~前世の知識を持つ少女、サーラの料理譚~

あおいろ

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1話 芋餅

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 そうして料理は食べきった。
 サーラは椅子に深く座り、腹を擦って一息つく。
 同時に家の玄関をノックする音がしてきて、
 「すいませ~ん。」
 と、誰かが呼び掛ける声もする。
 サーラは気がつき、急いで玄関へ向かうと、扉を開けた。
 そこには、隣の家に住む御婦人がいた。名前はケリーである。恰幅の良い女性だ。
 「おはようございます。ケリーさん。」とサーラは、挨拶をする。
 「おはよう、サーラちゃん。」とケリーも返事をしている。しかし、やや狼狽えている仕草をしている。
 すぐにサーラは、問いかけた。
 「ケリーさん?…どうしたの?」
 「…サーラちゃんさ、……アンタの家の裏に物置小屋があるだろう。…昨日の夜に何かしたかい?…実は、…そこで、変な音が聞こえてんだよ。…」
 とケリーも、恐る恐ると答えていた。
 「ほへ?」
 サーラは話を聞き、変な声をだしてしまう。
 その直後に、周囲に沈黙が漂う。
 サーラは我に返ると、慌てふためき、再び喋りだす。
 「何それ!?…あの扉の鍵が壊れてるやつ?…もう、ずっと使ってないけど。…」
 「…恐いだろう。…あたしも、そういうの苦手なんだよ。…うちの旦那にアンタの父ちゃんを呼び戻しに、ハンター組合の支部まで行ってもらっていて。…」
 とケリーも呟く。話が進むに比例して背中に寒気を感じて身震いしている。さらに何度も、家の裏手に視線を送っているようだった。
 対してサーラは考え込むと、「なら、あたしが先に見てくるよ。うちになんかあったらヤダから!」と、颯爽と走り出してしまう。
 「え!?…危ないよ!」
 やや遅れて、ケリーの制止する声がした。さらに追いかけてくる足音もする。
 それでもサーラは、瞬く間に速度を上げて、遠退いてしまうのだった。
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