16 / 415
メイザー卿の受難
15 事後報告とペスカ邸
しおりを挟む
モンスター掃討作戦の翌日。前日の夜遅くまで戦闘が続き、疲れていた冬也は、珍しく惰眠を貪っていた。寝る時は、別々のベッドに入ってはずのペスカが、いつの間にか同じベッドに潜り込んでいたが、一切気に止める事は無かった。
昼近くになりやっと目を覚まし、二人で食事を取ろうと、宿のロビーに声をかける。だが、待っていたのは食事では無く、シリウスからの伝言だった。
目覚めたら兵舎に来る様に。シリウス。
「ご飯食べてから行こうよ~。お腹空いたよ~。そもそも私を呼びつけるなんて、十年早いんだよ!」
「うるせぇ! 俺達がいつまでも寝てたからだろうが! 行くのが当然だ!」
喚くペスカを冬也が宥め、兵舎へやって来る。兵舎ではシリウスが、首を長くして待ち構えていた。
「随分ゆっくりとなさっておいでですな、姉上、義兄殿」
「うっさいシリウス。こっちは、おなか減ってるんだからね」
「すみません、シリウスさん。こら、ペスカ!」
「いえ、構いません。まあ、昨日の情報共有だけですから。手早く済ませましょう。宜しいですか? 姉上」
「仕方ない、ちゃっちゃと済ませて、お兄ちゃんとご飯だ~」
シリウスの説明では、探索した三か所全てで、行方不明になった側近達全員の死体を発見した。全箇所で戦闘になった結果、ロメリア教の残党達は、全員自爆し捕縛は不可能となった。全てがマナ増加剤の製造施設となっており、件の薬は大量に発見された。
「姉上。側近達と、ロメリア教徒の関係は発見出来ませんでした。今となれば、囮として利用されたのが濃厚かと思われます」
「モンスターの増加と、側近の行方不明でおびき寄せて、こっちの戦力を減らす予定だったって?」
「はい。死人に口なしですが、なにぶん証拠が無いので」
シリウスの見解を聞き、ペスカは少し押し黙る。シリウスも、ペスカに合わせる様に沈黙をした。
彼らの目的なら、数えきれない程に上げられるだろう。何せ、こちらは二十年前に災厄を止めた、中心人物を抱えているのだから。
しかし、単なる恨みつらみだけで、大規模の活動を展開すると思えない。既に、三か所で薬品を製造していたのだ。用意周到と呼ばすに何と呼ぶ。
数分の後、ペスカは重い口を開いた。
「シリウス。調査は慎重にしなさいね。今回の件は、ただの残党騒ぎとは違うからね」
「姉上、まさかそれは・・・」
「私がこの世界に戻って来た途端に、状況が変化し始めた。何が言いたいかわかるわね、シリウス」
「はい、姉上。肝に銘じておきます」
シリウスは、やや緊張した面持ちに変わる。ペスカは、シリウスを見やると、報告を続けさせた。
「一先ず、マナ増加剤の製造施設は破壊します。薬については、廃棄に取り掛かっています」
「んで、街周辺のモンスターの発生率は?」
「減少傾向にある様で、しばらく様子見です。現在は、ロイド隊を始め周辺住民を総動員し、死骸の処分に取り掛かっております。数が数な為、処分にはかなりの時間を要するかと」
「他に報告はある?」
シリウスは、ゆっくりと横に首を振って答える。
「今はありません。時に姉上、宜しければ一度、ご邸宅に戻られたら如何でしょう?」
シリウスの言葉に、これまで黙って様子を見ていた冬也が反応を示した。
「ペスカ、そんなの持ってたのか?」
「姉上の残された物は、全て当家で管理しております。邸宅は、直ぐ使える様になっております」
ペスカは少し考えを巡らせた。
現状で表面化している問題は、概ね解決したと考えても良いだろう。だが問題は、この状況を受けて本命が次にどう動くかである。こればかりは、予想を立てられない。せめて都市の、防御を固める位であろう。そうなると、今の自分達に出来る事は余りに少ない。
「うん、まぁ行こうか。お兄ちゃん」
「姉上。調査が進展次第、邸宅に報告に上がります。昨日の部下達は、そのままお連れ下さい」
