上 下
140 / 198

127話.とある眼鏡の運用テスト。

しおりを挟む
 自宅での眼鏡の実験を完了し、再び研究室へ戻ってきた。

「ジッパーさん。バッチリでした!!」

「まぁ、何についてバッチリなのかは聞きませんが……
 そしたら、教皇様への商品の護送をお願いしていいですか?」

「はい、お任せください」と、私は言った。

 研究室を出たあとに再び眼鏡をかけて[栄養ドリンク]を飲んだ。
 その後【転送魔法】を使いお屋敷の前に到着した。

 ノルニルさんがお屋敷の門の前で待っていた。
 コレは、運用テストである――決してスケベ心が動いた訳ではない。

「こんにちは、二階堂さん。
 アレッ? 二階堂さん眼鏡つけてなかったですよね」

「あぁ、伊達眼鏡ですよ……」

 ノルニルさんは、首にネックレス付けてると思ってたら、十字架のネックレスだったのか……
 その十字架が二つの丘に乗るような形で透けて見えていた。

 こうやって隠した武器を確認する事ができるのか……(建前)
 あぁエロい 、ほんとにエロい 、まじエロい。(本音)

 あぁ、ヤバいヤバい。
 ノルニルさんは俺の好みの集大成って感じで、出るトコ出てるし。
 彼女を直視してるとヘンに興奮しちゃいそうだ……

「二階堂さんの視線がいつもより、変な感じするんですけど気のせいですか?」

「いえ、ソンナコトナイデスヨ!!」

「それじゃ、今日は南の山岳に行きましょうか?」と、ノルニルが言ってきた。

「はい、お願いしますね」

 ノルニルによる、新しいパーティが作られソコに私が参加した。

 パーティ名:二階堂さんの視線が犯罪者のソレで、少し怖いです。

 ちょっ!! おまっ!!

「パーティ名は、どうにかなりませんかね?」

「二階堂さんの視線が凄くいやらしい感じがするので変更不可です」と言って、ノルニルが先頭を進み俺が彼女を追いかける形になった」

 狩場に到着するまで、しばらくかかった。
 その時間の間、ノルニルさんの後ろ姿を堪能する事ができた。

「二階堂さん到着しましたよ。
 ……って、鼻血が出てますよ」

 [ヒーリング]を使い出血を止め、このままだと狩りに影響が出ると思い……
 けしからん眼鏡をマジックバッグ(仮)の中に入れた。

 しかし、鼻血だけではなく――下半身にもステータス異常がきている為に動けそうにない。

「すいません。動けそうにないので3分ほど待ってもらっていいですか」

「はぁ、あまり卑猥な視線を向けないでくださいね。
 流石に解りますよ」

「ぐぬぬ、ごめんなさい」

 やった行為が、軽く最低だったので素直に謝っておいた。

「なんだろう、ノルニルさんってすごく俺の好みの気がする。
 好みのポイント誂えたような感じで……」

「そんなに褒めても、許しませんよ」と、言いながら彼女は照れていた。

「それはそうと、ノルニルさんって首に十字架のネックレスつけてたんですね」

「えっ!? なんで、ソレを知ってるんですか?」

「あっ!!」 しまった!!透視したことがバレる。

「もしかして、さっきの眼鏡ですか?
 さっきの眼鏡を出してください」

 被害者に証拠品の提出を行なった。
 ノルニルさんが眼鏡を掛けて、コチラを向いた。

「なるほど、こういうアイテムですか……
 眼鏡をお返しします」と言って、眼鏡を返してくれた。

「あれ? 怒らないんですか?」

「二階堂さんがエッチなのは、最初から解ってますから。
 今更、怒っても仕方ないですよね」

「ぐぬぬぬ……
 酷い言われようだ」

「正座したいですか?」

「ごめんなさい、私が全面的に悪かったです。
 ノルニルさんの後ろ姿を移動の最中ずっと堪能してました」

「隙あれば、セクハラするのもやめてくださいね」

「善処します!!」

「善処じゃなくて、しないでください。
 まぁいいです。狩場についてますから狩りを始めましょう」

 狩りの結果から言うと狩りは大成功で終わった。
 ギルドの依頼分は、コレで全て達成することができた。
 山岳のモンスターは、砂漠のモンスター並みに弱くコレといって緊張する場面もなかった。
 山岳での狩りが終わって清算の為にギルドへの行く事になった。

