妖精さん達と暮らそう 改訂版

東郷 珠

文字の大きさ
19 / 39

妖精さん達のひな祭り

しおりを挟む
 三月三日と言えばなんでしょう? 耳の日? いや、まぁそれも有りちゃ、有りなんでしょうけどね。 ひな祭りですよ。暇なツリーじゃないですよ。そんな事を言う人は、それこそ耳鼻科に行った方が、良いんじゃないですか。

 ひな祭りと言えば何を想像しますか? 雛あられとか、菱餅とか、ちらし寿司とかですか? もう、やめて下さいよ。食べ物の事ばっかり話してると、裕子ちゃんが襲ってきますよ。

 ひな祭りと言えば、お雛様じゃないですか? そんな事を言っても、お雛様なんて持ってないですけどね。
 でも、居るじゃないですか。何がとか言わないで下さいよ。今まで散々、紹介したじゃないですか。妖精さんですよ、妖精さん。
 
 あの子達に、お雛様をやって貰おうと、思ってるんですよ。
 想像して下さい、いかがですか? 可愛いでしょ? ときめくでしょ? 鼻血ものですよ!

 そんな事をぽろっと話したら、妖精さん達がノリノリになりました。誰が何の役をするかの、擦った揉んだになりました。やはり一番の人気は、お内裏さまとお雛様のようです。

「みんなの気持ちは、よ~くわかったよ。ここはジャンケンで、勝負をしようね」
 
 私の言葉で妖精さん達が集合して、輪になりました。いつもイベント系に参加しないお掃除の妖精さん達が、珍しくやる気みたいです。いつも口をモグモグさせてるだけの、予防医療の妖精さんも輪の中に入ってます。
 四大元素の妖精さん達に、お花の妖精さん、お仕事の妖精さん、お勉強の妖精さん、ってこれほとんど集合してますね。おぅ、すごい人数になっちゃった。


 音楽の妖精さんは、ひな祭りの歌を奏でてくれてます。お料理の妖精さん達からは、なにやら合図が。
 あ~、はいはい。ちらし寿司の材料を買いに行きたいのね。後で連れてってあげるから、待っててね。
 
 ついでに、ミィも輪の中に加わってました。君はジャンケン出来ないでしょ。ミャって鳴いても、知らんべさ。

 ペチは日向ぼっこしてます。飼育の妖精さんは、モグに追いかけられてます。

 そんなこんなで、妖精さん達のじゃんけん大会が始まりました。
 小さい手を振り上げてジャンケンする妖精さん達の姿は、とっても癒されます。ミィが一緒になって、ちっちゃい前足をちょこちょこと動かしてます。うん、可愛いよミィ。

 ジャンケンに盛り上がってる妖精さん達を、のんびりと眺めていると、スマホがぶるぶると震えます。危険予測の妖精さんが、コクコクと頷いてます。
 あ~、そっか。そういう事ね。電話の相手は裕子ちゃんでした。

「材料を持ってくからさ、ちらし寿司作ってよ。美夏も一緒だからね」

 何となく予感は有りましたけど、やはりこうなったかって感じです。お料理の妖精さんをチラッと見ると、いい笑顔でサムズアップしてます。そっか、あなた達がやる気なら私はかまわないよ。

 おっと、そろそろジャンケンが終わった様です。役割も決まった様ですね。
 それでは発表しましょう、ジャーン!

 お内裏様は、火の妖精さんです。続いてお雛様は、お花の妖精さんです。それでもって、三人官女は水の妖精さん、風の妖精さん、お勉強の妖精さんに決まりました。
 最後の五人囃子は、土の妖精さん、お仕事の妖精さん、お掃除の妖精さんが二人、予防医療の妖精さんになりました。

 ひな壇はどうするって? そんな事くらい、考えてますって。 本で段を作る様に重ねて大きめの布をかければ、ひな壇の完成です。妖精さん達に並んでもらえば、妖精さん版のひな飾りが出来上がり。因みに五人囃子が持つ楽器は、音楽の妖精さんから借りました。

