主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい

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光の国に転生した闇属性の俺!?

99)克服

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「僕っちはお前の役に立てるのか…?」

「うん。多分ね。その前に僕の名前を覚えてくれる?ナハトって言うんだけど」

シェイドの目から大粒の涙が溢れそうになる。もう悪魔の威厳もクソもない。

「ナハト…わかった。今日からそう呼ぶんだぞ」

「うん。よろしくね。で、今君の置かれている状況はわかるかな?連れてきちゃった僕も悪いけど、この公爵家に今君の居場所は無いも同然なんだ」

今、シェイドの置かれている状況を軽く説明する。そして俺がシェイドの味方であることを伝えてあげる。シェイドは話すとコロコロと表情を変えて面白い。

(いやいや、今はそんなことを考えている場合じゃない)

「だから君には僕の魔力を食べて欲しいんだ。できるかな?」

「おま…ナハトの魔力を食べれるってことだよな!もちろんできるんだぞ」

「ありがとう。じゃあ、召し上がれ」

俺はシェイドの額に手を当てて魔力を流し込む。少しずつ、でもしっかりと自分の魔力を送る。少し流したかな?と思ったところでシェイドが俺の手をトントンと叩く。

「ナハト!ナーハート!もうお腹いっぱいなんだぞ!!」

「ああ、ごめんごめん」

シェイドの声かけに慌てて手を離す。”もう”お腹いっぱい?俺の魔力は消費されたものの、減ったのは本当に10分の1くらいだ。

「あれ?昨日はあんなに魔力を取られたのに?」

「うう。もうこれ以上は魔力酔いしそうなんだぞ…」

「ナハトの魔力量でたくさんと言うことは相当だね」

(なんで俺の魔力量を把握しているんだ…)

でもこれではっきりとした。シェイドは今の俺にとって必要不可欠である。取られる魔力が昨日くらい多かったら少ししんどかったかもしれないが、取られる魔力が一回につきこのくらいであれば全然問題ない。むしろ溢れた魔力を食べる分にはちょうどいいレベルである。

「ナハトちゃん、大丈夫なの?」

母が心配そうな瞳で俺のことを見つめてくる。

「あんまり魔力を取られなかったみたいで大丈夫そうです。このくらいの量であれば体調には問題ないですし、むしろ軽くなったような気がします」

「ほ、本当か!!僕っちは役にたったのか?」

「うん。僕にとって君は必要な存在だ」

「えへへ。もっと僕っちを褒めてもいいんだぞ」

よしよしと頭を撫でてあげる。するとシェイドは嫌がる素振りも見せずに受け入れてくれた。まるで動物を飼っている気持ちになる。俺はこちらの世界に来る前も動物は飼ったことがなかったが、世の飼い主たちは皆こんな気持ちなんだろうか。

ふわふわで気持ちがよくて気づかなかった。隣の義兄がどんな表情で俺たちの姿を見ているのかを。
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