「転送魔法を使おうか?」と、彼女に尋ねてみると。

「今日が案内の最後の日なので、ゆっくり帰りましょう」と、彼女が言った。

「そうだよね……。
 今日でノルニルさんとお別れなんだね、すごく残念だなあ」

 別れを告げられるのを嫌がってか、ノルニルは話題を切り替えた。

「そういえば、シースルーの魔石って幾ら位になりそうなんです?」

「金額がかなり大きくなるからさ、代金の半額支払おうか?」

「いえ、良いんです。
 私は二階堂さんに武器と洋服を買ってもらいましたし」

「じゃあさ、俺がなんでもと言った件、今日が最後だから言ってみなよ」

「それじゃ、お願いを聞いてもらえますか?」

「どうぞ、できることならなんでもやりますよ」

「それじゃ、私も貴方のお屋敷に一緒に住んでもいいですか?」

「うん、部屋も空いてるし。
 ノルニルさんなら大歓迎だよ」

「末永く……よろしくお願いしますね。二階堂さん」

 意味深すぎるノルニルの挨拶に少し困惑してしまった。
 あれっ? もしかして俺は意味を取り違えたのか?
 もしかして、彼女が嫁の一人になるという意味だったのか?
 好みのタイプのノルニルさんだし、それはそれでまぁいいか!!

