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4.見習い使い魔
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「じゃ、あとお願いします」
綾は電話を切った。
病院の近くの公園は、日が落ち始めているせいか、人通りはほとんどなかった。
初めて来たが、思ったよりも広い公園で、詩織先生の話だと、昼は入院中の患者さんや、お見舞いの方達が、のんびり時間を過ごす憩いの場所となっているのだそうだ。
公園の池の周りを、犬を連れた女性が歩いているのが見える。日が暮れる前に家に帰りたいのか、かなりの早足だ。ベンチに座るカップルも何か囁きながら、腰を上げ始めていた。
夕陽に照らされながら、綾と2人でベンチに座り、詩織先生の容態と選挙について話しをした。よせばいいのに、綾は詩織先生が立候補すると聞いて、いらないやる気を出し始めている。
「弓月さんなんて言ってた?」
「魔法協会に直接話を聞いてみるって。そもそも会長が要請してきてるんだから、どうにかなるだろうって」
綾が電話をした相手は和喜魔具の社長、弓月さんである。詩織先生と懇意で、魔術全般に詳しい、サークルOBの頼れる兄貴だ。綾とは幼馴染で、兄のような存在だといつかどこかで言っていた。
年齢は30そこそこで、何度か話したことがあるのだが、会社を経営するだけあり、論理的に思考するタイプの人だ。綾に言わせれば、詩織先生門下で1番頼りになる存在であるのだとか。
「とりあえず、弓月さんの調査待ちだな」
「私の方でも、ホームページで選挙のこと見直してみる」
「あのホームページか。どこに何が書いてあるのかよくわからんのだが」
朝品さんと見た、選挙のページには、いまだにたどり着けていない。鍋の中に魔法の話しを放り込み、思いつくままに、ニュースやらお知らせやらを投げ入れて、コトコト煮込む闇鍋状態のサイトだ。
「書いてある事が多すぎるのよ。前に一晩かけて読んだけど、結局読み終わらなかったから」
「整理整頓が苦手なんだろ」
「選挙のことも、探せばもっといろんなことが出てくると思うのよ」
病院で詩織先生の立候補の話を聞いてから、綾の眼は無駄にキラキラしている。
どうやら、面倒事からは逃れられない運命にあるようだ。秋葉原魔法協会とやらの会長に誰がなろうと興味は無いのだが、綾が何かやると言うのなら、必然的に僕は強制参加ということになる。
弓月さんから色々と聞きだしたらしく、綾は滔々と今後の作戦について一方的にまくし立ててきた。僕が言えることがあるとしたら、それは、そんな綾もかわいいと言う一言だけである。
「あ、もうこんな時間」
「結局、夜になっちゃったな」
公園の電燈に明かりが灯り始めた。病院の姿は黒い影へと変わり、部屋の黄色い明かりだけが、空に浮いているように見えた。
僕としては、もう少し話していたい気もするが、ここは紳士的に家に帰ることにした。
2人で公園の中を、駅に向かって歩いていると、綾が突然歩みを止めた。
頭を空に向けて月を仰ぐ。
「呼ばれている気がする」
唐突にそんなことを口にすると、公園の暗がりめがけて走り出した。
「どこ行くんだ?」
僕も慌てて綾の後ろ姿を追っていく。夜の公園を舞い飛ぶ黒い揚羽蝶。綾の黒い服と公園の暗さが重なり合い、ひとつに溶けていくようだった。
マラソンのゴールはおそらく綾にも分かっていないように思える。というより、絶対適当に走り回ってるに違いない。理由を考えたら負けなので、頭を空っぽにして走り続ける。
綾はひとしきり走った後、公園の植え込みの前で歩みを止めた。
「ここから声がする」
「声?」
