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神竜家
新しい人類史の幕開け
しおりを挟む夢の中の光の玉が消えると、元々寝ていた人はそのまま自分の夢の中へ。
起きていて、いきなり時が止まり夢を見た人は、目が覚めた時に「何だ今のは? 寝てたのか……夢?」と首を傾げる。
深夜に外にいた人が、その場で急に眠りに落ちた後に眠りから覚めると、何もなかった目の前にいきなり現れた洞窟のようなオブジェ。
「な、なんだよコレは!?」
驚いたのも束の間、人とは好奇心旺盛な生き物。
洞窟のようなオブジェを見つけた勇気ある好奇心旺盛な人が、人が出入口できそうな小さな扉を開けてしまう。
すると、中にいたのは見たことのない化け物だった。開けた人は慌てて小さな扉を閉じたが、時すでに遅し。
今度は大きな扉が中から押され全開に開くと、化け物がゾロゾロと出てくる。
「な、何だ……ば、化け物だーー!」
「グウオォォォォオーー!!」
全世界で同じ現象が起き、人々は次々に化け物に襲われ命を落としていった。
洞窟のようなオブジェから溢れ出る化け物に対して、その国の警察や軍隊、日本では機動隊と自衛隊が武器を携え迎撃。
しかし、押し寄せる化け物に街は破壊され、防衛線を張るが何度も後退を余儀なくされる。
時が立つに連れ、身に付いたスキルを感覚的に使える者が次々と現れ、攻撃に特化したスキルを保有する者が戦いに参戦した。
その情報がSNSで繋がった世界中の人に伝わり、何度も後退せざるを得なかった防衛線を徐々に押し戻し、やがて化け物を退治し大きな鉄の扉を閉じることに成功する。
洞窟のようなオブジェが現れ、化け物を全て退治するのに実に一ヶ月の月日を要した。
後に判明するのだが、この時に現れたモンスターは全てD級以下だったそうだ……。
❑ ❑ ❑
化け物を退治し落ち着きを取り戻すと、アメリカの呼び掛けで全世界のトップが一堂に会した世界会議が開かれた。
そのようなことは前代未聞であるが、それ程洞窟のようなオブジェ(後にダンジョンと呼ばれる)の出現は脅威であった。
ダンジョンとは、化け物(モンスターと命名)が巣食う地下迷宮。
そして、人はやられたままでは終わらなかった。
あらゆる国がダンジョンの調査に取り掛かると、世界各国から情報が集まりダンジョンの形状は同一であることが判明する。
突如現れたダンジョンの入口から中に入ると洞窟状になっており、奥まで続く横穴を進んで行くと所々に空洞がある。
その空洞の中にはモンスターがいたりいなかったり……。
倒したモンスターからドロップするガラスのような玉。これをエネビ玉と名付け科学者が研究に没頭した。
イギリスの科学者がこのエネビ玉を解明することに成功。
このエネビ玉には電気やガス、水が含まれている事が判明したと発表すると、世界は興奮の坩堝と化す。
エネビ玉の研究と同時に、その玉を入れてエネルギーを使用出来る装置も同時に開発された。
人類は、新しい資源を手に入れたのだ。
そのエネビ玉を日本では、国が一括管理することに。
エネビ玉を取得した人は、必ず役所の専用窓口へ持って行き換金しなければならない。
取得したエネビ玉を家に持ち帰る事は違法とし、取り締まりを徹底した。
国が一括管理したそのエネビ玉を、ガス・電気・水を取り扱う業者に卸すことで、旧資源を扱う業者の倒産を防いだのだ。
世界会議では、全世界共通の敵を迎え撃つ為に、ダンジョンに特化した組織の設立が全会一致で可決される。
その組織の名を『UAF』と名付けた。
アメリカをリーダー国とし、UAF加盟国はUAFの前に各国の国名を付けることで合意。これにより今までに例を見ない、全世界を巻き込んだ巨大な組織が設立されることに。
UAFとは、アルティメット・アビリティ・フォースの略。
和名、究極異能部隊。
警察とは異なり、モンスターやダンジョンなどに精通しており、これらに関連した案件を処理する組織だ。
その組織にて冒険者登録をすれば、ダンジョンに潜りモンスターを倒してドロップするエネビ玉を集められる。
会社を辞めて冒険者登録し、モンスターを狩りにダンジョンに潜って、集めたエネビ玉を役所で換金して収入を得、それで生活する人が増えていった。
世界的に起きた大災害。
沢山の人が命を落とした大災害ではあるが、その大災害で沢山の人の命を繋ぐ新しい資源が見つかったということもあり、10月27日を『命の日』とし、世界共通の祝日と銘打たれることに。
こうして新しい人類史が幕を開けた。
そして、29年後の10月27日……ある一人の男の子が誕生する……。
その名は、神竜貴史。
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