主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい

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光の国に転生した闇属性の俺!?

7)兄と勉強

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「さあ、行こうかナハト」

そう言って両手を広げる兄。これは「抱っこ」の合図だ。俺はもう3歳、どこまでも歩いていきたい盛りだ。

「おにいしゃま、ぼくあるく」

「ナハトの足が疲れちゃうでしょ?じゃあ廊下にいる時だけでいいからお兄様に抱っこさせてくれないかな?」

「ううん。わかった、ろーかだけね」

俺は諦めて兄の手の中に収まる。兄の腕の中は安心感がある。兄は10歳でまだまだ子供なのにすごく大人っぽい。この世界は12歳から学校に通い始めるのだが、兄は中等部の勉強を既にもう終わらせている。

(その上で領地経営の勉強もしてるとか化け物すぎる)

「さ、ついたよ。これがナハトが欲しがってた闇属性の魔導書だよ」

「あいがと、おにいしゃま」

「ナハトのためならこれくらい安いものだよ」

キラキラとした王子様スマイルで今日も俺の目を潰しに来る。この兄自分の顔の良さをそれはよく理解している。この笑顔で山ほどの令嬢を虜にしている。稀に令息も含まれてるのが不思議だが。

このまま兄を見ていると失明してしまうため魔導書に目を移す。魔力の流れ、使い方などは基礎として父や母、兄にも教えてもらったが、闇属性がどんな魔法を使えるのかなどは決して教えてくれなかった。正直嬉しすぎる。

(少し絵本っぽいけどを分かりやすいな)

内容はうっすいがサラッと闇属性の事が書かれている。

ー闇属性は多くの魔力を保有している

ー影との親和性が高く、夜と相性がいい

ー魔力が多いだけに暴走しやすい

「おにいしゃま、ぼくってまりょく多いの?」

「そうだね。魔力の量だけなら僕よりも多いんじゃないかな」

「え!そうなの!?」

「だけど、使いこなすこと自体が難しいから沢山持ってても持て余すことが多いんだ」

「…」

(なるほど。確かに俺は一度も魔法を使ったことがない。それは魔力を外に出せていない証拠だ)

兄は3歳の頃には魔法を発現させていたらしい。小さな光だったらしいが出すだけは簡単、その上兄はその光を操っていたらしい。何度も言うが兄は主人公補正がかかってるのか何もかもが化け物なのだ。

また本に目を落とす

ーまた、呪いや禁術なども闇属性と関わりが深いとされている

ーそのためーー性ーーかーーわれーーのー象
にされることも歴史として少なくない

「おにいしゃま、ここなんて書いてあるの?」

「ああ、インクが染みて見にくくなっているね。でもここの部分はナハトが知る必要が無いところだよ」

「ふーん」

インクに染みた部分に何が書いてあるのか気になったがそれよりも気になるものが見えた。

ー闇属性は影に身を隠すのを得意とし、防御能力も高い

(なんかスパイみたいで格好いい!!)

魔導書に夢中で兄が俺に何かを隠そうとしていることを俺はその時気づくことはなかった。


ーー

「こんなもの、ナハトに見せる訳にはいかない」

そう言ってエドワードは本の上にインクを垂らしていく

ー闇属性は国から追われ処刑の対象とされることも歴史として少なくない

「大丈夫だよ、ナハト。君を害するものはお兄様が全て消し去ってあげるからね」
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