「え~。やだよ~」
ペスカは眉をひそめて、シリウスを軽く睨む。しかし、直ぐに冬也から、強い口調の言葉が飛んだ。
「ペスカ! 今度は我儘言うなよ!」
「仕方ないな~。ちぇっ」
報告を聞くと、二人は兵舎を出て、食事処へ向かう。街中は、モンスターの残骸処分で駆り出されたせいか、昨日より人が少なくなっていた。
朝から食事をしておらず腹ペコな二人は、ランチメニューとして張り出されていた豚肉のソテーを頼む事にした。
しかし二人はその時点で勘付くべきだった。
「オーク肉のソテーでございます。野菜は希少となってます故、ご勘弁下さい」
出て来た料理は、豚肉ではなくオーク肉。そして、野菜の添え物は、全く見当たらなかった。この時点で、景表法違反だと言いたくなる。
しかし、仕方のない事情が有るのだ。養豚が盛んなこの地域では、オークにモンスター化した豚が多く、オーク肉は余っていると言う。対して、オーク達に農村部を荒らされ収穫量が激減し、作物の流通が非常に少なくなっている。
試しにと、二人はオーク肉を口に運ぶ。感想は、味わい以前の問題であった。しつこい脂っこさが、いつまでも口に残り、非常に後味が悪い。
幾ら飽食が進んだ現代日本で育った二人でも、脂身の多い肉を延々と食べさせらては、胃袋に負担が大きい。
そもそも、単に焼くのではなく、しっかり脂を抜けば食べやすいだろう。それに野菜が有れば、普通に食べる事が出来たのではないだろうか。
パンとスープだけにすれば良かったと、思いながらも頑張って食事を終える。その後二人は宿へと戻り、胃をさすりながら床についた。
ペスカの邸宅が有る街は、城砦都市リュートから馬車で三日程進んだ場所にある。翌朝、兵舎に寄ると、シリウスの部下達は、馬車を用意していた。
「軍用で申し訳ありません」
「いや、充分だとおもいます」
頭を下げる兵士に対し、移動手段を気に留めていない冬也。ペスカは、冬也が一緒なら何でも良いやと、始終ご機嫌だった。
道中は、モンスターの発生が少なく、比較的穏やかに進む事が出来た。途中の町で宿泊しつつ三日後、海岸都市マーレに到着した。
「いやー久しぶりだね~。懐かしい匂いがするね~」
「ここにお前の屋敷があるって、本当か?」
「何言ってんのよ、お兄ちゃん。ここまで来てドッキリとかしないし」
「そりゃあペスカだしな~。何かやらかす、気がするんだよ」
「お兄ちゃんからの信用が、だだ下りの件について、シクシク」
マーレは活気に溢れる街だった。
海岸沿いに面した街で、漁業が盛んに行われている。港には漁船が多く停泊し、市場には慌ただしく人が行き交い、卸売業者達の威勢のいい声が響いている。港周辺には、多くの海鮮料理や魚屋が並び、人が溢れていた。
「お~。こりゃすげーな」
「そうでしょ、凄いでしょお兄ちゃん。フフフん」
「ここが、お前の住んでた街か」
「私はほとんど王都に居たから、厳密には別荘みたいな感じだけどね」
「なんか、旨そうな匂いがするな~」
「たぶん、エルラフィアで一番料理が美味しいよ! 断言するね! 荷物片づけたら食べに行こうね」
「おぅ。楽しみだな!」
馬車の中に、ペスカと冬也のはしゃぐ様な声が広がる。冬也は、目に入る物に一々反応を示した。そんな冬也を、ペスカは目を細くして見つめる。モンスター騒ぎは一端忘れ、二人は街を楽しんでいた。
繁華街を抜けると、住宅街が広がる。住宅街の先には、海岸に面した小高い丘が有り、豪華な屋敷が立ち並ぶ。その中でも、ひと際豪華な屋敷の前に馬車が止まった。
燦爛たる門の中には広大な庭があり、その奥には壮麗な屋敷がそびえ立っている。美しい白一色で統一された壁は、海の光に照らされて光輝き、赤い屋根が壁の白さを一層引き立ていた。
守衛が門を開け中に入ると、屋敷までの道には木々や花が並んでいた。豪奢な扉を開けると、扉の両サイドには多くの使用人達が並び、一斉に頭を下げた。
