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光の国に転生した闇属性の俺!?
57)地獄の特訓
しおりを挟む「じゃあ、今からナハトの騎士団体験を始める。世話係としてポール、君がナハトに着いてくれ」
「はっ」
父に名前を呼ばれ出てきたのは、赤みがかった茶髪に右目にでかい傷があるのが特徴のガタイのでかい男だった。声も低く、少し怖い印象だ。
「ナハト。彼は私の信頼している騎士の一人のポールだ。平民でありながら騎士団の副団長に上り詰めた優秀な奴だ。精神力も忍耐力も他の誰よりも高い。君を任せるには適任の人物だ」
「ナハト様、ポールと申します。ナハト様のご期待に添えるよう一生懸命務めさせていただきます。どうかよろしくお願いします」
僕の前に片膝を着いて自己紹介をした彼は公爵である父に対して絶対的な忠誠心を持っているのであろう。普段部屋から出ない僕にもこんなにも丁寧な挨拶をしてくれる。
さっきから義兄が俺のことをじっと見つめてくるが知らんふりをする。きっと、俺にはこんな人目につきやすい場所に来てほしくなかったのだろう。しかし、俺がこんなにも焦っているのは義兄のせいなのだからしょうがないだろう。そう、全ては義兄が悪い。
「じゃあポール。ナハトのことは頼んだよ。私はまだ執務が残っているからここでお別れだけど、夕飯の時にでも話を聞かせておくれ」
「はい!ありがとうございます。お父様。僕、頑張りますね!」
(やっとこの世界に来て初めて剣を触れる!)
そう思ったのは束の間。剣を使って練習をしている騎士達とは少し離れた場所に連れてかれる。
「あれ、剣は?」
「ナハト様が剣を握るのはまだ先ですよ。まずは剣を振るうための基礎体力をつけなければなりません」
「…へ?」
そう言って、まずは体を無理やりほぐされた。動く前に怪我をしたらダメだからと、ほとんど毎日家にこもっている俺の体はただでさえバキバキに固いのだ。これがまあ、痛いのなんのって限界まで足を広げられた時は下肢がちぎれるかと思ったくらいだ。「痛い」と言ってもポールはキョトンとした顔で「みんなが通る道でございます。そのうち慣れますよ」と爽やかな表情とは裏腹に一切俺にかけている力を抜いてくれない。
「うう、関節がいくつか無くなったような気がする」
「しっかりと付いていますので大丈夫ですよ。柔軟はこの辺にいたしましょうか」
「やった」
「では次は体力強化のための運動を始めましょうか」
「えっ」
「手始めにここの運動場を10周走ってみましょう」
「ええええええ!!!」
俺は父を舐めていた。こんなにも剣を触る前の基礎訓練がこんなにもきついなんて知らなかった。父はきっと俺がこの地獄の基礎訓練に耐えられないことを知っていたから騎士団の体験を許可したのだろう。そう考えると胸の奥がモヤモヤする。そう、俺は極度の負けず嫌いなのだ。どのくらい負けず嫌いかというと、ゲームで近くに同じランク帯の人がいたら絶対に負けないように徹夜も惜しんで取り組むくらいには負けず嫌いだ。とりあえず、勝負事に対して負けたくない。
「お父様…僕は決して諦めませんよ」
(この地獄の特訓を乗り越えて絶対にレベルアップしてやるんだ!!)
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