 妖精さん達は、ちょっとなりきってます。配役が良かったのかも知れません。
 元々おしとやかな雰囲気が有るお花の妖精さんは、お雛様にぴったりだし。ちょっとやんちゃな火の妖精さんは、お内裏様らしく立派な感じで、今日は炎を抑え目で運行中です。
 三人官女のメンバー達は、今回ばかりはしゃなりとしてます。五人囃子のメンバー達は、借りた楽器を抱えて少し畏まってます。

 ミィがはしゃいで、妖精さん達の周りを飛び跳ねてます。日向でお昼寝していた、ペチも起きてはしゃぎ始めました。まぁ、モグは相変わらず飼育の妖精さんを追いかけてますが。どうしよう。予想以上の可愛さになってしまいました。

 この可愛さを写真に残せたら。残念で仕方ありませんね。

 そんな私の癒しをぶち壊す呼び鈴が鳴ると、勝手にドアを開けて、裕子ちゃんが入って来ます。あの子には、人の家って自覚が無いんでしょうか?
 
「来たわよ~。ってあんた何してんの?」
「うわぁ~。雛飾りかな? 可愛いね。妖精のお雛様?」

 これ、誰が言ったかわかりますよね。最初が裕子ちゃんで、次が美夏ちゃんですよ。フフフ、妖精さんが見えない裕子ちゃんには、この可愛さがわかるまい。ビバ美夏ちゃん!

 まぁそこからは、いつもの暴食タイムです。裕子ちゃんのターンです。美夏ちゃんも負けじと食べます。五人前位あったちらし寿司を、ほとんど二人で食べてました。
 それからも、裕子ちゃんが持ち込んだ材料を使った、妖精さんの特製料理を何時間も食べ続けてました。凄いというか、なんというか。野生児の美夏ちゃんはともかく、裕子ちゃんはそのうち太るんじゃないですか。

 妖精さん達は、満腹の裕子ちゃん達が帰るまで、ずうっとお雛様ごっこをしてました。とってもいい笑顔です。楽しんで貰えたなら良かったよ。わたしも、目の保養になったしね。

 何だかんだで、楽しいひな祭りになりました。妖精さん達に感謝して、一日が終わります。妖精さん達、ありがとう。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

星降る夜に落ちた子

千東風子
児童書・童話
 あたしは、いらなかった?  ねえ、お父さん、お母さん。  ずっと心で泣いている女の子がいました。  名前は世羅。  いつもいつも弟ばかり。  何か買うのも出かけるのも、弟の言うことを聞いて。  ハイキングなんて、来たくなかった!  世羅が怒りながら歩いていると、急に体が浮きました。足を滑らせたのです。その先は、とても急な坂。  世羅は滑るように落ち、気を失いました。  そして、目が覚めたらそこは。  住んでいた所とはまるで違う、見知らぬ世界だったのです。  気が強いけれど寂しがり屋の女の子と、ワケ有りでいつも諦めることに慣れてしまった綺麗な男の子。  二人がお互いの心に寄り添い、成長するお話です。  全年齢ですが、けがをしたり、命を狙われたりする描写と「死」の表現があります。  苦手な方は回れ右をお願いいたします。  よろしくお願いいたします。  私が子どもの頃から温めてきたお話のひとつで、小説家になろうの冬の童話際2022に参加した作品です。  石河 翠さまが開催されている個人アワード『石河翠プレゼンツ勝手に冬童話大賞2022』で大賞をいただきまして、イラストはその副賞に相内 充希さまよりいただいたファンアートです。ありがとうございます(^-^)!  こちらは他サイトにも掲載しています。

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

生贄姫の末路 【完結】

松林ナオ
児童書・童話
水の豊かな国の王様と魔物は、はるか昔にある契約を交わしました。 それは、姫を生贄に捧げる代わりに国へ繁栄をもたらすというものです。 水の豊かな国には双子のお姫様がいます。 ひとりは金色の髪をもつ、活発で愛らしい金のお姫様。 もうひとりは銀色の髪をもつ、表情が乏しく物静かな銀のお姫様。 王様が生贄に選んだのは、銀のお姫様でした。