「お帰りなさいませ、ペスカ様」
一般庶民である冬也は、今まで人に傅かれた事は無い。沢山の使用人に囲まれ、圧倒されて言葉を失っていた。
「お兄ちゃん。何固まってるの?」
「だってさ。こんなの映画でしか見た事ねぇよ。どこの貴族だよ」
「いやいやお兄ちゃん、元貴族だよ私」
「まさか、本当にこれがお前の別荘か?」
「はっはっは~! そのまさかだよ」
「すっげ~な!」
「すっげ~でしょ」
使用人に案内されて、ペスカと冬也は屋敷内を歩く。屋敷内には、美しい調度品があちこちに配置されている。そして通された部屋は、四人家族が悠々暮らせる程の広さであった。
「広っ! 広すぎねぇ~か?」
「まぁね!」
「ベッドは天蓋付きだし、無駄にでけぇ~し」
「お兄ちゃん、一緒に寝ようね」
「あほか。これだけ沢山部屋が有るんだし、わざわざ一緒に寝る事ねぇ~だろ」
「こんな広い所で一人でなんて、寂しいよ。切ないよ。泣いちゃうよ」
「だったら、何でこんなでかい屋敷作ったんだよ!」
「私が作ったんじゃないもん。ご褒美で貰ったんだよ」
「こんなどでかい屋敷を? 馬鹿じゃねぇの」
「まぁ、メイザー伯の本宅より、ずっと大きいし。何を考えてたんだろうね」
案内するだけで、半日はかかると思われる位に広いお屋敷は、広間も応接室も客間も風呂も食堂も、何から何まで広かった。
冬也は終始唖然としていた。この屋敷を維持する為の使用人に維持費はどうしているのだろう。いったいどの位の金額が掛かっているのだろう。考えても冬也には、想像もつかなかった。
「お風呂もおっきいし、海が一望出来るんだよ。後で一緒に入ろうね」
「馬鹿! 一緒に入んねぇ~よ!」
嫌な予感がする冬也は、ペスカに先払いのお仕置きを行う。
「まだ何もしてないし」と涙目になるペスカであった。
昼近くになりやっと目を覚まし、二人で食事を取ろうと、宿のロビーに声をかける。だが、待っていたのは食事では無く、シリウスからの伝言だった。
目覚めたら兵舎に来る様に。シリウス。
「ご飯食べてから行こうよ~。お腹空いたよ~。そもそも私を呼びつけるなんて、十年早いんだよ!」
「うるせぇ! 俺達がいつまでも寝てたからだろうが! 行くのが当然だ!」
喚くペスカを冬也が宥め、兵舎へやって来る。兵舎ではシリウスが、首を長くして待ち構えていた。
「随分ゆっくりとなさっておいでですな、姉上、義兄殿」
「うっさいシリウス。こっちは、おなか減ってるんだからね」
「すみません、シリウスさん。こら、ペスカ!」
「いえ、構いません。まあ、昨日の情報共有だけですから。手早く済ませましょう。宜しいですか? 姉上」
「仕方ない、ちゃっちゃと済ませて、お兄ちゃんとご飯だ~」
シリウスの説明では、探索した三か所全てで、行方不明になった側近達全員の死体を発見した。全箇所で戦闘になった結果、ロメリア教の残党達は、全員自爆し捕縛は不可能となった。全てがマナ増加剤の製造施設となっており、件の薬は大量に発見された。
「姉上。側近達と、ロメリア教徒の関係は発見出来ませんでした。今となれば、囮として利用されたのが濃厚かと思われます」
「モンスターの増加と、側近の行方不明でおびき寄せて、こっちの戦力を減らす予定だったって?」
「はい。死人に口なしですが、なにぶん証拠が無いので」
シリウスの見解を聞き、ペスカは少し押し黙る。シリウスも、ペスカに合わせる様に沈黙をした。
彼らの目的なら、数えきれない程に上げられるだろう。何せ、こちらは二十年前に災厄を止めた、中心人物を抱えているのだから。
しかし、単なる恨みつらみだけで、大規模の活動を展開すると思えない。既に、三か所で薬品を製造していたのだ。用意周到と呼ばすに何と呼ぶ。
数分の後、ペスカは重い口を開いた。
「シリウス。調査は慎重にしなさいね。今回の件は、ただの残党騒ぎとは違うからね」