「門の鍵と、扉の鍵を追加で作らないといけないね」

「それはそうと、二階堂さん。
 注意したのに、案の定サキュバスにやられたんですね」

「えっ!? どういう意味?」

「教えません……」

「とりあえず、屋敷にはリリスという子がいるからよろしくね。
 掃除したりしてくれてるから、とてもいい子だよ」

「わかりました。善処しますね」

 アレッ? 歯切れが悪い。

「とりあえず、部屋は好きな部屋選んでいいから。
 空いてる部屋なら好きに使ってよ」

「わかりました。お屋敷についたら選びますね」

 そんな感じで話をしていたらギルドに着いた。

 二人はギルドの買い取り倉庫へ直行して、いつものようにライガスさんに討伐したモンスターを納品した。
 これで魔道具屋が発行していた全ての依頼を達成し終わった。

「ライガスさん依頼の品配送完了しましたので、ルーカスさんにも伝えておいてください」

「あぁ、わかった。ギルド長に伝えておくよ。
 それと、今回の清算分だ」

 清算分を袋に入れて、手渡された。

「あんちゃんは、ロックバレーで狩した方がいいと思うぞ」と、ライガスに一言付け加えられた。

「食材も微妙でしたし、私もロックバレーの方がいいと思ってます」と言って、ギルドを離れた。

 清算が終わり、ギルドの外でノルニルと稼ぎを半々に折半した。
 ノルニルをお屋敷に送り届けた後に、私は教会へ向かった。

 夕方になり、辺りが暗くなり始めていたが教会の受付さんはまだいた。

「あっ、すいません。
 遅くなりましたが、教皇様に会えませんかね?」と、私が尋ねたら。

「どうぞ、いつもの部屋へお進みください」と言われたので、教皇のいる部屋へ移動した。

 教皇の部屋の扉をノックする。

「遅くなってすいません。二階堂です」

「あぁ、扉は開いてるよ。入ってくれ」教皇の許しをもらったので部屋にはいった。

「久しぶりだね。今日はなんのようだい?」

「セカンタの町のドクタージッパー氏に、特殊な眼鏡の作成を依頼してませんでしたか?」

「あぁ、しているとも。
 魔石の現物がなさすぎて困っていた所だった」

「それが、本日完成しましたのでお持ちしました」

「そうか、ジッパーさんは町の研究員になったんだったな。
 それで、一番安全な人間に配送を任せたわけだ」

 マジックバッグ(仮)から、スケスケ眼鏡以下略を取り出した。
 眼鏡を教皇に手渡した。

「ありがとう。これで、国王陛下に透視眼鏡を献上する事ができるよ」

 悲報……ジッパー氏の命名採用されず。

「そうですか、それは良かったです」

「ハジメ君。明日は君も献上の儀に参加しなさい。
 王女様が、君の事を待っていたしな。
 それに、キミがこの事に首を突っ込んでいるんだ。
 君の事だ何かやらかした結果だろう」

「あはは、バレてますね。
 シースルーの魔石を手に入れたのは私です」

「やはり、そうか!!
 その旨を伝えれば、王女様がと国王陛下がお喜びになられるよ」

「教皇様、それは良いんですけど。
 国王陛下からお屋敷を頂いたじゃないですか、何をお返しすれば良いのかが解らなくて困ってます。
 知恵を貸していただけませんか?」

「ふむ、正直に言えば何も返す必要はない。
 ただ、それでも返したいんだろう?」

「はい、流石に手入れされてるお屋敷だったので、お返しをしたいと思いまして」

「それならば、ハジメ君。
 君の力を誇示できて、尚且つ実用性が高いデスワームの魔石はどうだ?
 冒険譚とセットにしてお渡しすれば、国王陛下……いや、王女様が特にお喜びになるだろう」

「わかりました、そうさせて頂きます。
 明日は昼頃にお伺いしますね」と言って、教会を後にしてお屋敷へ戻ってきた。
 ノルニルさんが部屋を決めたみたいだ。

 ただ、今からする事を考えると、リリス以外の女性に会うのは気がひけるので――
 そのまま、リリスのいる地下室へ向かった。

「お兄ちゃん!! お帰りー」と言って、サキュバスらしくキスから始まる挨拶をしてきた。

「んー、今日はイマイチ美味しくなさそう。 あと薬っぽいから嫌!!」と言って、彼女はさっくりと食事を済ませた。
 
 これだと、あの異常なまでの倦怠感を感じないから助かるんだけどな。

「うーん、美味しくない。お兄ちゃん薬に頼るのダメ!!
 だけど、まだまだ食事できそうなんで貰うね」

 計4度ほど食事を与える羽目になり、倦怠感はないが圧倒的な疲労感を感じてしまった。
 ダメだ薬に頼ると余計に吸われる。だが、サキュバスの魅力に抗えない……
 フラフラ……になりながら、自宅へと帰った。

 家に帰り、夜ご飯を食べて寝る。
 今日は、誰が来るんだろうか……
 部屋に入ってきたのはシェリーだった。

「お兄ちゃん。一緒に眠りましょ」

 シェリーは、一緒に寝ようと何も要求せずいてくれた。

「ありがとう、シェリー。
 そろそろ限界だったかも……」

「お兄ちゃんが疲れてたから。
 キャリーお姉ちゃんとアリアちゃんが、お姉ちゃんに怒られてたよ」

「あはは、そっか。それなら無理しなくて済むのかな?」

「お兄ちゃん。今日は、お疲れだからお休みなさい」

「うん、そうさせて貰うね」

 何もせずに、となりに寝てくれるシェリーに感謝して眠りについた。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

神々の間では異世界転移がブームらしいです。

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:63pt お気に入り:2,336

異世界転移は分解で作成チート

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:2,603

異世界転生~チート魔法でスローライフ

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:1,157pt お気に入り:1,833

前世は悪神でしたので今世は商人として慎ましく生きたいと思います

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:1,592

精霊物語 - 精霊の最強パーティーで成り上がり -

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:1,325

剣の世界のβテスター~異世界に転生し、力をつけて気ままに生きる~

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:35pt お気に入り:1,274

処理中です...