異世界で生きていく。

モネ

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第三章の話

マリン祭の準備

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そして、次の日も片付けなど街中がタイフーンの後の処理に追われた。
今回のタイフーンでは早めにみんな動いたこともあり、死人やケガ人はいなくてみんな安心した。
そして片付けが終わればマリン祭の準備だ。
マリン祭の準備は街中のみんなが活気付く。

私は宿の手伝いということで、宿のこともやるのだが、宿からマリン通りへ露店を出すのでその準備も手伝っている。

ジェイドさんもマリン祭の準備やタイフーンで壊れた箇所の修理の手伝いをしていて、よく私のところに顔を出してくれる。
最初はグイグイだから苦手だったけどすごく優しくて良い人だ。
レンさんはまだ北から帰っていない。
あちらの方が人手不足だから大変らしい。

「ケイさん、露店の準備できました。すごくおしゃれな感じになりましたよ、少し飲食できるスペースもあって。」
「ありがとうございます。お疲れ様です。あとで私も見に行ってみますね。」
露店ではドリンクとちょっとしたおつまみのようなものとお弁当販売がある。
露店横で飲食できるようにとイートインスペースもあるのだ。
「他にもたくさん露店が並んでました。いつもと違う感じで本当にお祭りですね!露店はお祭りの日からですか?」
「マリン祭の時からでもいいのですが、だいたい準備ができたところから開店していくんですよ。なのでマリン祭の数日前からあいてます。だからどんどん賑やかになってきますよ。」
「わぁ、楽しみです!」
「そうですね、うちの露店は今夜からオープンとなります。もしよければ今夜から露店手伝いをしてみますか?私も行きます。」
「いいんですか?是非!!楽しみです!」

夕方になり、露店オープンになった。
私もシャツに黒いパンツに黒いエプロンをして立った。
ケイさんも少しいてくれるらしくエプロンをしている。
「さぁ、オープンです。よろしくお願いします。」
「はい!」
あとは2人の宿の従業員の方で、露店を始めた。
露店はちらほらオープンしているところがある。
串焼き屋さんや、ドリンクのお店。
お弁当を売っていたり、スイーツのお店もある。
夕方だから街はオレンジ色になり、所々にランプが吊るされていて良い雰囲気だ。

遠くから音楽も聞こえてくる。誰か楽器で演奏しているのだろう。
チラホラとお客様も来てくれて賑やかだ。
レンさんは今日も帰らないのだろうか。
北の方が忙しいんだろうな。

「モエ」
「あっ、ジェイドさん!お疲れ様です。お仕事終わったんですか?」
「あぁ、今日から露店やってるって聞いて来てみた。」
「はい!さっきオープンしました!」
「今日の夕飯はここで食おうかな。」
「是非!お先空いてますからどうぞ。」
ジェイドさんを案内した。
「何にしますか?」
「んー、ビールとこのおつまみセットにするよ、あと腹減ってるからな。この海鮮マリンライスも。」
「はい!お待ちします!」
準備をしてジェイドさんのところへ持っていく。
「お待たせしました。」
「ありがとう!」
「ジェイドさんも朝からこんな時間まで大変ですね。」
「いや、俺は手伝いだしな。ギルドから出てるから報酬もあるし。あー!やっぱりこの働いた後のビール最高だな。」
「あまり無理しないようにしてくださいね。」
「あぁ、ありがとう。モエはここ何時までだ?」
「私は8時までです。他の従業員の方が最後までされるそうで、私はお手伝いなんでその時間まででとケイさんに言われてます。」
「そうか。ならそれまでここで飲んでるよ。一緒に帰ろう。夜道1人は危ないからな。」
「ありがとうございます。」
ジェイドさん優しいな。

「モエさん。私はそろそろ宿に戻りますね。あっジェイドさん。お疲れ様です。」
「お疲れー、良い露店だな。」
「ケイさん、わかりました。ありがとうございます。」
「ありがとうございます。皆さんのおかげで無事に露店を出すことができました。ジェイドさんも楽しんでくださいね。モエさん帰りは大丈夫ですか?」
「はい、ジェイドさんが待っててくれて一緒に宿へ戻ります。」
「そうですか、わかりました。では失礼しますね。あもはよろしくお願いします。」
「はい!お疲れ様です。」

ケイさんは宿のダイニングや受付と仕事がたくさんあるので戻って行った。

8時になり仕事を終えてジェイドさんと宿までの道を歩く。
まだ賑やかな街はお酒を飲んでる人や音楽に合わせて踊っている人がいたりもうお祭り気分で楽しそうだった。

「本当賑やかな街だよな、マリンは。」
「ジェイドさんの街はどんな感じなんですか?」
「んー、確かに賑やかではあるな。マリンとよく似てる。だから楽しいよ。いつか来てくれ。」
「はい!是非!」
「あっ危ねぇ!」
「えっ?」
踊っている人が私にぶつかりそうになったのをジェイドさんが庇ってくれた。
「あっ、すみません。」
「いや、大丈夫か?」
庇ってくれるためにグッと引っ張られ抱きしめられるかたちになった。
ジェイドさんは背が高くてがっしりしていて
スッポリと埋まってしまった。
「あっ、ありがとうございます。すみません。見てませんでした。」
「いや、仕方ない。モエは小さいな。このまま連れ去りたくなる。」
「えっ?」
ジェイドさんがなんかボソっと言ったけどまわりの音で聞こえなかった。
「あっ、いや。俺が外側歩くからモエはこっち。」
「ありがとうございます。」
2人で宿に戻った。
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