主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい

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義兄にドキドキするなんておかしい!!

1)目標

今日の朝、義兄が学園に旅立った。俺は今、5歳。義兄は12歳だ。

(俺は、義兄が学園を出る6年の間にこの公爵家を出て旅に出る)

6年も経てば俺は11歳。今よりももっと魔法やこの世界の知識がついてくるはずだ。元々この世界は俺がこの世界に来る前にプレイしていた『リュミエール王国と光の騎士~愛と魔法で世界を救え~』通称『リュミ騎士』というゲームの中だ。この作品のファンである俺は公爵家の中だけではなくもっと広い世界を見てみたい。

(まあ、理由はそれだけじゃないんだけど…)

手のひらに浮かばせた闇の炎を見つめる。シェイドが来てから闇魔法を操るのがぐんと楽になった。俺の中から溢れていた魔力をシェイドが食べてくれているからだろう。この魔力こそが俺が公爵家に居るべきではない大きな理由の一つだ。

『リュミ騎士』の主人公は光属性。しかも、このリュミエール王国では闇属性は昔から畏怖され続けている存在だ。光属性の主人公の側にいる闇属性の義弟。わかりやすい物語の悪役そのものだ。それでもこの家族は俺を除け者にするどころか充分すぎるほどに俺に愛を注いでくれる。だからこそ、自分の魔力のせいで家族が傷つくのは許せない。

こんこん

部屋の扉が誰かにノックされる。

「はい」

「ナハトちゃん。まだ、お昼ご飯食べていないでしょう?エドちゃんが学園に行って寂しいのはわかるけど、しっかり食べないとダメよ。よければ一緒に食べない?」

どうやらもう昼を過ぎていたらしい。時計をみるととうに正午は過ぎていた。義兄とこの5年間いつも一緒にいたせいか気づかないうちに「寂しい」と思ってしまったらしい。俺の心情はどちらかというと母の方がよく分かっているらしい。

「今まで離れたことがないから、違和感があるんです。心配させてしまってすみません」

母が俺に近寄ってギュッと抱きしめる。母はいろんな花の香りがして落ち着く。きっと庭園へ行って帰ってきたばかりなのだろう。

「大丈夫よ。ママも初めてパパが戦争に行った時、同じ気持ちになったの。きっとエドちゃんも同じ気持ちよ」

「あっ…」

「ナハトちゃんが元気じゃないとエドちゃん心配して学園を飛び出してきちゃうかも!」

「ははっ、それは困りますね」

本当に義兄ならやりそうで笑ってしまった。もしそうなったら、公爵家から出て行くなんて夢のまた夢の話だろう。なら、義兄が不安にならないくらい元気な姿を見せないといけないな。

(俺の目標は義兄が帰ってくる前に旅にでる力をつけること)
感想 14

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