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白の章
白三話
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「今日は散歩がてら少し遠出でもしませんか、エーデル」
スターチス王はエーデルに提案した。
「どちらへ行かれるのですか?」
「ちょっと美味しい物でも食べに行きましょう」
スターチス王はにこやかにエーデルを外に誘った。
「それは楽しみですね」
エーデルは王に任せることにした。
スターチス王とエーデルは馬を駆けさせ、王都を離れた。そして王の案内で一つの村に来た。そこは羊が群れ番犬がのどかに見守る牧場だった。近くには広い牛舎があり、牛たちが柵の中でのんびりしていた。スターチス王は馬を止めると、農場の主のいる小屋へ行った。
農場の主は中年の人の良さそうな親父だった。農場の主は王が来ても驚くことなく、笑って出迎えた。
「お久しぶりですね、スターチス王様。こちらは女王様でございますね」
エーデルはにこりと笑って答えた。王は農場主に尋ねた。
「今日は美味しいチーズはありますか?」
「近いうちに女王様を連れてうちに来るかと思って、一つ用意しておりましたよ。どうぞ庭の椅子に座ってお待ち下さい」
「ありがとう。さあ、行きましょう、エーデル」
スターチス王は慣れたようにエーデルを連れて小屋を出て、羊たちが見渡せるテーブル席に座った。
「ここにはよく来られるようですね」
エーデルは王と農場主の会話から察して、王に尋ねた。スターチス王は答えた。
「ここは直轄領でベルという名前の牧畜の村です。ここの主と私は小さい頃から顔を合わせており、よくご馳走になっています。この村ではこの辺一帯の乳製品を賄っています」
「王は直轄領ではここのように顔なじみになられているのですか?」
エーデルは王の雰囲気から推測して尋ねた。スターチス王はエーデルの勘の良さに微笑んだ。
「ええ、そうですね。スターチス王家では昔からそのようにしています。王城から離れるので息抜きになっています」
エーデルは王が直轄領に対して面倒見がいいのだろうと思った。
農場主がやって来て、円いチーズを持ってきた。農場主は王とエーデルの前に小皿を置いて、チーズを切り分け小皿に乗せた。
「エーデルがエーデルワイスの館でもてなしてくれたチーズは美味しかったですが、ここのチーズも美味しいのですよ」
「まぁ、楽しみなこと。では頂きます」
エーデルはチーズを一口食べた。確かに実家で作られたデザートのような味とは違うが、素朴な味で美味しかった。エーデルはまるで自分が景色の中に溶け込んでしまった気分になった。王城での新しい生活に少し疲れが溜まっていたことにエーデルは気付いた。この景色はのんびりしていて、しばらく眺めていたかった。スターチス王はチーズを食べ終わった後も、何も言わず羊たちを眺めていた。
日が傾きかけてきた。王は言った。
「では、戻りましょうか」
エーデルは笑った。
「ええ」
スターチス王はエーデルに提案した。
「どちらへ行かれるのですか?」
「ちょっと美味しい物でも食べに行きましょう」
スターチス王はにこやかにエーデルを外に誘った。
「それは楽しみですね」
エーデルは王に任せることにした。
スターチス王とエーデルは馬を駆けさせ、王都を離れた。そして王の案内で一つの村に来た。そこは羊が群れ番犬がのどかに見守る牧場だった。近くには広い牛舎があり、牛たちが柵の中でのんびりしていた。スターチス王は馬を止めると、農場の主のいる小屋へ行った。
農場の主は中年の人の良さそうな親父だった。農場の主は王が来ても驚くことなく、笑って出迎えた。
「お久しぶりですね、スターチス王様。こちらは女王様でございますね」
エーデルはにこりと笑って答えた。王は農場主に尋ねた。
「今日は美味しいチーズはありますか?」
「近いうちに女王様を連れてうちに来るかと思って、一つ用意しておりましたよ。どうぞ庭の椅子に座ってお待ち下さい」
「ありがとう。さあ、行きましょう、エーデル」
スターチス王は慣れたようにエーデルを連れて小屋を出て、羊たちが見渡せるテーブル席に座った。
「ここにはよく来られるようですね」
エーデルは王と農場主の会話から察して、王に尋ねた。スターチス王は答えた。
「ここは直轄領でベルという名前の牧畜の村です。ここの主と私は小さい頃から顔を合わせており、よくご馳走になっています。この村ではこの辺一帯の乳製品を賄っています」
「王は直轄領ではここのように顔なじみになられているのですか?」
エーデルは王の雰囲気から推測して尋ねた。スターチス王はエーデルの勘の良さに微笑んだ。
「ええ、そうですね。スターチス王家では昔からそのようにしています。王城から離れるので息抜きになっています」
エーデルは王が直轄領に対して面倒見がいいのだろうと思った。
農場主がやって来て、円いチーズを持ってきた。農場主は王とエーデルの前に小皿を置いて、チーズを切り分け小皿に乗せた。
「エーデルがエーデルワイスの館でもてなしてくれたチーズは美味しかったですが、ここのチーズも美味しいのですよ」
「まぁ、楽しみなこと。では頂きます」
エーデルはチーズを一口食べた。確かに実家で作られたデザートのような味とは違うが、素朴な味で美味しかった。エーデルはまるで自分が景色の中に溶け込んでしまった気分になった。王城での新しい生活に少し疲れが溜まっていたことにエーデルは気付いた。この景色はのんびりしていて、しばらく眺めていたかった。スターチス王はチーズを食べ終わった後も、何も言わず羊たちを眺めていた。
日が傾きかけてきた。王は言った。
「では、戻りましょうか」
エーデルは笑った。
「ええ」
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