん謙ってますわね。大丈夫なのでしょうか。
前回、王都別邸でお会いした時は、両親と共にご挨拶を受けました。
今回は、領地の本邸――ではなく、わたくしが領主を務めるホーソン領の領主館で、叔父夫婦と一緒です。もちろんリベロも。
対面がこの地になったのは、領地の視察に向かうことになったので、東側の領地と東側隣国、王都に向かうより距離が近いからついでに、という単純な理由です。
ひとしきり挨拶が終わった後、現在ガゼボに場所を移しています。
叔父様が今回同行したのは興味本位でしょうけれど、奥様は?
奥様は平民でしたが、キンバリー侯爵家の養女になり、叔父様と婚姻しました。
叔父様が彼女を妻にしたいが為、貴族籍を抜けるとまで言うほど惹かれ合っている……ようには感じられませんが。
どちらかと言うと、同好の士のような関係に見えますわ。
十三歳も年が離れていますしね。
奥様=セシルさんは、現在の身分は子爵夫人。
マリアージェ様=女王陛下の身分を超えたご友人なので、権力志向の強い貴族に利用されてしまいそうな立場です。
――が、義実家がキンバリー侯爵家であり、夫の実家がミカエラ公爵家であれば、よほど愚か者でない限り、彼女をどうこうしようとは思いませんでしょう。
そして何よりも、彼女自身には『ファン』という支持層がおりますの。
彼女の正体は、小説家です。しかも、貴族から平民に至るまでの愛読者が多数いるのです。
最初こそは女性ファンがほとんどでしたが、最近再版された処女作で、男性ファンも獲得したのです。
叔父様もそのファンの一人です。何を隠そうわたくしも。
そういえば、わたくしをモデルに小説を書いているはずですが、許可を貰いに来てから結構な月日が過ぎています。
もう一つ二つ、何かエピソードがあれば……とか言っていたようですが……もしかしたら今回の同行はネタ探し?
そう。そうなら仕方ございませんわね。うふふ。
「あのぉ、サーシャ嬢。
先日は失言のみならず、言葉が足りませんでした。
俺がアルステッド王国の令嬢との縁談を望んでいることは既にご承知の通りです。
ですが、それが誰でも良い、という訳ではないのです」
すっかり思考があらぬ方へと逸れていたわたくしに、オルティス様はおずおずと話しかけてきました。
理由は、それこそ知りたいと思っていましたわ。
「あの婚姻式で、サーシャ嬢は不自由な体を推して参列していた――というのは、実は後で知ったのですが、癒えたばかりの体ですっくと立ち、堂々と証言された姿に、俺は感動したのです。
この国と縁づかせたいという思惑は、国としての判断ですが、俺個人の希望でもありました。
何人かの候補を上げられましたが、俺は真っ先に貴女を思い出したんです。
俺の失態を目撃している、悪い印象を持っているだろうサーシャ嬢に、敢えて縁談を申し込んだんです」
ううん? 納得できるような出来ないような。
「どうも俺は、強い女性に心惹かれるようです。
女王陛下しかり、サーシャ嬢しかり」
「わたくしが、強い?」
「そうでしょう?
並み居る貴族たちの前で堂々と証言出来たり、先日ははっきりと断りの文句を言えたり。
それに『魔狼』を完全に従えている事も。
幼体から育てたとはいえ、豊富な魔力と強い精神力が必要なはずです」
リベロが『魔狼』だと分かると、契約解除して森に返すべきだと皆さんに言われてきました。
成獣になれば手に負えなくなるから――と。
今日もわたくしの足元に侍っているリベロを見下ろすと、わたくしを見上げ、こてんと首を傾げました。
あ、あざとい。
成獣になってもリベロはわたくしの可愛い子なの!
くすりとした笑い声が聞こえました。叔父様です。
「サーシャは一見、優しそうで大人しそうに見えるからね。
見かけで騙されず、本質に気づいてくれる存在は貴重だよ?」
誰かと違ってね――そう言外に言ってますわね?
