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予防医療の妖精さん
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私の知る妖精さんは、不可思議な力を使う子と、そうで無い子に分かれます。お料理やお掃除の妖精さんは、物理的な力でお料理やお掃除をします。お勉強やお仕事の妖精さんは、知識を教えてくれる存在です。
妖精と言う存在自体がファンタジーな癖に、謎の力は使いません。ファンタジーなのは、その知識は何処からって所や、小さい体で大きな物を持ち上げる所です。
逆に自然にまつわる、四大元素や雪、氷の妖精さんは、ファンタジー要素たっぷりです。まぁ自然なんて物を操る位ですから、謎パワーですよね。
そんな謎パワーを使う妖精さんは、自然にまつわる妖精さんだけでは有りません。私はその子を予防医療の妖精さんと呼んでいます。
予防医療の妖精さんは、別段治療をしてくれる訳では有りません。では何をしてくれるのか? 人の目に見えないウィルスや菌、特に人に有害な雑菌等を好んで食べている様です。
曖昧な言い方ですか? 勘弁して下さい。謎パワーを使う妖精さんの実態が、私に解る筈無いんです。
「そう言えば最近、風邪ひかない様になったな」
ふと、そう思った時の事でした。私の周りをフワフワ飛んでいる、見知らぬ妖精さんに気が付きました。白衣を着たその子は私の肩に乗っかって、口をモグモグとさせて飛んでいます。
「あなた、何してるの? 何か食べてるの?」
私がその子に尋ねると、風邪のウィルスを食べていると教えてくれました。
「美味しいの?」
もう一度尋ねると、とても良い笑顔で頷きました。どうやら、私が風邪を引きにくくなったのは、私の周囲に飛んでいる風邪ウィルスを、この子が食べつくしたかららしいです。
この子曰く、風邪よりもインフルエンザウィルスの方が美味しいとか。私にとっては、どうでも良い情報ですけど。
気になった私は伝手を頼り、細菌を研究している研究室で少々実験をしました。おっと、今へんな事考えませんでした? 失礼ですね! 私の友達は裕子ちゃんだけじゃ無いですよ。
ゴホン。話しが逸れました。
行ったのは、単純な実験です。アオカビを培養させたシャーレを見せたら、この子は興味を引くのか? そして実験にはなんと立ち会いが付きました。実験に立ち会ったのは、研究室を紹介してくれた私の友人と、一人の教授です。
妖精さんは、目をキラキラさせながら二人を見ています。これから何が始まるかわかっているのでしょうか? 面倒事にならなきゃ良いけど……。そう思う私とは裏腹に、この子は凄い勢いでシャーレ内のカビを、食べつくしました。
みるみるとシャーレから消えていくカビを見て、見ていた友人と教授が唖然としてました。私も青くなりました。そして直ぐに逃げました、当然です。
医療大革命が起きる可能性が有るんですよ。五分と立たず捕まりましたけどね。ぐすん。
「何が起きたのか説明したまえ!」
教授は興奮しています。友人も目を爛々と輝かせてます。私は後悔しました。実験するなら、家でこっそりすれば良かった。時すでに遅く、私は後ろ手に拘束されてます。何もここ迄しなくても……。
「絶対に秘密でお願いします。そもそも信じないと思いますよ」
そして、私は妖精さんの事を説明しました。ですが、一笑に付されまし。それが自然な反応何でしょうけどね。
「本当の事なんです!」
私は強く主張しますが、今度は激しい怒りが待ってました。良く顔を真っ赤にとか、筋を浮かべて等と言いますが、あの怒りの形相は赤鬼も真っ青ですね。
「まぁまぁ教授。実験の続きをすれば何かわかるんじゃないですか?」
「ふん、それもそうだ。続きをするぞ! 直ぐにだ! 急ぎたまえ!」
興奮が収まらない教授を友人が宥めて、実験が続けられます。でもね、数時間で教授の興味は覚めたようです。恐らく妖精さんという見えない生命体の力に、利用価値は無いと考えたのでしょう。
「何というか、ダメだな」
「そうですね。これは期待外れですね」
この子は人体に有害なカビ菌は食べますが、アオカビや酵母等の菌は食べませんでした。それと空中に浮遊しているウィルスは食べますが、一度体内に入ったウィルスは食べませんでした。
これをうまく説明出来るかわからないですけど、『風邪等の病気を予防できる』が『風邪を治してくれるわけでは無い』って感じだと思います、はい。
教授の興味も無くなるのは、仕方ないですね。友人にも冷たい視線を浴びせられました。
「期待させやがって、けっ!」
なんと言う酷い罵声! 私が悪いんじゃ無いのに……。
多分ですけど、この子の食べるか否かは、食べ易さでは無いかと思います。空中に浮遊しているウィルスは食べるけど、わざわざ人体の中に入ってまで食べたくない。
食品の表面についたアオカビはほじって食べるけど、発酵食品の中にいる発酵菌を食べるのは面倒とか?
