~前世の知識を持つ少女、サーラの料理譚~

あおいろ

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間章 僅かな異変と暗躍

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 ※※※

 さらに同時刻、ーー
 此処は屋敷の二階の廊下。
 そこでは、マーチスが自室へと向かって、ゆっくりと歩いている。彼の顔は憂鬱な表情をしており、たまに溜め息を吐いていた。さっき食堂を出てから、一言も喋らずに、ひたすらに前へと進んでいるようだった。
 また周囲には他に誰もおらず、静けさが漂っている。
 「…うぅむ。」
 すると次第に、マーチスは声を出して唸っていた。同時に頭の中では、サーラに言われた事が気になり、何度も繰り返し思い返していた。さらに額から汗が伝うと、袖口で拭うのを繰り返していた。
 やがて場所は移り変わり、ーー
 マーチスは自室の前にたどり着く。すぐに扉を開けて潜り抜けると、真っ先にベッドへと身を投げる様に横たわった。
 その拍子にベッドは、深く沈みこむと、ミシミシと音を立てている。
 「んごぉ、…ぐうぅ。…」
 それからマーチスは、目を閉じて眠りだす。しかし、次第に顔には眉間に皺が寄り、苦悶の表情で寝苦しそうにしている。さらには未だに身体中から汗が吹き出し、肌に洋服が張り付く感覚がしていた。なんとか払拭しようと寝返りをすると、余計に寝苦しさに拍車をかけていた。
 しかし、この時の異変には、本人を含めて誰一人として気づいていないようである。
 そうして、段々と夜が更けていくのだった。
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