あの波瀾の婚姻式では、叔父様は裏方に徹していました。
大量の転移魔法陣を設置させたり、臨時貴族議会が始まった時から、大聖堂の出入りを封じる結界装置を発動させたり。
わたくし達家族とセシルさんたちを守る防御結界を張ったり。
普段はミカエラ家と距離を取っている叔父様ですが、いざという時はやはり頼りになります。
リズボーン公爵、いえ、今は大公閣下ですわね。あの方の依頼で動いたのでしょうけれど。
おもむろに叔父様はオルティス様に顔を向けました。
「オルティス殿下、質問をしてもよろしいでしょうか」
「ああ、構わない」
何でしょう。叔父様は時々突拍子もないことを言い出すので、ドキドキしますわ。
「感謝致します。では――オルティス殿下はマリアージェ様のどこが一番輝いていると思われますか?」
「叔父様!?」
何を言いやがりますの!?
「既存の概念を打ち砕く発想力、この国及び近隣諸国にもなかった技術やアイデアをもたらす女神の如く!
わたしはあの方になら下僕として生涯仕えても良いと崇拝しております!」
「なんと! イリヤ卿もそのように思っていたのか!
女王陛下はまさに『至宝』と呼ばれるに値するお方!
美しさは言うに及ばず、周辺国のあらゆる言語を流暢に操り、大使にも気遣う豊富な知識と教養。
更には稀なる魔法属性をいともたやすく使用できるなど!
ああ、言葉に尽くせない! 俺にもっと語彙力があれば!!」
オルティス様の近侍の方々が、慌てて止めようとしますが何故か動けない様子。
まさか叔父様の仕業!?
「そう! かの方の魅力に順位など無用!
陛下は輝ける明けの明星。きっとこれからもこの国を、いや、周辺国にもその恩恵は広がっていくでしょう。
いったい次はどんな閃きを与えて下さることか、それを想うと昼は眠れず」
叔父様の目的が分からない。
ただ、同士と語らいたかったのですか!?
それに昼に眠らないのは普通ですわ!
「この胸の高鳴りを理解してくれる同士がいようとは!
これは『恋』ではないが、一種の『愛』だと言える!」
「その『愛』というのは、『推し』というのですよ、殿下」
「おし?」
「我が妻の語録です。『ファン』とも言います。
第三者でありながら、対象の魅力に惹かれ、応援したくなる。
更には貢献したくなる、それが『ファン心理』!」
「な、なるほど……『ファン』か」
「そうです!」
「ありがとうイリヤ卿! 女王陛下に対するこの想いを、どう言って現せばいいのか分からなかったんだ。
我々は女王陛下の『ファン』なのだな!」
「きっと他にもこの想いを抱えている同士がいる筈です。
仲間を集い、いつか『ファンクラブ』なるものを発足したいと野望を抱いております」
「おお! 俺も仲間になるぞ!」
「それは頼もしい! 『ファンクラブ』発足の最大の障壁は王配、レオナルド様です」
「うっ! それは何とも高く険しい壁だな!」
「我々『ファン』の愛はその壁を越えてこそ本物になるのです!
共に戦いましょう!!」
「おおっ!!」
……あなた方は何をやっているのでしょう。
肩を組んで片腕を天に突き上げて彼方に向かって叫んでいますが。
オルティス様、あなたの近侍は床に頽れておりましてよ?
