異世界で商売はじめました。(〇豚は異世界に出荷よー(´・ω・`)そんなー! )

ヒロ三等兵

文字の大きさ
52 / 198

48話.土地を買い集める

しおりを挟む
 サドタの街から自宅へ戻って来た。
 お店に入ると、店長であるコッペが話しかけてきた。

「おかえりなさい、社長。
 社長にお客様が来られてますよ。
 時間がかかると判断したので二階に案内してます」

「あぁ、大丈夫だ。
 エミリー達も不満はいってないだろう?
 ところで、誰が来てるんだ?」

「特に不満は言われてないですね。
 町長のミルコ様が来られてます」

「わかった」と言って、その場を離れ二階へ向った。

「おかえりなさい、ハジメさん(お兄ちゃん)。
 ミルコ町長が、来られてますよ」

「えっと、町長がいるのは応接室かな?」

「はい、そちらに案内してます」

「わかった」

 私は応接室へ向かい、扉をノックして応接室に入った。
 部屋には、ミルコさんと秘書っぽい人が下座に座っていた。

「お待たせしました、ミルコさん。
 急な来客でしたので、お構いできず申し訳ない。
 今日は、どのようなご用件で?」

「あぁ、それなんだが……
 この町の地図を出してくれ」と、ミルコは秘書に指示を出した。

 秘書は、バッグに入っていた地図をテーブルに広げた。

「これが、この町の地図なんだが……
 この前、話をしていた施設を作る際に希望の場所はあるかい」

「そりゃ、この場所から近ければそれに越したことはないですよね」

 この土地は、ギルドからの借地ということもあって、広い裏庭付きで、
 その裏庭の先に、川が流れている。

 地図を見ていると、
 となり、の飲食店や他の店舗も裏庭として土地を買っておらず、横長ではあるが空き地となっていた。

「町長。
 お隣さんの建物の裏とかは、もしかして買えたりするのかな?」

「購入はできるが、お客の入り口がなくないか?」

「ここの空き地を有効利用しようと思ってね。
 この空き地が買えるのなら、面白い事ができそうだ」

 裏庭の先にある、空き地と建物を指差した。

「ここの空き地は、所有地?  あと、ここの付近の店舗の種類は何かな?」

 ……と聞いてみると、秘書が答えた。

「ここの空き地は、町が所有してます。
 あと、この近辺の建物は飲食店が多いですね」

「なるほど。
 このお店の、裏庭の川を越えたところの店舗と空き地を購入したいかな。
 川の向こう側の川沿いは空き地っぽいし。
 そしたら町長。ここの川の北側と南側の空き地と南側の店舗の土地を買うことにしよう。
 裏庭から橋をかければ川は渡れるし、空き地に関しては町も値引きしてくれるんでしょ?
 この通りが飲食店なら――間違いなく、お店の店長達は了承してくれるだろうよ」と、私は言った。

「えっ?どういうことだ?」と、町長は困惑しながら聞いてきた?

「新しく施設作った中に、そこのお店をテナントとして入れてやればいい。
 お客を集めるための施設なんだ。人が一箇所に集まるなら飲食店の需要も増えるでしょ?」

「なるほど。店の土地を手放してくれるなら、好条件で施設にテナント入りできるってわけか」

「まぁ、ここの交渉は町長が施設を成功させたいっていう、熱意次第なんじゃないかな?」

「どういう事だ?」

「当たるかわからない大型施設に、お店の店長達はギャンブルできないって話だね。
 だから、町長が絶対成功させるって意思を見せれないと確実に断られる。
 まぁ、成功するんだけどね。あと断られても強制で町長権限で立ち退かせますけどね。
 やると決めた事だし、私はこの土地が欲しいので、綺麗に物事進めれるかは町長次第ですよ」

「ハジメ君。
 物事が決まったら、やる事がエグいな?」

「商売である以上ある程度は、決めなきゃいけない部分もありますし捨てる部分も出ますよ。
 味方になるんなら優遇もするし、敵になるんなら遠慮なくぶっ叩く、それは世の常です」