「当たりでしょ?」
私が尋ねると、この子はクルリと回って、良い笑顔で頷きました。それだけじゃ無くて、人体に無害な菌は美味しくないけど、有害な菌はこの子にとって美味だそうです。
微妙に役立たず? 妖精さんは、常に自分が楽しいと思う事に精一杯なんです。だから嫌な事や面倒な事は極力避けます。
「そうだ! あなたの名前は、予防医療の妖精さんね!」
せっかくだから、かっこいい名前をプレゼントしてあげます。私の周りを飛び回るので、喜んでくれたのだと思います。
そして予防医療の妖精さんは、今日も私の周りをフワフワと飛んでいます。口をモグモグと動かしながら。
妖精と言う存在自体がファンタジーな癖に、謎の力は使いません。ファンタジーなのは、その知識は何処からって所や、小さい体で大きな物を持ち上げる所です。
逆に自然にまつわる、四大元素や雪、氷の妖精さんは、ファンタジー要素たっぷりです。まぁ自然なんて物を操る位ですから、謎パワーですよね。
そんな謎パワーを使う妖精さんは、自然にまつわる妖精さんだけでは有りません。私はその子を予防医療の妖精さんと呼んでいます。
予防医療の妖精さんは、別段治療をしてくれる訳では有りません。では何をしてくれるのか? 人の目に見えないウィルスや菌、特に人に有害な雑菌等を好んで食べている様です。
曖昧な言い方ですか? 勘弁して下さい。謎パワーを使う妖精さんの実態が、私に解る筈無いんです。
「そう言えば最近、風邪ひかない様になったな」
ふと、そう思った時の事でした。私の周りをフワフワ飛んでいる、見知らぬ妖精さんに気が付きました。白衣を着たその子は私の肩に乗っかって、口をモグモグとさせて飛んでいます。
「あなた、何してるの? 何か食べてるの?」
私がその子に尋ねると、風邪のウィルスを食べていると教えてくれました。
「美味しいの?」
もう一度尋ねると、とても良い笑顔で頷きました。どうやら、私が風邪を引きにくくなったのは、私の周囲に飛んでいる風邪ウィルスを、この子が食べつくしたかららしいです。
この子曰く、風邪よりもインフルエンザウィルスの方が美味しいとか。私にとっては、どうでも良い情報ですけど。
気になった私は伝手を頼り、細菌を研究している研究室で少々実験をしました。おっと、今へんな事考えませんでした? 失礼ですね! 私の友達は裕子ちゃんだけじゃ無いですよ。
ゴホン。話しが逸れました。
行ったのは、単純な実験です。アオカビを培養させたシャーレを見せたら、この子は興味を引くのか? そして実験にはなんと立ち会いが付きました。実験に立ち会ったのは、研究室を紹介してくれた私の友人と、一人の教授です。
妖精さんは、目をキラキラさせながら二人を見ています。これから何が始まるかわかっているのでしょうか? 面倒事にならなきゃ良いけど……。そう思う私とは裏腹に、この子は凄い勢いでシャーレ内のカビを、食べつくしました。
みるみるとシャーレから消えていくカビを見て、見ていた友人と教授が唖然としてました。私も青くなりました。そして直ぐに逃げました、当然です。
医療大革命が起きる可能性が有るんですよ。五分と立たず捕まりましたけどね。ぐすん。
「何が起きたのか説明したまえ!」
教授は興奮しています。友人も目を爛々と輝かせてます。私は後悔しました。実験するなら、家でこっそりすれば良かった。時すでに遅く、私は後ろ手に拘束されてます。何もここ迄しなくても……。
「絶対に秘密でお願いします。そもそも信じないと思いますよ」
そして、私は妖精さんの事を説明しました。ですが、一笑に付されまし。それが自然な反応何でしょうけどね。
「本当の事なんです!」
私は強く主張しますが、今度は激しい怒りが待ってました。良く顔を真っ赤にとか、筋を浮かべて等と言いますが、あの怒りの形相は赤鬼も真っ青ですね。
「まぁまぁ教授。実験の続きをすれば何かわかるんじゃないですか?」
「ふん、それもそうだ。続きをするぞ! 直ぐにだ! 急ぎたまえ!」
興奮が収まらない教授を友人が宥めて、実験が続けられます。でもね、数時間で教授の興味は覚めたようです。恐らく妖精さんという見えない生命体の力に、利用価値は無いと考えたのでしょう。
「何というか、ダメだな」
「そうですね。これは期待外れですね」
この子は人体に有害なカビ菌は食べますが、アオカビや酵母等の菌は食べませんでした。それと空中に浮遊しているウィルスは食べますが、一度体内に入ったウィルスは食べませんでした。
これをうまく説明出来るかわからないですけど、『風邪等の病気を予防できる』が『風邪を治してくれるわけでは無い』って感じだと思います、はい。
教授の興味も無くなるのは、仕方ないですね。友人にも冷たい視線を浴びせられました。
「期待させやがって、けっ!」
なんと言う酷い罵声! 私が悪いんじゃ無いのに……。
多分ですけど、この子の食べるか否かは、食べ易さでは無いかと思います。空中に浮遊しているウィルスは食べるけど、わざわざ人体の中に入ってまで食べたくない。
食品の表面についたアオカビはほじって食べるけど、発酵食品の中にいる発酵菌を食べるのは面倒とか?
「当たりでしょ?」
私が尋ねると、この子はクルリと回って、良い笑顔で頷きました。それだけじゃ無くて、人体に無害な菌は美味しくないけど、有害な菌はこの子にとって美味だそうです。
微妙に役立たず? 妖精さんは、常に自分が楽しいと思う事に精一杯なんです。だから嫌な事や面倒な事は極力避けます。
「そうだ! あなたの名前は、予防医療の妖精さんね!」
せっかくだから、かっこいい名前をプレゼントしてあげます。私の周りを飛び回るので、喜んでくれたのだと思います。
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