俺の価値って0円なのか?〜最強の矛を携え、ステータスにある『最強』のスキルがまさかのチートだったので最弱からダンジョンを蹂躙し無双する〜

カレーハンバーグ

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神竜家

格が違う

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 ─ 日本UAF大阪支部 ──



 日本UAF大阪支部のヘリポートに降り立ったのは、栗山支部の神竜巌上しんりゅうがんじょう支部長と磯良いそら支部の河井明かわいあきら支部長。

「やっとこの日が来たな。──巌上、天里あまさと支部長が会ってくれるのはいいが、もうあそこにはこの白いエネビ玉を取りにはいけねぇぞ。何せ相手さんは子供を殺されたんだ、人並みに感情を持ってそうだし厄介だぜ」

「ああ、そうだな」

「ああそうだなって……これ一回の為に天里支部長にアポを取ったってぇのか? 殺されるぞ?」

 巌上が口角を上げる。

「大丈夫だから心配するな河井。実はもう一つの入口を見つけてあるんだ」

「なに!? ──お前は本当にそういう鼻は効くんだな……。呪われてるってぇのもあながち間違ってねぇんじゃねぇか?」

「はっはっはっ、呪われてる? 上等だよ。このドでかい地球上で俺の家の庭に、お前も知ってるあの噂の刀が降ってきたんだぞ? 神竜一族は選ばれたんだよ。呪われてるなんて言いたい奴には言わせておけばいい。妬みだ、妬み」

「お前は長生きするぜ……全く」



 ❑  ❑  ❑



「神竜! 河井! 到着しました!」

「入れ」

 支部長室に入ると、黒い髪を後で束ねお団子にしている綺麗な女の人がデスクの前に立っていた。

 キツい目つきで2人を見ているその女性こそ、天里詩織あまさとしおり大阪支部支部長である。

 薄い唇に塗った赤い口紅が大人の色気を醸し出し、夏に焼けた肌が落ち着いてきたと思わせる健康的な肌色。背は百七十センチ程でとてもスタイルのいい綺麗な女性……なのだが、その話し方と態度から冷たい印象を受けがちである。

「天里支部長! これが電話でお話しした白いエネビ玉です」

 そう言って頭を下げながら、持ってきた袋を両手で渡す河井。

 巌上も河井も冒険者ランクA級の支部長で歳も上ではあるが、天里詩織あまさとしおり支部長は冒険者ランクS級。
 同じ支部長といえども2人とは格が違う。

 その袋を受け取った天里支部長が。

「どれどれ……ほう、ホンマに白いやんけ。──へ~、よう見つけたなぁ」

 袋の中から白いエネビ玉を一つ取り出し、見惚れている。

「「はっ! ありがとうございます!」」

 2人が同時に敬礼した。

「確かに俺やったら、ええ値段で捌けるけどなぁ。おもろいとは思うけど……こりゃ~面倒臭い事になるで……。国対国のややこしいヤツにな」

 2人は返す言葉が見つからないのか、唇を引きつらせ苦笑いをしている。

「こんなエエもんアメリカが黙ってへんやろからなぁ。恐らく冷却とかそっちの機能があるんやろ……。おっしゃ! 俺も金が必要やし、『ななさん』でどないや?」

「な、ななさん……ですか? どちらの方でしょうか?」

 突然の質問に意味が分かっていない巌上。

「お前キモいな……。『ななさん』言うたら、7対3やがな。取り分の話や。俺が7でお前らが3や」

「そ、それは私達が少な過ぎるのでは?」

 天里支部長が2人を睨む。

 巌上と河井は、蛇に睨まれた蛙状態。

「この白いエネビ玉を今から研究して、その機能を相手さんに説明せんと高値で取引出来へんやろが! その研究費に交渉費、交通費に人件費、光熱費に通信費……それに宿泊費と賄賂に手数料もいるんやで? 均等に分けたら俺が損するやんけ。嫌やったらもうええからこんなもん持って帰れ。ほんで伊織総理んとこ持って行って表彰でもしてもらわんかい……。新資源の発見という多大なる成果を上げた諸君らをここに表する……ってな。ぜには一銭も入らへんやろけどな」

 2人は両腕を伸ばし、両手を左右にブンブン振りながら。

「す、すいません! そ、それで……『ななさん』で結構です! よ、宜しくお願い致します!」

「──ほうか、ほな預かっとくわ。また連絡するからもう帰ってええで」

 ほぼ一方的に話され、交渉は終了した。

 冒険者ランクもそうだが、話術も格の違いを見せつけられ、天里支部長には何もかも全く敵わない巌上と河井であった。



 ❑  ❑  ❑



 ヘリポートからヘリコプターに乗り、帰路につく2人。

「──河井」

「あん? なんだ、神妙な顔しやがって。今からザクザク金が舞い込んでくるってぇのに、もっとニコッとしろや」

 遠くを見つめる巌上。

「やっぱり、俺達なんかがあの人と絡むことに無理があったのかもな……」

「天里支部長か? ──まぁな。ありゃ、悪魔だからな」

「今回の金が入ったら、総理に報告しよう。この白いエネビ玉のことを……。英雄も悪くないかもしれないぞ?」

 巌上が白いエネビ玉を一つポケットから出し、目の高さで持ち眺めた。

「なんだお前、全部渡したんじゃなかったのか? ──はぁ~、確かに天里支部長に絡むには、俺達は小物過ぎるかもな。惜《お》しい気もするが、俺達には部下が採ってきたエネビ玉を上に渡す前にちょろまかすくらいが丁度いいかもしれねぇ……。お前は世間の評判も悪いから、それも良いかもな? 2人で英雄にでもなるか?」

 2人は顔を見合わせて笑った。


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