 そして、私は満面の笑みを浮かべながら言葉を紡いだ。

「みなさんを優遇できるように、町長は頑張ってください」

「商人の笑顔というものが、怖いと始めて思ったよ」と、町長と秘書が身震いさせていた。

 じゃあ、決まった事ですし。動きますか……。
「買いに行くお店に私も行きますので、今から挨拶に行きましょう。町長」

「えっ? 今日行くのか?」と、驚いた表情をする町長。

「えっ? 今日行かないで、どうするんですか?
 私も、色々と忙しいんですから、さっさとと片付けたい案件の一つですしコレも。
 ほら、行きますよ」

 町長達を連れて、お店を出て目的のお店に移動した。
 そして、お店に入る。

「いらっしゃいませ!!
 げっ!!アンタは、ギルドの前のお店の店長」

「げっ!! ――って、失礼ですね」

 私は、他所の飲食店の敵なんだろうなぁ……
 この反応で全てを理解できた。

「なんのようだ?
 町長を連れて、人気店の店長さん」

「酷いなぁ……飲食店なんですから、接客は命ですよ?
 ほかに店員さんいないみたいですし、あなたがこのお店の店長さんですよね。
 昼飯時に、来客0は拙いんじゃないですか?」と、酷い扱い受けたので口撃してみる。

「ぐっ、お前らさえ店を出してなきゃ、こんな事にはならなかった」
 お店の店長は、言い訳を始めた。

「話になりませんね、商売なめてるんですか?
 露店で店出してる連中の方が、よっぽど骨がありますよ。
 そんな考えですと、店をたたまれた方がいいんじゃないですか?
 町長、施設の件を店長さんに説明して下さい」

 町長が施設の件について、この店の店長に説明を行った。

「秘書さん。この土地の権利は?」

「借地ですね。」

「それなら立ち退き料は出ますし。
 施設のテナントに入る夢は見ずに、他の仕事を探された方がいいですよ」

 町長が俺に耳打ちしてきた。
「ハジメ君。さすがにコレは酷くないか?」

 耳打ちで町長に返した。
「接客態度もひどかったですし……
 コレで、やる気出さないなら彼の為になりせんって」

 内心は、ヒヤヒヤしてるが無表情ポーカーフェイススキルのおかげで、表情に出ていないようだ。

「言いたい放題言いやがって、アンタの店が売れてるからって」

「売れてますねぇ。
 だけど、やるべき事はやってきたと自負してますよ」

「覚えてろよ!!
 いつか、アンタの店なんか追い抜いて見せるからな」

「貴方の活躍に期待してますよ、それでどうしますか?
 新施設のテナントに入るのは、私のお店に勝つ為のチャンスだと思いますけど?」

「書類を出せ」と、店長が言ってきた。
 お店の解体許可と、施設のテナントに入る書類を渡した。

「えっ、ハジメ君。
 書類なんて、いつ用意してたんだ?」

「むしろ、土地の売買するんです。
 こういう流れも予想して準備してましたよ」

 条件をみた店長が驚いていた。

「どうしました?」

 施設のテナントの書類には、借地の場合は土地を譲る代わりにテナント料を無料にする。
 所有地の場合は、土地の代金の支払いとテナント料を無料にすると記載していた。
 それと、施設の建設が終わるまでの間、仕事を選べるようした。
 候補は、ウチのお店で働く、となりの食堂で働く、建築要員として働くの3種類を用意しておいた。