息を切らしながら、暗がりの植え込みに目を凝らす。誰かいるようには思えないが。
綾は膝をつくと、地面に顔をつけ、植え込みの下を覗き込んだ。
「ニャア」
植え込みの奥から、微かにネコの鳴き声が聞こえた。
「子ネコ?」
僕も綾の横に膝をつき、一緒に植え込みの下を覗き込む。かすかな声がした方を凝視すると、奥に黒い子ネコが枯葉の上に座り込んで、ニャアニャア鳴いている姿を見つけることができた。
「なんだ、あれ?」
よく見えないが、子ネコの前で、もっと大きな黒い物体が、ゆっくりと大きく上下に動いているのが見えた。
綾がぽつりと呟く。
「この子が助けてって言ってる」
助けて?ただ鳴いているようにしか思えないが。って、ちょっと待て。
綾は汚れるのも構わずに、植え込みをかき分けようとした。
「慌てるな。そういうのは俺がやるから」
綾の腕を掴んで引き止める。汚れるのが分かっている場所に、綾を行かせるわけにはいかない。
代わりに植え込みを力技で掻き分けていく。誰かに見られたら、植木虐待の罪で訴えられそうだ。
近づいていくと、子ネコは逃げもせずに、僕を見て、ニャアニャア鳴いた。何かを必死に訴えているかのようだった。
「あれ?」
僕は子ネコの前にいる黒い物体の正体に気がついた。
「大きいネコがもう1匹いるぞ」
子ネコの横には、母ネコらしき黒い大きなネコがうずくまっていた。
その時、僕はあることに気がついて息をのんだ。
大きな黒ネコの体には、深々と矢が突き刺さっていたのだ。
◯
「全くひどい奴がいるものね!」
僕達は大学の学食で一緒に昼食を食べながら、お見舞いに行った日の話しをしていた。
結局ネコは、放っておくわけにもいかず、僕と綾で動物病院に連絡した。
動物病院の先生は、矢で貫かれたネコを見ると怒りの形相にかわり、すぐに手術に踏み切ってくれた。
その先生の話だと、病状はかなり悪く、生きるか死ぬかは保証できないと、はっきり言われてしまった。
あとはネコの生命力を信じるしかなく家へ帰ったが、自宅に着いたのは夜中の2時をまわっていた。
「子ネコのほうは、どうしているんだ?」
子ネコは幸い元気いっぱいだったので、綾が家に連れて帰っていた。
親ネコと離れるのに抵抗してニャアニャア鳴いていたが、綾が子ネコに今の状況を説明すると、自信満々に言ってのけたので、任せてしまった。
「仕方がないから、親ネコが回復するまで私の方で預かることにするわ」
「それで問題ないならまかせるが」
それにしても、ひどい奴が居るものだ。ネコを弓矢で追い回して楽しんでいる奴がこの町にも存在するのだ。テレビの中の他人の出来事と思っていたのだが、恐ろしい世の中になったものである。
「あの子、しばらくは私のお手伝いね」
「お手伝い?」
「そう、私の見習い使い魔として働いてもらうことにしたから」
どうやらネコの手を借りたいらしい。
「使い魔って一体何をするんだ?」
「私を守ったり、私の代わりをしたり、私のサポートをしたり、いわば雑用全般ね」
「そんなことできるのか?」
「昨日話した限りじゃ、なかなか優秀な子よ。心配いらないわ」
真夜中の丑三つ時に、今後のお仕事について、子ネコとこんこんと話合う綾の姿を想像してしまった。
子ネコも厄介な奴に拾われたものだ。とは言え、綾は意外と面倒見のいいやつなので、安心して任せられるのではあるが。
「そうそう、今度の土曜日だけど、私と弓月さんで秋葉原魔法協会に行くことになったから」
「秋葉原魔法協会って、詩織先生が選挙に出るって言ってたやつだよな」
「立候補者を集めて、説明会をするそうよ」
「詩織先生、入院してるから出られないじゃないか」
「弓月さんの話だと、代理人を立てればいいんだって」
「代理人?」
「そう。本人がいなくても問題はないって」