それから叔父様、あなたの妻は猛然とメモを取りまくって、何やら意味不明の言葉を呟いていますのよ。
そろそろ現実に戻って頂けないかしら。
ああ、わたくしが場を仕切らないといけないのでしょうか。
「――叔父様、オルティス殿下」
特に大きな声を出していませんが、オルティス様はびくりと肩を震わせ、そろりそろりとわたくしを振り返ります。
まあ! 叱られた子犬のよう。
「子犬属性で“M”っけあり。“受け”だよねー」
子犬属性以外意味不明のセシルさんの呟きは、すっかり言葉遣いが乱れていますわ。
余計なことかもしれませんが、後で注意を促しましょう。
「オルティス殿下、楽しそうでよろしゅうございましたわね?」
ここに何をしに来たのか思い出したのでしょう。
慌てふためき、無駄に両手を突き出して振っていますが、本当にどうしてくれようかしら。
元はと言えば叔父様のせいですわ! と視線を向けると、ニヤリと笑い返されました。
わざと、ですか。そうですわね。
すっかりマリアージェ様に対する『愛』が、『ファン』としての愛に置き換えられてしまいましたわ。
素直ですわねぇ。
「あ、あ、あの、サーシャ嬢……」
一度ならずも二度までも脱線しまくるこの方、将来が心配ですわ。
しっかりした方が傍で教え導かねば、取り返しのつかない失態を犯しそうですもの。
あら、既にやらかしていましたわ。
どうしたものかと考えていましたら、ふいにリベロが立ちあがり、てくてくとオルティス様の側へ行き、ぐるりと回りながら上から下まで見やって、ふんと鼻息を吹きかけました。
ちょっと小馬鹿にしているようですわ。
対するオルティス様はがちがちに緊張しています。
ふぅと溜息を吐いて、リベロを戻すために視線を向けると、ちゃんと目線を合わせてくれる賢い子に手を差し伸べます。
「お手」
わたくしの手の平に、しっかりと手が載せられました。人間の手が……ええ!?
リベロは中途半端に持ち上げた前足をそのままに、呆れた目でオルティス様を見上げています。
これ、どうしましょう。
動揺の中にちょっとした好奇心が湧き、期待を込めて言います。
「……お座り」
わたくしの目の前に、すちゃっと片膝を着くオルティス様。と、その隣にお座りしているリベロ。
ああ、でも、なんでしょう、この達成感。胸が高鳴りますわ!
「サーシャ様ったら“S”っけあり!? “S”と“M”! 相性ばっちり!」
セシルさん、何をおっしゃっているの?
「サーシャ嬢、返す返すも申し訳ありません。
でも、どうか俺との縁談を前向きに考えて頂けませんか。
女王陛下への思いは『ファン心理』だとイリヤ卿のおかげで分かりましたし、アルステッド王国の誰かと婚姻する事になるなら、俺はサーシャ嬢が良いのです」
差し出しているわたくしの手を下からも支え、両手でそっと包み込まれてしまいましたわ。
理想を言うなら、国など関係なく、わたくしを望んで頂きたいと思いますの。
でも、致し方ございませんわ。高位貴族たるもの、国の思惑を無視する訳には参りませんもの。
それに――そんな不安そうに、縋る目で見られては、捨てるに捨てられないではありませんか。
ああ、わたくしの悪い癖が……。
さすがに「伏せ」を言うのは止めておきましょう。
「分かりましたわ。正式なお返事は関係各位の承認を得てからになりますけれど、前向きに検討いたします」
とたんにぱぁっと笑顔を浮かべる子犬。ではなく、オルティス様。
ぶんぶん左右に揺れる尻尾の幻を見た気がしますわ。
いつの間にか立ち上がった、オルティス様の近侍たちは少し涙ぐんだ笑顔です。
あの方たちも大変ですわね。
さて、事態をややこしくした叔父様はというと――
「『えす』と『えむ』とはどういう意味かな?」
「えーと、ちょっとニュアンスが繊細なんですけどぉ」
セシルさんを膝の上に座らせ、好奇心に目をキラキラさせて、彼女のメモ帳を一緒に覗いていましたわ。
何故ここでイチャイチャしているのでしょう。
わたくしたちの事はもう眼中にないのでしょうか。
まぁ、叔父様、そんな慈しむ眼差しを奥様に向けて!