「姉上、まさかそれは・・・」
「私がこの世界に戻って来た途端に、状況が変化し始めた。何が言いたいかわかるわね、シリウス」
「はい、姉上。肝に銘じておきます」
シリウスは、やや緊張した面持ちに変わる。ペスカは、シリウスを見やると、報告を続けさせた。
「一先ず、マナ増加剤の製造施設は破壊します。薬については、廃棄に取り掛かっています」
「んで、街周辺のモンスターの発生率は?」
「減少傾向にある様で、しばらく様子見です。現在は、ロイド隊を始め周辺住民を総動員し、死骸の処分に取り掛かっております。数が数な為、処分にはかなりの時間を要するかと」
「他に報告はある?」
シリウスは、ゆっくりと横に首を振って答える。
「今はありません。時に姉上、宜しければ一度、ご邸宅に戻られたら如何でしょう?」
シリウスの言葉に、これまで黙って様子を見ていた冬也が反応を示した。
「ペスカ、そんなの持ってたのか?」
「姉上の残された物は、全て当家で管理しております。邸宅は、直ぐ使える様になっております」
ペスカは少し考えを巡らせた。
現状で表面化している問題は、概ね解決したと考えても良いだろう。だが問題は、この状況を受けて本命が次にどう動くかである。こればかりは、予想を立てられない。せめて都市の、防御を固める位であろう。そうなると、今の自分達に出来る事は余りに少ない。
「うん、まぁ行こうか。お兄ちゃん」
「姉上。調査が進展次第、邸宅に報告に上がります。昨日の部下達は、そのままお連れ下さい」
「え~。やだよ~」
ペスカは眉をひそめて、シリウスを軽く睨む。しかし、直ぐに冬也から、強い口調の言葉が飛んだ。
「ペスカ! 今度は我儘言うなよ!」
「仕方ないな~。ちぇっ」
報告を聞くと、二人は兵舎を出て、食事処へ向かう。街中は、モンスターの残骸処分で駆り出されたせいか、昨日より人が少なくなっていた。
朝から食事をしておらず腹ペコな二人は、ランチメニューとして張り出されていた豚肉のソテーを頼む事にした。
しかし二人はその時点で勘付くべきだった。
「オーク肉のソテーでございます。野菜は希少となってます故、ご勘弁下さい」
出て来た料理は、豚肉ではなくオーク肉。そして、野菜の添え物は、全く見当たらなかった。この時点で、景表法違反だと言いたくなる。
しかし、仕方のない事情が有るのだ。養豚が盛んなこの地域では、オークにモンスター化した豚が多く、オーク肉は余っていると言う。対して、オーク達に農村部を荒らされ収穫量が激減し、作物の流通が非常に少なくなっている。
試しにと、二人はオーク肉を口に運ぶ。感想は、味わい以前の問題であった。しつこい脂っこさが、いつまでも口に残り、非常に後味が悪い。
幾ら飽食が進んだ現代日本で育った二人でも、脂身の多い肉を延々と食べさせらては、胃袋に負担が大きい。
そもそも、単に焼くのではなく、しっかり脂を抜けば食べやすいだろう。それに野菜が有れば、普通に食べる事が出来たのではないだろうか。
パンとスープだけにすれば良かったと、思いながらも頑張って食事を終える。その後二人は宿へと戻り、胃をさすりながら床についた。
ペスカの邸宅が有る街は、城砦都市リュートから馬車で三日程進んだ場所にある。翌朝、兵舎に寄ると、シリウスの部下達は、馬車を用意していた。
「軍用で申し訳ありません」
「いや、充分だとおもいます」
頭を下げる兵士に対し、移動手段を気に留めていない冬也。ペスカは、冬也が一緒なら何でも良いやと、始終ご機嫌だった。
道中は、モンスターの発生が少なく、比較的穏やかに進む事が出来た。途中の町で宿泊しつつ三日後、海岸都市マーレに到着した。
「いやー久しぶりだね~。懐かしい匂いがするね~」
「ここにお前の屋敷があるって、本当か?」
「何言ってんのよ、お兄ちゃん。ここまで来てドッキリとかしないし」