「条件が揃いすぎてないか?」

「そりゃ、そうでしょ。
 せっかくテナントに入ってもらうんだし、切磋琢磨してウチのお店に勝ってもらわないと」

 施設のテナントに入ってもらうのだし、潰れてもらっては困る。
 お店の店長が書類を渡してきた。

 希望の職場は? 隣の飲食店か……
 私の店に来たら、基礎から叩き込んでやったのに残念だ。
 まず、1店舗目のテナント入りが確定した。

 こんな調子で、次々とテナント入り物件を増やしていった。
 全ての土地買取が終了し。一旦、町が代金の支払いをして、後ほど私が支払いをする形になった。

 よし、明日は解体作業をさっくり終わらせよう(意味深)。
 明後日には、建設作業に入るとするか……

 買取が終了した店舗には、明日には建物がなくなる旨を伝えたので……
 皆、急いで引っ越しをしているようだ。当然、引っ越し先の物件は町に用意させた。

 よし、一通り片付いたから。
 お店に戻るか……

「そしたら、コレで私は帰ります。
 秘書さん。さっきの地図って頂けませんか?」

「はい、どうぞ!」と、秘書が言って地図を受け取った。

「それと、明日にはここの建物を全て更地にします」

地図を広げて、ココ付近を更地にすると宣言した。

「「 えっ!? 」」と、二人が驚いてた。

「ハジメ君。
 それは例え話で、お店の人たちに言っただけだよな?」

「解体なんかに、時間かけるのは無駄なんで、一日で終わらせますよ?」

 あぁ、ドワルドに言っとかないとなぁ。
 きっと驚くだろうな……

「それじゃ、私はこの辺で」と言って、この場を後にしてお店に戻った。

 ドワルドが話しかけて来た。

「なぁ、社長。
 建築班の新しい仕事は見つかったか?」

 ニヤリと私は不敵な笑みを浮かべた。

「ドワルド達に、ぴったりの仕事を持って来たよ」

 地図を広げた。

「ここから~ここまでの広さの施設の建設を頼むわ。
 詳しい資料は後ほど渡すから……」

 ドワルドが驚きのあまり目が点になっていた。

「四人で、そんな建物を作れるわけないじゃろ!!」

「大丈夫大丈夫、人員は補充するから。
 工事が始まる前に、必要な人数を言って下さい。
 対応するから、半年から一年規模の施設建設になるだろうし」

「いやいや、建物の解体だけでも1ヶ月はかかるぞ?
 どう考えても、建築自体も二年はかかるだろ?」

「いや、解体は私が明日で終わらせるし……
 昼間の空き時間に俺も手伝うし二年もかからないでしょ」

「そうじゃったな。
 社長は半年の作業を1ヶ月で終わらせたものな」

 ……と言って、ドワルドは私の突拍子もない発言に呆れて頭を掻いていた。

「あはは、裏庭の冷蔵庫の件があったなぁ」

 さてと、ドワルドに明日の件伝えたし。
 営業時間もそろそろ終わるし、エミリーとシェリーを連れて[サドタの街]のギルドに一度行くとするか。
しおりを挟む
感想 32

あなたにおすすめの小説

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比1:15の貞操逆転世界で高校生活(婚活)

大寒波
恋愛
日本で生活していた前世の記憶を持つ主人公、七瀬達也が日本によく似た貞操逆転世界に転生し、高校生活を楽しみながら婚活を頑張るお話。 この世界の法律では、男性は二十歳までに5人と結婚をしなければならない。(高校卒業時点は3人) そんな法律があるなら、もういっそのこと高校在学中に5人と結婚しよう!となるのが今作の主人公である達也だ! この世界の経済は基本的に女性のみで回っており、男性に求められることといえば子種、遺伝子だ。 前世の影響かはわからないが、日本屈指のHENTAIである達也は運よく遺伝子も最高ランクになった。 顔もイケメン!遺伝子も優秀!貴重な男!…と、驕らずに自分と関わった女性には少しでも幸せな気持ちを分かち合えるように努力しようと決意する。 どうせなら、WIN-WINの関係でありたいよね! そうして、別居婚が主流なこの世界では珍しいみんなと同居することを、いや。ハーレムを目標に個性豊かなヒロイン達と織り成す学園ラブコメディがいま始まる! 主人公の通う学校では、少し貞操逆転の要素薄いかもです。男女比に寄っています。 外はその限りではありません。 カクヨムでも投稿しております。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

処理中です...