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ヨミ編
062 韻、虚ろに
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一方、翔太郎の方では。
とある商店街まで来ており、ビーグルになった要の兄が泡を吹いて倒れていた。ポチはそれについてコメントをする。
「どうやら魚の匂いで倒れたみたい。犬で追うのにも限界があるね。」
「本当に魚が駄目なんだね…。」
翔太郎が言うと、今度はビーグルでなくポチの妖の姿になる。要の兄はポチの肩の上に乗ると、ポチに言った。
〔韻の力の気配が消えた。これでは場所が特定できん。〕
「気配が消えた…?そんな馬鹿な…」
〔妖力を辿れないとなると、探す方法はない。一日帰ってこないようなら、警察にでも頼むんだな。〕
なんとも無慈悲な一言。翔太郎は二人の会話を聞きながら、冷や汗を浮かべて焦りを覚える。
「ま、待って…!気配が消えるって…どんな時なの?」
〔ふむ…。最もポピュラーな考えは、韻が死んだ場合だな。〕
その言葉に翔太郎は強いショックを受け、愕然とした。手先が震え始めると、要の兄は続ける。
〔そして二つ目は、妖力を封じられた場合。『封印』は霊力の専売特許だから、お前にもよくわかるだろう。〕
「『封印』…。どちらかというと、その力は父の方が得意で…僕はその下位互換の『結界』くらいしか…。」
理解に及ばない翔太郎を見兼ねた要の兄は、空かさず説明を加えた。
〔封印さえあれば、力や能力を封じる事が出来る。それだけではなく心や意識、そう言ったものまで封じる事が出来る。〕
「そ、そんな事が…!?じゃあ韻は、その二つのどちらか…」
〔最後に一つ、気配が消える条件が一つある。〕
要の兄が言葉を塞いだので、翔太郎は目を丸くした。
〔…それは自身が現在持っている力を上回る、全く違う属性の力を付与された場合。その場合は元持っていた力が上書きされる。消える事はないが、持っていた力はその付与された力を失わない限り使用が出来ない。〕
「…例えば…?」
〔翔太郎で例えるならそうだな…妖力を手に入れたのなら、霊力が一切使用出来なくなる。〕
「なるほど…。じゃあ韻はこの三つの内、どれかに当てはまると…。」
〔いいや、三つ目はほぼ無いに等しい…と言うか無理がある。韻の妖力が消えたという事は、韻は妖力以外の力で上書きされた事になる。しかし仮に妖力持ちの韻に、妖力を上回るほどの霊力を与えたとすれば…
…大抵の場合、双方の力が反発し合って身体が崩壊し朽ち果てる。〕
封印以外は絶体絶命である韻の状態を聞き、翔太郎は動揺を覚えていた。
「そ、そんな…!でも韻だって、少なからず霊力を持っているよ…!普通の人間と同じくらい。それでも韻はいつも元気じゃないか。」
〔韻の身体はポチとリンクした事で、妖力を受け付ける身体になっている。そして韻ほどの低レベルな霊力では、反発は最少で済む。だが仮に強い霊力を与えてみたらどうだ?拒否反応はその分強くなる。〕
その言葉に翔太郎は息を飲んだが、それでも冷静な表情で反論をする。
「でも…その理屈だと、力が上書きされる話は最初に話されていた考えと同義になります。だって絶対に亡くなってしまうんでしょう?」
〔その答えは簡単だ。人間は論外だが、反発の起きない体質の者もいる。例えば妖や幽霊の中にも、反発の起きない者がいる。私やポチとか、妖や幽霊ではないが星夜とかな。だが人間は誰であろうと反発を起こして死に至る。〕
翔太郎はその話にやっと納得を示すと、軽く溜息を吐いた。
「力が封印されている事を願います…。」
それらを黙って聞いていたレフとポチ。ポチは上の空ながら、心配した表情を浮かべていた。
「韻…」
そしてその日は、結局韻が見つからずに帰宅していた翔太郎。
既に夜の八時を超えた所で、辺りは真っ暗だった。翔太郎は寺の敷地内で、ポチとレフとナメクジと一緒にいた。翔太郎は落ち着かない様子で祈っている。