「そりゃあペスカだしな~。何かやらかす、気がするんだよ」
「お兄ちゃんからの信用が、だだ下りの件について、シクシク」
マーレは活気に溢れる街だった。
海岸沿いに面した街で、漁業が盛んに行われている。港には漁船が多く停泊し、市場には慌ただしく人が行き交い、卸売業者達の威勢のいい声が響いている。港周辺には、多くの海鮮料理や魚屋が並び、人が溢れていた。
「お~。こりゃすげーな」
「そうでしょ、凄いでしょお兄ちゃん。フフフん」
「ここが、お前の住んでた街か」
「私はほとんど王都に居たから、厳密には別荘みたいな感じだけどね」
「なんか、旨そうな匂いがするな~」
「たぶん、エルラフィアで一番料理が美味しいよ! 断言するね! 荷物片づけたら食べに行こうね」
「おぅ。楽しみだな!」
馬車の中に、ペスカと冬也のはしゃぐ様な声が広がる。冬也は、目に入る物に一々反応を示した。そんな冬也を、ペスカは目を細くして見つめる。モンスター騒ぎは一端忘れ、二人は街を楽しんでいた。
繁華街を抜けると、住宅街が広がる。住宅街の先には、海岸に面した小高い丘が有り、豪華な屋敷が立ち並ぶ。その中でも、ひと際豪華な屋敷の前に馬車が止まった。
燦爛たる門の中には広大な庭があり、その奥には壮麗な屋敷がそびえ立っている。美しい白一色で統一された壁は、海の光に照らされて光輝き、赤い屋根が壁の白さを一層引き立ていた。
守衛が門を開け中に入ると、屋敷までの道には木々や花が並んでいた。豪奢な扉を開けると、扉の両サイドには多くの使用人達が並び、一斉に頭を下げた。
「お帰りなさいませ、ペスカ様」
一般庶民である冬也は、今まで人に傅かれた事は無い。沢山の使用人に囲まれ、圧倒されて言葉を失っていた。
「お兄ちゃん。何固まってるの?」
「だってさ。こんなの映画でしか見た事ねぇよ。どこの貴族だよ」
「いやいやお兄ちゃん、元貴族だよ私」
「まさか、本当にこれがお前の別荘か?」
「はっはっは~! そのまさかだよ」
「すっげ~な!」
「すっげ~でしょ」
使用人に案内されて、ペスカと冬也は屋敷内を歩く。屋敷内には、美しい調度品があちこちに配置されている。そして通された部屋は、四人家族が悠々暮らせる程の広さであった。
「広っ! 広すぎねぇ~か?」
「まぁね!」
「ベッドは天蓋付きだし、無駄にでけぇ~し」
「お兄ちゃん、一緒に寝ようね」
「あほか。これだけ沢山部屋が有るんだし、わざわざ一緒に寝る事ねぇ~だろ」
「こんな広い所で一人でなんて、寂しいよ。切ないよ。泣いちゃうよ」
「だったら、何でこんなでかい屋敷作ったんだよ!」
「私が作ったんじゃないもん。ご褒美で貰ったんだよ」
「こんなどでかい屋敷を? 馬鹿じゃねぇの」
「まぁ、メイザー伯の本宅より、ずっと大きいし。何を考えてたんだろうね」
案内するだけで、半日はかかると思われる位に広いお屋敷は、広間も応接室も客間も風呂も食堂も、何から何まで広かった。
冬也は終始唖然としていた。この屋敷を維持する為の使用人に維持費はどうしているのだろう。いったいどの位の金額が掛かっているのだろう。考えても冬也には、想像もつかなかった。
「お風呂もおっきいし、海が一望出来るんだよ。後で一緒に入ろうね」
「馬鹿! 一緒に入んねぇ~よ!」
嫌な予感がする冬也は、ペスカに先払いのお仕置きを行う。
「まだ何もしてないし」と涙目になるペスカであった。
11
あなたにおすすめの小説
99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える
ハーフのクロエ
ファンタジー
夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。
主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる