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サトリ編
001 異変に気付く
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当たり前の様に、朝起きて。
当たり前の様に、家族と話して。
当たり前の様に、ご飯を食べて…
当たり前の様に過ぎる毎日。
毎日を「生きている」、そう感じていた。
…だけどある日、既に「自分は死んでいた」と知ったら?
死して命を授かったと知ったら…?
その授かった命で、願いが一つ叶うとしたら…?
僕は、何を願う?
ある朝、ここは人の溢れる街。
人や車が交差する数、建造物の数、交通手段の数、ありとあらゆるものが多いこの大都会。
静まりを知らぬ大都会から少し離れた場所に、閑静な住宅街が存在する。
そして…住宅街の一角にある【神木間(カミキマ)寺】と呼ばれる寺が、この物語の主人公が住む家だ。
寺の隅に建つ、外観は木造の大きな家。
そんな家に住む一人の青年が家を出発する所から物語は始まる。
青年の名前は【神木間 翔太郎(ショウタロウ)】、この寺の住職の息子である。
深緑色の短髪に、前髪は長めで右目がちょっぴり被るくらい。左目はちゃんと見えるように、前髪は分けている。
翔太郎の普段の表情から、穏やかな性格が伺える。
どう見ても普通の青年だが、彼には特異な体質があった。
翔太郎が近くのバス停で待っていると、ある物を目にする。
道路の真ん中に体の透けた『幽霊』が存在し、翔太郎はそれが見えるのだ。無数に走り交う車と車の間に、下部が透けた霊体が浮く。こちらをまじまじと見つめる幽霊に、翔太郎は思わず苦笑。
(なんか…幽霊に凄く見られてるな…)
日常茶飯事なのか翔太郎は気に留めず、その幽霊から目を逸らした。
そして小説のお決まりかの様に、自己紹介が始まる。
(僕の名前は神木間翔太郎、大学生です。お寺の長男で、悲しい事に生まれた時から幽霊が見えてしまいます。この寺は霊能家系ではありませんが、父が霊能家系の神社の出なので霊能者なのです。
幽霊は一般の人には見えないので、僕達の様な見えてしまう人に幽霊は寄ってきてしまう様です。だから基本は気づかれないようにしています。補足説明をしますと、『幽霊』は普段から人間の生活に紛れ込んでいます。『普通の人』には見えないだけで…。)
すると同時に、自分の隣に謎の生物を発見する。
見た目は動物なのだが、耳の形や尻尾の形、現実離れした青い毛並みなどから未確認生物である事を知る。
しかも自由に走り回るが誰に目にも留まっておらず、誰にも見えない生物だと言う事もわかる。
(最近、僕は幽霊以外の『謎の怪異』も見えるようになりました。きっかけはわかりません、『僕が変わった』のでしょうか?)
翔太郎は到着したバスに乗り込み、街の景色を眺めた。どこも幽霊や謎の怪異がおり、人々はそれを気にも留めずに生活をしている。見える自分にとっては不思議な光景であった。
やがてバスは目的地に到着し、翔太郎はスマホで支払いを済ませてバスを降りた。一瞬だけ映る翔太郎のスマホのホーム画面は六人映った家族写真。両親と翔太郎と、翔太郎によく似た少年、小さな少女。そしてそれらの五人にも似てもつかない少年が一人。一般の大学生が家族をホームにするのは珍しい事である。この画面には何か秘密がありそうだ。
翔太郎は大学へ向かう道を歩いていると、いつも見る街並みに異変を感じていた。
大学方面に、水道管でも破裂したのか大量の水が大空まで吹き上げているのだ。空には綺麗に虹がかかっており、翔太郎は首を傾げた。
(わあ、綺麗な虹。水道管でも壊れたのかな?…大学じゃないといいけど。)
呑気にもそう思っていると、翔太郎は一人の青年を見つけて足を止めた。
黒い髪をした短髪、見た目は筋骨隆々の体育会系の男性だ。体育会系の見た目ではあるが、表情は涼しい顔で落ち着き払っている。
そして紙パックの牛乳にストローを挿して飲んでいた。
「【ケン】くん、おはよう。」
翔太郎に呼ばれたその男性は、気づいた顔をして翔太郎の方へ駆け寄ってきた。どうやら二人は知り合いのようだ。
「部長、大変なんです!見えるでしょう、あの噴水が。アレはうちの大学から出ていて、噴水が…」
「噴水が?」
翔太郎が聞くと、ケンはちょっと気になるくらいのチュウチュウ音をストローから出しながらシリアスな表情で言う。
「噴水が人を襲っているんです。…水が何もない所から出てきて…まるで見えない何かがいるように…!」
どうやってチュウチュウ音と同時に喋る事が出来るのだろうか。翔太郎は音に苦笑していたが、話を聞いて目を丸くした。
「噴水で人を…?噴水が人を…?え?」
考えれば考えるほど意味が理解できず、翔太郎は疑問符を連呼する。しかしそれはスルーでケンは話を続けた。
「噴水の噴射スピードはとてつもないものです。当たれば壁や地面に叩きつけられ、無事では済まされません。」
ケンの説明に納得した翔太郎だが、信じきれない気持ちが収まらない。
(何もない所から噴水が出ていて、それが意図的に人を襲っているって言う事だろう…。「見えない何か」と言ったら、真っ先に幽霊が思い浮かぶけど…。だけど幽霊は水などの自然物を出現させる能力はないはずだ。
これは幽霊以外の仕業か…?)
