主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい

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光の国に転生した闇属性の俺!?

42)皆で魔法の練習

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あってやっと客室に到着した。魔法の練習をするために使用人たちを下がらせる。今この部屋に入れるのは俺や義兄が信用する人だけだ。

「じゃあ、皆…お兄様も、よろしくお願いします」

「何が起こってもナハトだけは守るから任せてよ」

「僕のお友達も守ってあげてくださいね」

頼りになるのかならないのか、諦めて皆の方に視線を移す。

「大丈夫ですわ!一度受けた魔法ですもの、耐性くらいついているはずですわ!」

「ドーンとこいっ!」

こういう自信が一番怖いと思う。しかし、今は義兄もいるのだ。彼らを信じてあの『魅了魔法』を使うしかない。

「あの時の僕は無意識に『魅了魔法』を使ってしまったんだけど…どうやって使ったか感覚がわからないんだ」

そうだ、「使おう」と思っても使えないから操作が難しいんだ。多分今日は使い方というより、発動条件というものを明確にした方がいいだろう。

「ナハトは魔法が感情によって作用する場合がある可能性について知っているかい?」

顎に手を当て、考える人ようなポーズをとったレインが俺に問いかける。

「ぼんやりだけど知っているよ。例えばお父様が怒った時はお父様の周りの空気が冷たくなるんだ。これも魔法の無意識的な展開に含まれるんじゃないかなって思うよ」

まだ、たった4歳であるのに中々論理的な話をしてしまったのではないだろうか。周りも少しポカンとしている。義兄だけはうんうんと頷いて「やっぱりナハトは頭がいいね」など言っている。勉強でさえ完璧な義兄に褒められても皮肉でしかないんだが。そんなことを考えているうちにレインは話を進めていく。

「そうだね。だいたいそんな感じだ。でも属性によって感情の発動条件は変わってくるとされているんだ」

「無意識な魔法の展開には属性と感情が関わっているってこと?」

「はえ?」

「頭の良い話ばっかりでファイノスの頭がショートしてしまいましたわ!私達まだ4歳ですのよ!」

ファイノスが壊れてしまった。確かに今の会話は子供がするような話ではない。本来であれば皆ファイノスのように珍紛漢紛になってしまっても仕方がないのだ。ローズの言ってることは至ってまともである。

「じゃあファイノス君はこっちでお菓子でも食べるかい?ローズ嬢もお茶でもどうだい?この話はまだまだ続きそうだけど」

「ナハトのお兄様…ありがとうございます。こんな呪文のような会話を聞いてたら呪われそうですわ」

義兄が気を聞かしてくれたようだ。本当にになると完璧なのだこの義兄は。ただ、助かったのは本当の話、これでレインとの話に集中することができる。

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