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白の章
白十六話
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「不思議に思っていたのですが、領主と王はどういう違いがあるのですか?」
エーデルは物心ついた頃から、特に主人を持たない領主がいることに慣れていた。この辺ではフロム公やキルシュ公、ナハシュの城主などは領主と呼ばれているが誰か王に仕えている訳ではなかった。何となく領地を持っていたら“領主”で、少し大きければ“王”なのかと思っていた。スターチス王は答えた。
「今の領主はどこかの王に仕えている訳ではなく、ただの地方の豪族といった所です。王は領地の町を持っていて、自分で名乗りを上げれば誰でも王です。でも、王家は古い歴史を持つ国ばかりです。
昔は領主は近郊の王に友軍として契約をしていることが多かったです。今は王国から中立な領主ばかりです。西大陸では町が強いのと同じように領主も強いです。
今の王は花の名ですが、二千年前のアーサ様の頃はまだ全てが花の名ではない時代でした。アーサ様の名はアーサ・ペンドラゴンで、花の名ではありませんでした。“ペンドラゴンの者の国”と呼ばれていたそうです。スターチスという王の名は、シエララントの城のそばにスターチスの花畑があったから、そこから付けられたと言われています。
ペンドラゴンの者の国は古くから続いた国だと言われています。国を開いた頃は、西大陸中で国が乱立した時代でした。バラ、百合、コスモス、コチョウラン、カトレアなど。その頃の国々が今も残っている歴史ある国です」
「大国とか小国とかの基準も私は何となくで使っています。何か目安はあるのですか?」
「直轄領の多さが一番ですが、あまり八つより多くの直轄領を持つ国は少ないです。直轄領の中で、豊かな町をたくさん持っていると大国と呼ばれますね。経済規模でしょうか」
「西大陸一の大国と言えばどこですか?」
「やはりバラでしょうか。バラだけで七つの国に分かれているくらいですからね。百合は次に大きな国ですね。西大陸の中央ではメリルなどの大きな町に王がよく行くので、王同士で顔見知りになり、大きなネットワークを築いているようです。バラの王家の方なら、たまにこの城にも泊まりに来ます。その時に私は西大陸の中央の話を伺っています」
「そうなのですね。バラの王家の方は気位が高い方なのでしょうか?」
「物腰が柔らかで親切な方々ですよ。人脈を大切にする所がありますね」
「楽しみですね」
エーデルはにこりと微笑んだ。
エーデルは物心ついた頃から、特に主人を持たない領主がいることに慣れていた。この辺ではフロム公やキルシュ公、ナハシュの城主などは領主と呼ばれているが誰か王に仕えている訳ではなかった。何となく領地を持っていたら“領主”で、少し大きければ“王”なのかと思っていた。スターチス王は答えた。
「今の領主はどこかの王に仕えている訳ではなく、ただの地方の豪族といった所です。王は領地の町を持っていて、自分で名乗りを上げれば誰でも王です。でも、王家は古い歴史を持つ国ばかりです。
昔は領主は近郊の王に友軍として契約をしていることが多かったです。今は王国から中立な領主ばかりです。西大陸では町が強いのと同じように領主も強いです。
今の王は花の名ですが、二千年前のアーサ様の頃はまだ全てが花の名ではない時代でした。アーサ様の名はアーサ・ペンドラゴンで、花の名ではありませんでした。“ペンドラゴンの者の国”と呼ばれていたそうです。スターチスという王の名は、シエララントの城のそばにスターチスの花畑があったから、そこから付けられたと言われています。
ペンドラゴンの者の国は古くから続いた国だと言われています。国を開いた頃は、西大陸中で国が乱立した時代でした。バラ、百合、コスモス、コチョウラン、カトレアなど。その頃の国々が今も残っている歴史ある国です」
「大国とか小国とかの基準も私は何となくで使っています。何か目安はあるのですか?」
「直轄領の多さが一番ですが、あまり八つより多くの直轄領を持つ国は少ないです。直轄領の中で、豊かな町をたくさん持っていると大国と呼ばれますね。経済規模でしょうか」
「西大陸一の大国と言えばどこですか?」
「やはりバラでしょうか。バラだけで七つの国に分かれているくらいですからね。百合は次に大きな国ですね。西大陸の中央ではメリルなどの大きな町に王がよく行くので、王同士で顔見知りになり、大きなネットワークを築いているようです。バラの王家の方なら、たまにこの城にも泊まりに来ます。その時に私は西大陸の中央の話を伺っています」
「そうなのですね。バラの王家の方は気位が高い方なのでしょうか?」
「物腰が柔らかで親切な方々ですよ。人脈を大切にする所がありますね」
「楽しみですね」
エーデルはにこりと微笑んだ。
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