翔太郎がそう言っていると、ケンは噴水を遠く見つめて言う。
「まるで…半年前の【百妖災(ヒャクヨウサイ)】ですね。」
その言葉に、翔太郎は心当たりがあるのか反応を見せた。
当たり前の様に、家族と話して。
当たり前の様に、ご飯を食べて…
当たり前の様に過ぎる毎日。
毎日を「生きている」、そう感じていた。
…だけどある日、既に「自分は死んでいた」と知ったら?
死して命を授かったと知ったら…?
その授かった命で、願いが一つ叶うとしたら…?
僕は、何を願う?
ある朝、ここは人の溢れる街。
人や車が交差する数、建造物の数、交通手段の数、ありとあらゆるものが多いこの大都会。
静まりを知らぬ大都会から少し離れた場所に、閑静な住宅街が存在する。
そして…住宅街の一角にある【神木間(カミキマ)寺】と呼ばれる寺が、この物語の主人公が住む家だ。
寺の隅に建つ、外観は木造の大きな家。
そんな家に住む一人の青年が家を出発する所から物語は始まる。
青年の名前は【神木間 翔太郎(ショウタロウ)】、この寺の住職の息子である。
深緑色の短髪に、前髪は長めで右目がちょっぴり被るくらい。左目はちゃんと見えるように、前髪は分けている。
翔太郎の普段の表情から、穏やかな性格が伺える。
どう見ても普通の青年だが、彼には特異な体質があった。
翔太郎が近くのバス停で待っていると、ある物を目にする。
道路の真ん中に体の透けた『幽霊』が存在し、翔太郎はそれが見えるのだ。無数に走り交う車と車の間に、下部が透けた霊体が浮く。こちらをまじまじと見つめる幽霊に、翔太郎は思わず苦笑。
(なんか…幽霊に凄く見られてるな…)
日常茶飯事なのか翔太郎は気に留めず、その幽霊から目を逸らした。
そして小説のお決まりかの様に、自己紹介が始まる。
(僕の名前は神木間翔太郎、大学生です。お寺の長男で、悲しい事に生まれた時から幽霊が見えてしまいます。この寺は霊能家系ではありませんが、父が霊能家系の神社の出なので霊能者なのです。
幽霊は一般の人には見えないので、僕達の様な見えてしまう人に幽霊は寄ってきてしまう様です。だから基本は気づかれないようにしています。補足説明をしますと、『幽霊』は普段から人間の生活に紛れ込んでいます。『普通の人』には見えないだけで…。)
すると同時に、自分の隣に謎の生物を発見する。
見た目は動物なのだが、耳の形や尻尾の形、現実離れした青い毛並みなどから未確認生物である事を知る。
しかも自由に走り回るが誰に目にも留まっておらず、誰にも見えない生物だと言う事もわかる。
(最近、僕は幽霊以外の『謎の怪異』も見えるようになりました。きっかけはわかりません、『僕が変わった』のでしょうか?)
翔太郎は到着したバスに乗り込み、街の景色を眺めた。どこも幽霊や謎の怪異がおり、人々はそれを気にも留めずに生活をしている。見える自分にとっては不思議な光景であった。
やがてバスは目的地に到着し、翔太郎はスマホで支払いを済ませてバスを降りた。一瞬だけ映る翔太郎のスマホのホーム画面は六人映った家族写真。両親と翔太郎と、翔太郎によく似た少年、小さな少女。そしてそれらの五人にも似てもつかない少年が一人。一般の大学生が家族をホームにするのは珍しい事である。この画面には何か秘密がありそうだ。
翔太郎は大学へ向かう道を歩いていると、いつも見る街並みに異変を感じていた。
大学方面に、水道管でも破裂したのか大量の水が大空まで吹き上げているのだ。空には綺麗に虹がかかっており、翔太郎は首を傾げた。
(わあ、綺麗な虹。水道管でも壊れたのかな?…大学じゃないといいけど。)
呑気にもそう思っていると、翔太郎は一人の青年を見つけて足を止めた。
黒い髪をした短髪、見た目は筋骨隆々の体育会系の男性だ。体育会系の見た目ではあるが、表情は涼しい顔で落ち着き払っている。
そして紙パックの牛乳にストローを挿して飲んでいた。
「【ケン】くん、おはよう。」
翔太郎に呼ばれたその男性は、気づいた顔をして翔太郎の方へ駆け寄ってきた。どうやら二人は知り合いのようだ。
「部長、大変なんです!見えるでしょう、あの噴水が。アレはうちの大学から出ていて、噴水が…」
「噴水が?」
翔太郎が聞くと、ケンはちょっと気になるくらいのチュウチュウ音をストローから出しながらシリアスな表情で言う。
「噴水が人を襲っているんです。…水が何もない所から出てきて…まるで見えない何かがいるように…!」
どうやってチュウチュウ音と同時に喋る事が出来るのだろうか。翔太郎は音に苦笑していたが、話を聞いて目を丸くした。
「噴水で人を…?噴水が人を…?え?」
考えれば考えるほど意味が理解できず、翔太郎は疑問符を連呼する。しかしそれはスルーでケンは話を続けた。
「噴水の噴射スピードはとてつもないものです。当たれば壁や地面に叩きつけられ、無事では済まされません。」
ケンの説明に納得した翔太郎だが、信じきれない気持ちが収まらない。
(何もない所から噴水が出ていて、それが意図的に人を襲っているって言う事だろう…。「見えない何か」と言ったら、真っ先に幽霊が思い浮かぶけど…。だけど幽霊は水などの自然物を出現させる能力はないはずだ。
これは幽霊以外の仕業か…?)
翔太郎がそう言っていると、ケンは噴水を遠く見つめて言う。
「まるで…半年前の【百妖災(ヒャクヨウサイ)】ですね。」
その言葉に、翔太郎は心当たりがあるのか反応を見せた。
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