陽のあたる場所3

こたろ

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桜ノ雨

桜ノ雨19

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篤史の義父の兄弟の話は以前から聞いていた…。

義父は四兄弟の長男で、その下に妹、更に2人の弟がいて……

昨年亡くなった三男の叔父さんと自殺した叔母さんの間の二男は、

二十代の頃に樹海で自殺したと聞いていた……。


どうやら樹海まで行って、自分が死んだ痕跡を遺す為に敢えて自分の身分証を持って行ったようで……

首吊り自殺した現場には、身分証が落ちており、その後の調べでバスで樹海まで行ったことが判明したようだ……。


篤史の義父はそんな弟の死に哀しさと悔しさと怒りと……

きっといろいろな感情を持ったに違いない……。



その上で、篤史には冷静にこう話していたようだ。


『俺は自殺する奴は嫌いだ。何の解決にもならない!死んだら負けだ!』


篤史の義父の発言は、極端だけど……

以前松◯人志も同じような発言をして、賛否両論となっていた……。


私は義父の発言もまた正論だと思うし、だからこそ、その妹である叔母さんが自殺した事は

あの世にいる義父からしたら、きっと悔しい事だろう……。


だけど…四兄弟のウチ、自分以外の3人が亡くなり、身寄りが他人である篤史しかいなくなってしまった叔母さんの心情を考えると……

自殺したくなる気持ちも分からなくはない……。


どんなに可愛がっても、結局篤史は一切血の繋がりもない他人だから………。



それでも……


どんな他人であろうと、どれだけ矛盾していようが、

自分が愛する人には"生きて欲しい"と願うのものまた人間の本能なワケで………





「篤史、そんなこと分からないよっ!

明日会ったら、何か奇跡が起きるかもしれないしっ!!

とにかく明日は絶対に会おうねっ!!!」
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