「韻…帰ってきてくれ…!」
〔韻のご両親はあまり心配していない様子だったね。まあ、元々韻は夜分遅くまで友達とサッカーの練習してるから仕方ないか。〕
「そうだね…。にしてもレフさんに要のお兄さんも…一緒に待っていてくれるんですか?」
翔太郎が聞くと、レフは真面目な顔で頷いた。
「はい!韻さんが心配ですもの…!翔太郎さん、こんな時こそ暗い顔をせずスマイルですよ!」
「~!」
ナメクジの様子は相変わらずなので、翔太郎は思わず苦笑。翔太郎は少し落ち着いたのか微笑んでその場でしゃがむと、三人に言った。
「なんだか、不思議な気分だな。もう僕は死んでいるのに…今もこうして毎日を送れている事。新しいお友達が出来て…不思議な縁も出来て。」
〔人外になら亡くなった事を知られてもいいって、結構ルーズな制約だよね。〕
ポチに言われると、翔太郎はふとある事を思い出して口に出す。
「ポチくんそう言えば。どうして制約の事だったり、僕の境遇を知っているの?」
翔太郎は今までの謎を聞いてみると、ポチは答える。
〔噴水事件が起きて、韻が学校途中に丁度そのニュースを見かけてさ。翔太郎さんの大学だからって、僕を代わりに向かわせたんだ。僕が来た頃には翔太郎さんは壁にめり込んでいた訳だけど…そこから全部聞いていたし見ていた。〕
それに翔太郎は苦笑して、笑いが引きつりながらも言った。
「そ、そう…?そっか…だからか…事件の後すぐに僕を再生してくれたの。」
〔うん。〕
するとレフは目を丸くしてポチに言う。
「再生の力…妖力を持つ者にしては随分と珍しい能力ですよね。」
〔そうだね。僕のレベルまで再生が行える妖は、他に一匹も存在しない。〕
「再生の分野は、霊力の方が得意なんですけどね。ですが再生の力を持つ霊能者も希少な存在…再生の力を持つ者が生まれるのは稀なんです。」
それを黙って聞いていた翔太郎は、やがて笑みを浮かべて言った。
「つまりポチくんは、ただでさえ霊能者でも珍しい部類の力を妖なのに持っている…本当に珍しい妖なんですね!」
「そうです!」
レフはそう言って笑う。翔太郎も関心の眼差しをポチへ向けていると、ポチは恥ずかしそうにして謙遜する。
〔でも、この力を手に入れたのも他の協力もあってだから…その…僕だけの力かと言ったら違うし…〕
「それでもポチくんの力ですよ!」
翔太郎に言われ、ポチは照れて視線を逸らすので精一杯だった。するとナメクジは何かに気づいたのか、急に姿をポチに変える。ポチはそれを見るとすぐにツッコミを入れた。
〔わかりにくいから僕以外になってくれる?〕
しかし要の兄は警戒した様子で言う。
〔強い霊力がこちらに近づいている。…でもなんだ、妖力も微かに感じる…。
まるで…〕
「まるで?」
翔太郎がそう言っていると、誰かが歩いてやってくる。明かりに照らされた顔を見て、翔太郎は目を剥いた。
それは韻だったのだ。韻は虚ろな目をし、瞳は光を帯びていない。こちらを睨んでいるようにも見える。
しかし翔太郎にとっては、そんな事は些細な違和感だった。それよりも先に、笑顔を浮かべて韻へ駆ける。
「韻!心配したんだよ!?」
そう言って翔太郎は韻の前まで来ると、韻は翔太郎ではない誰かをジッと睨んでいた。返事がない事にやっと翔太郎は違和感を感じると、韻は言う。
「退けよ、兄貴。」
「韻…?」
韻は翔太郎を押し退けると、三人の方を睨んだ。ポチは冷や汗を浮かべて言う。
〔ひ、韻…僕が二人になっているけど、片方は要の兄で…〕
と言った瞬間、韻は力を使った。しかしいつもの雷ではなく、紫色の光を帯びた霊能力だった。その光はレフを拘束し、地面へ叩きつける。まるで重力で全身を打ちつけられたようなレフ。
翔太郎は愕然として言う。
「韻…!それは霊能力…!」
「そうだよ…」
韻はそう言って、レフに一歩ずつ近づく。レフは強く地面に押さえつけられているせいか、苦しそうだった。韻はレフを見下し、そして憎しみの表情を浮かべて言う。
