主人公の義弟兼当て馬の俺は原作に巻き込まれないためにも旅にでたい

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光の国に転生した闇属性の俺!?

33)友達ゲット?

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「ど、どうしたら彼らの魔法が解けるでしょうか」

俺は今めちゃくちゃに焦り倒している。一国の王族に対して無意識とはいえ禁忌的な魔法を使ってしまったのだ。こんな事で一生を終えたくなんてない。

「じゃあ僕が彼らの魔法を解きましょうか」

「そんなことができるのですか!?」

「うーん、解くって言うより相殺するって言った方が正しいかもしれない。光と闇はお互いに打ち消し合うから多分この子達にも効くと思うよ」

もう少し先にそれを教えて欲しかった。義兄が何故あんなに落ち着いていたのか納得だ。

義兄はスっと客人たちに手を伸ばす。指先にポウッと淡い光が現れ、周りを彼らの周りを光が包み込む。すると、少し虚ろだった彼らの瞳が正気に戻り始めた。

「…んん、なんか少し頭がボーッとしていた気がします」

「でも悪い気はしませんでしたわ」

「確かに悪い気はしなかったな!!なんか暖かいものに心をわしずかみにされたような気分だ!!」

「これはもしかして君の魔法かい?」

まだ状況を理解できていないのが大半であるのに対し流石王太子殿下。すぐに魔法だって言うことに気がついたらしい。

(ななな、なんて言えばいいんだ!?!?)

嘘をつけばバレた時のリスクが高くなり、本当のことを言えば即刻処罰の可能性がある。

「まだ、周りの魔法は解いていません。貴方たちだけを解いたのはナハトが貴方たちと友になりたいと望んだからです。つまり、今から話すことは他言無用という事になります。聞かずに帰るのも今なら可能です」

なんだかんだ言って義兄は俺が友を作ることに対して否定的ではあるものの協力してくれる。俺が悩んでいる間にも1つ2つと解決策を見つけ出してしまうのだ。おつむの強さが違いすぎるだろう。

「こんな面白そうな話聞かずに帰るなんて出来るわけが無いでしょう」

「僕も…是非聞きたいです」

「ナハトと友達になれんだろ!!なら帰らねぇよ!」

「私もですわ」

「皆さん…」

優しい…胸がジーンとする。そういえばまだ今世では家族以外の友人がいなかった。家族がいるから大丈夫と思っていても心の奥底では少し友達が居なくて寂しかったのかもしれない。義兄には沢山友達がいるのに俺にはなんで居ないんだって。

「では皆さん、この部屋に防音魔法をかけますのでお連れになった護衛の方々を一時的に部屋の外に出していただけますでしょうか」

「そして、話を聞いた皆様には他言出来ぬよう魔法契約を結ばせていただきます。皆さん、同意して頂けますか?」

父と義兄が元々こういう風にするのを知っていたかのようにスムーズに事が進む。『魔法契約』とは魔法によって身体に制約をかけること。例えば今回の場合は『俺が魅了魔法を使った』という事実をここのメンバー以外の前では話すことは出来ない。話そうとすれば声が出なくなり、一時的に魔力も奪われる。

魔力が奪われる…それはこの魔法の世界では少しの間とはいえ死活問題だ。こんなリスクのある契約に彼らが頷いてくれるだろうか?



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