陽のあたる場所

崩壊の序曲

崩壊の序曲7

「…っ!!

そんなの分かってるよっ!!

でも別に俺が決めたワケじゃねぇよ!!

そいつが自分で病院を断っただけだよ!!自分の意志で決めたんだよっ!!」


「でも先生がいいって言うまでちゃんと通った方がいいんじゃないの？」


「そんな事ねぇよ!!

だいたい病院なんて通い続けてるヤツの方が薬断てずに苦しんでたりもするんだよっ!!

どんどんどんどん薬が増えて、薬がなくちゃ生きていけなくなっているヤツを俺は見ている!!

真央だって病院も薬も断ってからの方が元気になってるんだよっ!!」


「それは危険ね。真央も勝手に行かなくなってしまったら再発の危険もあるわよ？

だって先生が必要だと思うから…

ちゃんと必要なお薬だから処方するんでしょ？」


「先生が全て正しいワケじゃねぇよ。

カウンセリングをまともにせず薬ばっか渡すクソみてぇな病院だってあるんだ。

カウンセリングだって合う合わないがある。

合わないカウンセラーのカウンセリングを受けても余計悪くなっていく事だってあるんだよっ!!」


「でも幸子よりもちゃんと知識のある専門家よね？」


「だからなんだよ!?

知識や理屈並べるだけでもし患者の心を考えられないような先生だったら行く意味がねえ!!」


……そうだ

以前友人のタカにこう言われたっけ…

『そのカウンセリングしてくれる先生って

フクみたいな人じゃないんだろ？』



「…例えば鬱病のカウンセラーならば

せめて鬱病になったことのある先生じゃなきゃその患者の気持ちなんて分かるわけねぇんだよっ!!」