わたくしが男女の機微に疎いだけで、ちゃんと仲の良い夫婦関係を築いていたのですね。
叔父様はもしかしたら結婚しないまま、生涯マリアージェ様を敬愛し、魔導具作りをするのではないかとわたくしたち家族は思っておりましたの。
だけれど、今とっても幸せそうで安心いたしました。
*****
その後、家族と相談し、結局この縁談を受ける事になりました。
「サーシャは昔から色んなものを拾ってきたが、ついにダメ王子まで拾ってくるとは」
お父様がおっしゃる通り、わたくしは子供の頃から弱っている生き物を拾ってきてしまうのです。
子猫や小鳥、子犬(魔獣)、行き倒れていた男の子など。
看病し、元気になった後もミカエラ家で過ごしていますわ。拾った責任において、無責任に放逐など致しません。
男の子は下男から始めて現在従僕として働いていますの。
「純粋で素直なので騙されやすいのではないかと。
よく目を掛けて脇道に逸れないよう、しっかりと監督いたしましょう」
「ああ、ちゃんとお世話するようにな」
およそ婚約者、それも王族に対するお話ではないでしょうけれど、これが我が家ですの。
叔父様には「調教すればいい」と言われましたわね。
あちらに聞かれたら不敬だと憤慨なさるでしょうから、家族だけの秘密です。が――マリアージェ様にも同じようなお話をして、縁談を受けると伝えました。
少し心配そうにされましたが、【CAMERA】の録画を観て、声を上げて笑っておりましたわ。
因みに、セシルさんの小説が書き終わったという事で、本にする前の原稿の写しを頂きましたの。
タイトルは『お嬢様と犬(魔狼と下僕)』。
…………このタイトルは、ひょっとしたら物議をかもすかもしれませんわね。
内容は――
陰謀に巻き込まれたお嬢様が、王子から婚約破棄され、冤罪を掛けられ国外追放処分を受ける。
だがこのお嬢様は逞しく、獣魔の魔狼と下僕(従僕)をお供に他国に渡り、そこで冒険者として生計を立てようとしたが、下僕はなんとその国の王子だったのです。
犬たち以外を失ってしまったお嬢様は、温かく迎えられ、下僕だった王子と仲を深めていく。
そんな中、母国では王子の陰謀が暴かれ、お嬢様の冤罪は晴れていました。
帰還を促す書簡を受け取り、お嬢様は下僕王子の婚約者として共に帰国します。
自分を蔑ろにした人々を断罪し、縁を切って下僕王子の国に戻ったあと、犬たち(魔狼と下僕)と一緒に幸せに暮らしましたとさ。
「『ざまぁ系』です」、とセシルさんに言われましたが、「ざまあ」とは何のことやら。
でも、悪を懲らしめて幸せになるという、スッキリとしたお話でしたわ。
ただね、『下僕』というのはもしかしたら……いえ、追及は止めておきましょう。きっと気にしたら負けなのですわ。
オルティス様には知らぬ存ぜぬで通しましょう。そうしましょう。
そういえば『ふぁんくらぶ』なるものは、意外なことにレオナルド様の公認となりましたの。
きっと、マリアージェ様のファンが有象無象といるより、管理しやすいと思われたのでしょう。
でも、その内『名誉会長』に就任している……なんてこともあるかもしれませんわね。
うふふふ。
――後日。
ホーソン子爵、サーシャ=ミカエラは、カイザール王国の第三王子オルティスを婿として迎えるにあたり、伯爵位へと陞爵された。
また、オルティス王子はカイザール王家の王位継承権を放棄し、臣籍降下して伯爵位を得た。
ホーソン伯爵家へ婿入りの為の持参金は、カイザール王国の特産品である魔鉱石、その採掘場の一つだった事が大変喜ばれ、カイザール王国は他の国々よりも一歩アルステッド王国と親密となった。
---------------おわり---------------
長いお話を読んでいただきありがとうございます!
<蛇足>----------
サーシャは控えめで大人しい淑女と思われていますが、芯の強いちょっぴり腹黒さん。
可愛いもの好きです。
レネはそういう所も承知していて「いい子」と言っているのは、単にその性格が好きだからですね。
大人しくうじうじするタイプは敬遠します。
本編にも番外編でも一切登場しなかったサーシャの兄は、国内の貴族令嬢との結婚一択です。
前王家の血筋なので、外国の王族と結婚したら、いらない波瀾が巻き起こるかもしれないという理由からですね。
サーシャがオルティス君と婚約することになってから、本腰入れて縁談をまとめにかかりました。
きっといい人を見つけたでしょう。
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