主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい

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光の国に転生した闇属性の俺!?

63)ドキドキピクニック3

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「何を言っているんだい?」

義兄は俺が何を言っているのかよく分かっていない感じだった。そして少し考えるそぶりを見せた後「ああ…」と何かに納得したのかもう一度俺の方に向き直る。

「そういえばナハトはお父様とお母様のような夫婦しか見たことが無いんだったね。結婚であれば男性同士でも女性同士でも可能だよ」

「え、ええ、ではアドニス様は…?」

「まあ、疑問に思うよね。子供を作る場合には神殿に行って神官から”光の加護”を受ける必要があるんだ」

そう言って、義兄はひとつひとつ丁寧に分かりやすく教えてくれた。
男性同士であれば子供を産む受け側に子宮を作り、女性の場合は攻め側に男性器を生成する。光の加護なんて言っているがメチャクチャである。

(う、嘘だろ。リュミ騎士にそんな設定があったなんて!!)

過去にプレイしていた世界の新たな発見に驚きを隠せない。俺はリュミ騎士の中では戦闘狂だったため恋愛要素は全くもって知らなかったのだ。そんな設定必要か?と思うが、この世界に生を受けた以上受け入れるしか無いだろう。

「レナート様とルーナ嬢の子供達は本当に仲が良いんだね」

「ふふふ、そうなの♡二人ともすっごく可愛いでしょう?」

「それにしてもフィオーレ、君も皇后になったんだ。私のことを様付けするのはやめないか?」

「これは癖みたいなものだから…敬語を外しただけでも褒めて欲しいな」

皇后陛下…フィオーレ様は父母ととても仲が良さそうだ。和やかな雰囲気でこちらもほっこりしてくる。

「私抜きでフィオーレと仲良くするなんて良い度胸だな」

後ろから声をかけてきたのはこの国の王様だろう。くっきりとした端正な顔に赤い瞳と緑色の瞳である。長い金色の髪を後ろで括っている。体格は父よりも細身だが、ガリガリと言うわけではない。多分父と同い年だがとても若く見える。

(片方ずつで瞳の色が違うなんて格好いい!!)

いつまでも心は男の子のままの俺は陛下の厨二病心をくすぐった。しかし彼は皇后陛下が好きすぎてほぼ王城に軟禁するメンヘラなのだ。それに、両親から聞いた話だが、皇后陛下の頼みであればなんでも叶えてしまうらしい。恐ろしいほどのハイスペックである。この話を聞いた時、彼の気には絶対に触れないように気をつけようと誓った。

「リュミエール王国の光、クラウン陛下に挨拶申し上げます。そしてこちらが息子のエドワードとナハトでございます」

「リュミエール王国の光、クラウン陛下に挨拶申し上げます」

「ああ。と言うかフィオーレやアドニスにはそんな挨拶しなかっただろ。私だけ仲間はずれ見たいじゃないか」

「ぷはっ。これがお前にできる最大限の嫌がらせだからな。くくっ」

父が肩を震わせて笑う。俺は「不敬罪になるのではないか」とオロオロしていたが陛下と父の様子を見た感じ心配しなくても良さそうだ。

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