僕の秘密 彼女の不思議

三五八11

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確率の高い偶然

見たことない未来

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「あ、久しぶり」
以外とナチュラルに声をかける自分に
驚くよりさきに、褒めたくなった、
「うん」別人のような彼女。
「今日は検査、長くなるの?」
「わからない。
 いつもわからないよね?
 カウセリングだけみたい日も
 あるよね?」
「えっ、俺はまだないな」
「そうなの?」
「あのさ、俺達って同じ病気なの?」
かなり以前から気になっていたことが
これも以外とナチュラルに聞けた。
さっきよりさらに自分を褒めたくなった。
しかし、それはほんの一瞬だった。
「ゴメン、そっか。
 ここってあの病気だけじゃないんだ。
 特殊な病気で
 周りもみんな同じようだったから
 あなたも同じって思いこんじゃった」
と、一気に言ったと思うと
深く息を吸い込んで
「でも、じゃあどんな病気なの?
 ここでみる病気って
 軍事利用とか
 なんか難しい事に関わるって
 先生が言ってたの聞いた事あるの」
彼女の左目から一筋の涙がおちる。
「ゴメン、聞かない方がよかった
 ・・・みたいだね」
と、気まづい空気を吸い込みながら
彼女のとなりに、ドカッと座りこんだ。
「どうした?怒ってる?」
突然彼女が聞いてきた。
一変したオレの中の世界
今度は自分を殺したい、死なないけど。

気まずい空気が、病院全体に広がっていく
そんな風に感じるほど険悪
空気の重さで、このソファごと
下の階に落ちるのでは?
と、思うほど重い空気。

なんでこうなった?
褒めたかったさっきまでの俺
帰ってきて、上手く繋いでくれ。
「あのさ」先に口を開いたのは
彼女だった。
でも、これでなんとかなる。
自分勝手な希望。
「私達って、あんまり自分の事
   話さないよね。
   勝手に理解したつもりで」
「その言い方は違くない?」
待て!違う!そうじゃない!
ダメな方に行ってる
と、思ってもすでに彼女は
この言葉の続きを待っている。
「あ~、その 。
    『私達』ってのがだよ。
 世間一般、みんな
 《相手の事一番わかってるのは自分》
 って妄想に取り憑かれて付き合ってる。
 俺がひねくれてるのかもしれないけど
 相手が何考えてるかなんて
 長く付き合ってれば
 当たる可能性が上がる事はあっても
 完全に理解するなんて無理。
 たとえそれが病気のない
 ごくごく普通の男女でも。
 もし、ホントにわかるなら
 夫婦喧嘩や離婚なんてない」
途中から一気に話たので
少し息切れし、彼女を見る。
目が少し潤んでみえる。
「そうなの?ホントにそうなの?」
「絶対とは言えないけど
 多分間違ってはない」
「私達も普通と同じなの?」
「う~ん、特殊な病気だから
 全く同じとは言えないかもしれないけど
 《相手のわからない部分があって
  悩んでしまう》ってのは
 同じと思うけどなぁ…」
クスクスと笑いながら
涙を流し、俺の方を見ていた。
「なんか君変だね」
??なにが!??
「ねえ、またうちにおいでよ」
「うん。行くよ
 その時もっとお互い知り合おう」
「エロっ」
「そんな意味じゃないよ」と焦る
「うそ、わかってる。
 ここだと一応看護師さんいるし
 話にくいよね」
「でも、家でも監視されて
「2人でいる空間で話たい」
「そうだね。オッケー」
「来週の火曜は?」
「大丈夫。家に行くよ。
    時間は月曜に連絡するから
 その時に決めよう」
「わかった」
ちょうど彼女が診察で呼ばれた。

彼女の診察は今日は短かった。
5分もしないと間に出てきて
「早く終わっちゃった。
 なんとなく長くてなる気がして
 予定なにも考えてなくて
 暇になっちゃったし
 待っててもいい?
 長くなりそうなら
 適当に帰るし」
「うん、いいけど。
 今日は長くなるかも?
 先生には、予定あるから
 早く終わってほしいって言ってみる」
と言ってると、名前を呼ばれて
彼女とは違う診察室へ入る。
入ると、いつもと違う先生がいた
『ダメだ、こういう時は長くなる』
と思ってると、ベッドに寝るように
指示があり、従う。
採血、心電図と、血圧を測り、問診。
健康診断のような診察は
年に何回かある。
「何か生活かわりましたか?
 他に気になる事とか」
「彼女っぽい人ができました。
 病気については話してませんが
 話してもいいんですよね?」
「基本的にはダメです。
 しかし、恋愛に支障がでるなら
 簡単になら話してもいいですが
 その場合、あなたの家族の事とかも
 話す事になりませんか?」
心臓が心の全てなら
心臓の表面全てに電流を流された
そんな気分。
痛い、辛い、様々な負の感情。
「そうですね。
  かなり簡単に話だけにします。」
「その方がいいかと思います」
「でも、彼女もこの病院にきてるから
 同じじゃないだろうけど
 何か重い病気であるのは
 間違いないから
 わかってくれると思います」
「必要最低限だけ話して
 相手の話しを聞く。
 夫婦円満の秘訣だよ。
 ってまだ、付き合ってるだけか?」
ハハハ…と乾いた笑いの医師。
「あ、その子が
 待ってるかもしれないので
 早めに診察終われますか?」
「もう終わりでもいいよ。
 そう言うのは先に言ってね」
急に馴れ馴れしくなったな…
マウント取るってやつか?
と、思いつつも
「ありがとうございました」
と挨拶して、退室。
彼女は待っていてくれた。
というより、待合室のソファで
居眠りしていた。
しかし、その時の首の角度や
日の差し込み方のせいか
キラキラと光る髪の毛が
初めて出会った時の彼女を
思い出させた。
やっぱり綺麗だなぁ
しばらく眺めていた。
カクっとなり、彼女は目を覚ました
「なにしてんの?
 診察終わったなら
 声かけて起こしてよ」
「ゴメンね」
「さっき聞けなかったけど
 あなたは時間あるの?」
「うん、大丈夫。
 ご飯食べに行こうよ。
 俺、普通に腹減ってる」

普通に。大好きなんだ言葉が
自然と会話に出てきた
嬉しい。
抱きつきたいと思うほど嬉しい。

彼女の見た目通りの
綺麗で、可愛い笑顔に
抱きしめたいと思うが
病院ではダメだろ、と自粛。
でも、表情は緩む
笑ってる。

両方感じる
「やっぱり笑顔がいい。普通に」


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