「魔法を見せるとかいう話は?」
「魔法は候補者が用意する必要があるけど、呪文を唱えるのは、代理人でも問題はないそうよ」
なんだかずいぶん簡単な話だが、現実はこんなものか。
綾は電話を切った。
病院の近くの公園は、日が落ち始めているせいか、人通りはほとんどなかった。
初めて来たが、思ったよりも広い公園で、詩織先生の話だと、昼は入院中の患者さんや、お見舞いの方達が、のんびり時間を過ごす憩いの場所となっているのだそうだ。
公園の池の周りを、犬を連れた女性が歩いているのが見える。日が暮れる前に家に帰りたいのか、かなりの早足だ。ベンチに座るカップルも何か囁きながら、腰を上げ始めていた。
夕陽に照らされながら、綾と2人でベンチに座り、詩織先生の容態と選挙について話しをした。よせばいいのに、綾は詩織先生が立候補すると聞いて、いらないやる気を出し始めている。
「弓月さんなんて言ってた?」
「魔法協会に直接話を聞いてみるって。そもそも会長が要請してきてるんだから、どうにかなるだろうって」
綾が電話をした相手は和喜魔具の社長、弓月さんである。詩織先生と懇意で、魔術全般に詳しい、サークルOBの頼れる兄貴だ。綾とは幼馴染で、兄のような存在だといつかどこかで言っていた。
年齢は30そこそこで、何度か話したことがあるのだが、会社を経営するだけあり、論理的に思考するタイプの人だ。綾に言わせれば、詩織先生門下で1番頼りになる存在であるのだとか。
「とりあえず、弓月さんの調査待ちだな」
「私の方でも、ホームページで選挙のこと見直してみる」
「あのホームページか。どこに何が書いてあるのかよくわからんのだが」
朝品さんと見た、選挙のページには、いまだにたどり着けていない。鍋の中に魔法の話しを放り込み、思いつくままに、ニュースやらお知らせやらを投げ入れて、コトコト煮込む闇鍋状態のサイトだ。
「書いてある事が多すぎるのよ。前に一晩かけて読んだけど、結局読み終わらなかったから」
「整理整頓が苦手なんだろ」
「選挙のことも、探せばもっといろんなことが出てくると思うのよ」
病院で詩織先生の立候補の話を聞いてから、綾の眼は無駄にキラキラしている。
どうやら、面倒事からは逃れられない運命にあるようだ。秋葉原魔法協会とやらの会長に誰がなろうと興味は無いのだが、綾が何かやると言うのなら、必然的に僕は強制参加ということになる。
弓月さんから色々と聞きだしたらしく、綾は滔々と今後の作戦について一方的にまくし立ててきた。僕が言えることがあるとしたら、それは、そんな綾もかわいいと言う一言だけである。
「あ、もうこんな時間」
「結局、夜になっちゃったな」
公園の電燈に明かりが灯り始めた。病院の姿は黒い影へと変わり、部屋の黄色い明かりだけが、空に浮いているように見えた。
僕としては、もう少し話していたい気もするが、ここは紳士的に家に帰ることにした。
2人で公園の中を、駅に向かって歩いていると、綾が突然歩みを止めた。
頭を空に向けて月を仰ぐ。
「呼ばれている気がする」
唐突にそんなことを口にすると、公園の暗がりめがけて走り出した。
「どこ行くんだ?」
僕も慌てて綾の後ろ姿を追っていく。夜の公園を舞い飛ぶ黒い揚羽蝶。綾の黒い服と公園の暗さが重なり合い、ひとつに溶けていくようだった。
マラソンのゴールはおそらく綾にも分かっていないように思える。というより、絶対適当に走り回ってるに違いない。理由を考えたら負けなので、頭を空っぽにして走り続ける。
綾はひとしきり走った後、公園の植え込みの前で歩みを止めた。
「ここから声がする」
「声?」
息を切らしながら、暗がりの植え込みに目を凝らす。誰かいるようには思えないが。
綾は膝をつくと、地面に顔をつけ、植え込みの下を覗き込んだ。
