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白の章
白二十一話
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スターチス王の部屋でエーデルは窓の夜風に当たりながら眠っていた。スターチス王は入浴の後に私室に戻ると、すやすやとよく眠るエーデルを見た。今日はエーデルは遠くの町の馬上試合に参加してきて、帰ってきた所だった。エーデルは入浴を済ませ、それからスターチス王の部屋へ顔を見せた。そのまま自分の部屋に戻って休めば良かったのに、何か話したかったのか律儀なのか、王が部屋に戻るのを待っていた。たぶん、エーデルは挨拶をしたかったのだろう、とスターチス王は思った。
スターチス王は窓を閉め、エーデルの肩にブランケットを掛けた。夏の夜は風邪を引く心配はなくて良かった。しばらくスターチス王は本を読んで過ごした。エーデルが何かを呟いた。
「離れてみると寂しいものですね……」
「そうですね。今度はご一緒しましょう」
スターチス王はエーデルの寝言に優しく応えた。
エーデルははっとして起きた。夜が遅かった。スターチス王は本を読んでいた。
「起こしてしまいましたか?」
エーデルは立ち上がって、ブランケットを畳んだ。
「すみませんでした。お休みのお邪魔をしてしまいましたね。今日のお話をしようと待っていましたが、疲れていたようです。また明日にしましょう」
「エーデルが良ければ、今日はこちらで休みませんか?」
「まぁ、夢の通りになってしまいますね」
「どんな夢ですか?」
「今日は一日何だか物足りない気持ちだったのですが、それをスターチス王に話すと共感してもらったんです。その気持ちを語り合いながら、一緒に眠って、寝顔を見守ってもらったのです」
スターチス王は微笑んだ。
「次は私がエーデルの夢を見る番ですね。ぜひその話を聞きたいですね」
「ええ、同じ枕で眠ると夢の中でも会えると言いますからね。今夜は一緒の夢を見ましょう」
エーデルは王の気持ちを受け取り、にこりと笑った。
スターチス王は窓を閉め、エーデルの肩にブランケットを掛けた。夏の夜は風邪を引く心配はなくて良かった。しばらくスターチス王は本を読んで過ごした。エーデルが何かを呟いた。
「離れてみると寂しいものですね……」
「そうですね。今度はご一緒しましょう」
スターチス王はエーデルの寝言に優しく応えた。
エーデルははっとして起きた。夜が遅かった。スターチス王は本を読んでいた。
「起こしてしまいましたか?」
エーデルは立ち上がって、ブランケットを畳んだ。
「すみませんでした。お休みのお邪魔をしてしまいましたね。今日のお話をしようと待っていましたが、疲れていたようです。また明日にしましょう」
「エーデルが良ければ、今日はこちらで休みませんか?」
「まぁ、夢の通りになってしまいますね」
「どんな夢ですか?」
「今日は一日何だか物足りない気持ちだったのですが、それをスターチス王に話すと共感してもらったんです。その気持ちを語り合いながら、一緒に眠って、寝顔を見守ってもらったのです」
スターチス王は微笑んだ。
「次は私がエーデルの夢を見る番ですね。ぜひその話を聞きたいですね」
「ええ、同じ枕で眠ると夢の中でも会えると言いますからね。今夜は一緒の夢を見ましょう」
エーデルは王の気持ちを受け取り、にこりと笑った。
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