お姫様の願い事

月詠世理
児童書・童話
赤子が生まれた時に母親は亡くなってしまった。赤子は実の父親から嫌われてしまう。そのため、赤子は血の繋がらない女に育てられた。 決められた期限は十年。十歳になった女の子は母親代わりに連れられて城に行くことになった。女の子の実の父親のもとへ——。女の子はさいごに何を願うのだろうか。

クールな幼なじみの許嫁になったら、甘い溺愛がはじまりました

藤永ゆいか
児童書・童話
中学2年生になったある日、澄野星奈に許嫁がいることが判明する。 相手は、頭が良くて運動神経抜群のイケメン御曹司で、訳あって現在絶交中の幼なじみ・一之瀬陽向。 さらに、週末限定で星奈は陽向とふたり暮らしをすることになって!? 「俺と許嫁だってこと、絶対誰にも言うなよ」 星奈には、いつも冷たくてそっけない陽向だったが……。 「星奈ちゃんって、ほんと可愛いよね」 「僕、せーちゃんの彼氏に立候補しても良い?」 ある時から星奈は、バスケ部エースの水上虹輝や 帰国子女の秋川想良に甘く迫られるようになり、徐々に陽向にも変化が……? 「星奈は可愛いんだから、もっと自覚しろよ」 「お前のこと、誰にも渡したくない」 クールな幼なじみとの、逆ハーラブストーリー。

隠れ御曹司は、最強女子を溺愛したい

藤永ゆいか
児童書・童話
過去のある出来事から、空手や合気道を習うようになった私。 そして、いつしか最強女子と言われるようになり、 男子が寄りつかなくなってしまった。 中学では恋がしたいと思い、自分を偽って 学校生活を送ることにしたのだけど。 ある日、ひったくり犯を撃退するところを クラスメイトの男子に見られてしまい……。 「お願い。このことは黙ってて」 「だったら、羽生さん。 俺のボディーガード兼カノジョになってよ」 「はい!?」 私に無茶な要求をしてきた、冴えないクラスメイトの 正体はなんと、大財閥のイケメン御曹司だった!? * * * 「ボディーガードなんて無理です!」 普通の学校生活を送りたい女子中学生 羽生 菜乃花 × 「君に拒否権なんてないと思うけど?」 訳あって自身を偽る隠れ御曹司 三池 彗 * * * 彗くんのボディーガード兼カノジョになった 私は、学校ではいつも彼と一緒。 彗くんは、私が彼のボディーガードだからそばにいるだけ。 そう思っていたのに。 「可愛いな」 「菜乃花は、俺だけを見てて」 彗くんは、時に甘くて。 「それ以上余計なこと言ったら、口塞ぐよ?」 私にだけ、少し意地悪で。 「俺の彼女を傷つける人は、 たとえ誰であろうと許さないから」 私を守ってくれようとする。 そんな彗くんと過ごすうちに私は、 彼とずっと一緒にいたいと思うようになっていた──。 「私、何があっても彗くんのことは絶対に守るから」 最強女子と隠れ御曹司の、秘密の初恋ストーリー。

【運命】と言われて困っています

桜 花音
児童書・童話
小6のはじまり。 遠山彩花のクラスである6年1組に転校生がやってきた。 男の子なのに、透き通るようにきれいな肌と、お人形さんみたいに、パッチリした茶色い瞳。 あまりにキレイすぎて、思わず教室のみんな、彼に視線が釘付けになった。 そんな彼が彩花にささやいた。 「やっと会えたね」 初めましてだと思うんだけど? 戸惑う彩花に彼はさらに秘密を教えてくれる。 彼は自らの中に“守護石”というものを宿していて、それがあると精霊と関われるようになるんだとか。 しかも、その彼の守護石の欠片を、なぜか彩花が持っているという。 どういうこと⁉

処理中です...