「ニャア」
植え込みの奥から、微かにネコの鳴き声が聞こえた。
「子ネコ?」
僕も綾の横に膝をつき、一緒に植え込みの下を覗き込む。かすかな声がした方を凝視すると、奥に黒い子ネコが枯葉の上に座り込んで、ニャアニャア鳴いている姿を見つけることができた。
「なんだ、あれ?」
よく見えないが、子ネコの前で、もっと大きな黒い物体が、ゆっくりと大きく上下に動いているのが見えた。
綾がぽつりと呟く。
「この子が助けてって言ってる」
助けて?ただ鳴いているようにしか思えないが。って、ちょっと待て。
綾は汚れるのも構わずに、植え込みをかき分けようとした。
「慌てるな。そういうのは俺がやるから」
綾の腕を掴んで引き止める。汚れるのが分かっている場所に、綾を行かせるわけにはいかない。
代わりに植え込みを力技で掻き分けていく。誰かに見られたら、植木虐待の罪で訴えられそうだ。
近づいていくと、子ネコは逃げもせずに、僕を見て、ニャアニャア鳴いた。何かを必死に訴えているかのようだった。
「あれ?」
僕は子ネコの前にいる黒い物体の正体に気がついた。
「大きいネコがもう1匹いるぞ」
子ネコの横には、母ネコらしき黒い大きなネコがうずくまっていた。
その時、僕はあることに気がついて息をのんだ。
大きな黒ネコの体には、深々と矢が突き刺さっていたのだ。
◯
「全くひどい奴がいるものね!」
僕達は大学の学食で一緒に昼食を食べながら、お見舞いに行った日の話しをしていた。
結局ネコは、放っておくわけにもいかず、僕と綾で動物病院に連絡した。
動物病院の先生は、矢で貫かれたネコを見ると怒りの形相にかわり、すぐに手術に踏み切ってくれた。
その先生の話だと、病状はかなり悪く、生きるか死ぬかは保証できないと、はっきり言われてしまった。
あとはネコの生命力を信じるしかなく家へ帰ったが、自宅に着いたのは夜中の2時をまわっていた。
「子ネコのほうは、どうしているんだ?」
子ネコは幸い元気いっぱいだったので、綾が家に連れて帰っていた。
親ネコと離れるのに抵抗してニャアニャア鳴いていたが、綾が子ネコに今の状況を説明すると、自信満々に言ってのけたので、任せてしまった。
「仕方がないから、親ネコが回復するまで私の方で預かることにするわ」
「それで問題ないならまかせるが」
それにしても、ひどい奴が居るものだ。ネコを弓矢で追い回して楽しんでいる奴がこの町にも存在するのだ。テレビの中の他人の出来事と思っていたのだが、恐ろしい世の中になったものである。
「あの子、しばらくは私のお手伝いね」
「お手伝い?」
「そう、私の見習い使い魔として働いてもらうことにしたから」
どうやらネコの手を借りたいらしい。
「使い魔って一体何をするんだ?」
「私を守ったり、私の代わりをしたり、私のサポートをしたり、いわば雑用全般ね」
「そんなことできるのか?」
「昨日話した限りじゃ、なかなか優秀な子よ。心配いらないわ」
真夜中の丑三つ時に、今後のお仕事について、子ネコとこんこんと話合う綾の姿を想像してしまった。
子ネコも厄介な奴に拾われたものだ。とは言え、綾は意外と面倒見のいいやつなので、安心して任せられるのではあるが。
「そうそう、今度の土曜日だけど、私と弓月さんで秋葉原魔法協会に行くことになったから」
「秋葉原魔法協会って、詩織先生が選挙に出るって言ってたやつだよな」
「立候補者を集めて、説明会をするそうよ」
「詩織先生、入院してるから出られないじゃないか」
「弓月さんの話だと、代理人を立てればいいんだって」
「代理人?」
「そう。本人がいなくても問題はないって」
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