ウソコク

三五八11

文字の大きさ
上 下
65 / 67
最終章 ウソコク

さらに快進撃

しおりを挟む
大樹は公式戦が始まる事が
待ち遠しいくてしょうがなかった
競馬の競走馬なら、気負い過ぎで
逆に悪いかな?な状態だった。

花咲はキャプテンとして
グランドにたつとき
必ず大樹に、ゲームでは大樹がキャプテン
と言うが、その後の決まり文句が
「桃太郎さん、よろしく」
メロの通称ファッジは雉
新加入1年の椿は
ひたすら走りまわるので犬 
サル顔でいろいろなポジションを
器用にこなす自分を猿
その大将が桃太郎の大樹と言う事らしい

大樹は試合開始早々に
ややディフェンシブなポジションにおく
椿に「来い」と合図すると
自分は右サイドに花咲との
ワンツーなどで一気に相手コートを
駆け上がる
そして「ファッジ」と大声で呼び
クロスをあげる。
いつもの練習通りの高さにくると思い
メロは全力で
走り込むがボールを見失う
味方すら騙されるので
本気で走っているデコイラン
ボールは逆サイドの椿の足元に
ピンポイントに届く
華麗すぎるサイドチェンジ
速さのある椿がペナルティーエリアで
シュートを打つが相手キーパーに
はじかれた。
しかし、そのボールはすいついてきたのか?
と思うほど、大樹の前に転がってきた
余裕のインサイドキックで
先取点を取った大樹達は
初戦を、6対0で圧勝した

次の試合も4対1と圧勝
1点は椿が相手との接触で
軽い脳震盪を起こしたので
無理させないよう下げた直後の
連携ミスからのオウンゴール
課題が残った
が、椿の代わりに入った
柏屋のダッシュ力、足の速さだけなら
椿以上と感じた大樹は
かなり厳しいポイントへ
スルーパスを送ると
ラインギリギリで追いつき
立ち上がり、すぐにクロスをあげる
4点目は、大樹に、とって
オウンゴールの問題が吹き飛ぶような
そんな手ごたえを感じていた。
これなら、全国にいける
そして、兄貴の紹介で
プロになれる。

帰ると紅葉が、大樹によってくる。
「今日の仕事、オウンゴールのあと
 全く崩れないキャプテンシーも
 凄いって、チームのスカウトから
 さっき連絡があったところだよ
 この勢いを殺さない姿勢とスキル
 ラストイヤーしかチャンスのないお前には
 課題しかないが、問題ないだろう?」
「あ、多分。
 でも、東京代表に気になる奴がいる」
紅葉はなにも言わない。
おそらく同じ選手を警戒していた。
その選手はこの2試合をみたのか
自分の勝った試合後のインタビューで
「他県にいるフェイクスターには
 負けない自信がある」
とコメントしていた
これは間違いなく、大樹の事だ。
そのコメントをした選手の名前は
『榊 浩之』昨年の覇者のセンターフォワード
名門帝都工業で1年からレギュラーになった
超エリートで、大樹と同じように
兄は日本代表GK榊 隆史。
ジュニアの時から意識したいた

大樹は久しぶりにラインをおくる。
「大好きだよ、美依」
いきなりだけど、その分インパクトあるかな?
「久しぶりだね、大樹のウソ告」
返信があり
「全国大会優勝したら、結婚しよう」
「笑える」
その後しばらくラインのやりとりがあり
「明日も練習早いから寝るよ」
と送ると、返事がなかなか来なかった
寝転ぶ、待つがやはり来ない。
気になったが、やはり疲れがあったのか
寝てしまった
その後携帯がなる
ラインには
「優勝して欲しいなぁ」
そのメッセージは数分後
削除された
しおりを挟む

処理中です...