「観念しろ…『黄泉』。」
その言葉に一同が驚いたのは、言うまでもない。
とある商店街まで来ており、ビーグルになった要の兄が泡を吹いて倒れていた。ポチはそれについてコメントをする。
「どうやら魚の匂いで倒れたみたい。犬で追うのにも限界があるね。」
「本当に魚が駄目なんだね…。」
翔太郎が言うと、今度はビーグルでなくポチの妖の姿になる。要の兄はポチの肩の上に乗ると、ポチに言った。
〔韻の力の気配が消えた。これでは場所が特定できん。〕
「気配が消えた…?そんな馬鹿な…」
〔妖力を辿れないとなると、探す方法はない。一日帰ってこないようなら、警察にでも頼むんだな。〕
なんとも無慈悲な一言。翔太郎は二人の会話を聞きながら、冷や汗を浮かべて焦りを覚える。
「ま、待って…!気配が消えるって…どんな時なの?」
〔ふむ…。最もポピュラーな考えは、韻が死んだ場合だな。〕
その言葉に翔太郎は強いショックを受け、愕然とした。手先が震え始めると、要の兄は続ける。
〔そして二つ目は、妖力を封じられた場合。『封印』は霊力の専売特許だから、お前にもよくわかるだろう。〕
「『封印』…。どちらかというと、その力は父の方が得意で…僕はその下位互換の『結界』くらいしか…。」
理解に及ばない翔太郎を見兼ねた要の兄は、空かさず説明を加えた。
〔封印さえあれば、力や能力を封じる事が出来る。それだけではなく心や意識、そう言ったものまで封じる事が出来る。〕
「そ、そんな事が…!?じゃあ韻は、その二つのどちらか…」
〔最後に一つ、気配が消える条件が一つある。〕
要の兄が言葉を塞いだので、翔太郎は目を丸くした。
〔…それは自身が現在持っている力を上回る、全く違う属性の力を付与された場合。その場合は元持っていた力が上書きされる。消える事はないが、持っていた力はその付与された力を失わない限り使用が出来ない。〕
「…例えば…?」
〔翔太郎で例えるならそうだな…妖力を手に入れたのなら、霊力が一切使用出来なくなる。〕
「なるほど…。じゃあ韻はこの三つの内、どれかに当てはまると…。」
〔いいや、三つ目はほぼ無いに等しい…と言うか無理がある。韻の妖力が消えたという事は、韻は妖力以外の力で上書きされた事になる。しかし仮に妖力持ちの韻に、妖力を上回るほどの霊力を与えたとすれば…
…大抵の場合、双方の力が反発し合って身体が崩壊し朽ち果てる。〕
封印以外は絶体絶命である韻の状態を聞き、翔太郎は動揺を覚えていた。
「そ、そんな…!でも韻だって、少なからず霊力を持っているよ…!普通の人間と同じくらい。それでも韻はいつも元気じゃないか。」
〔韻の身体はポチとリンクした事で、妖力を受け付ける身体になっている。そして韻ほどの低レベルな霊力では、反発は最少で済む。だが仮に強い霊力を与えてみたらどうだ?拒否反応はその分強くなる。〕
その言葉に翔太郎は息を飲んだが、それでも冷静な表情で反論をする。
「でも…その理屈だと、力が上書きされる話は最初に話されていた考えと同義になります。だって絶対に亡くなってしまうんでしょう?」
〔その答えは簡単だ。人間は論外だが、反発の起きない体質の者もいる。例えば妖や幽霊の中にも、反発の起きない者がいる。私やポチとか、妖や幽霊ではないが星夜とかな。だが人間は誰であろうと反発を起こして死に至る。〕
翔太郎はその話にやっと納得を示すと、軽く溜息を吐いた。
「力が封印されている事を願います…。」
それらを黙って聞いていたレフとポチ。ポチは上の空ながら、心配した表情を浮かべていた。
「韻…」
そしてその日は、結局韻が見つからずに帰宅していた翔太郎。
既に夜の八時を超えた所で、辺りは真っ暗だった。翔太郎は寺の敷地内で、ポチとレフとナメクジと一緒にいた。翔太郎は落ち着かない様子で祈っている。
「韻…帰ってきてくれ…!」
〔韻のご両親はあまり心配していない様子だったね。まあ、元々韻は夜分遅くまで友達とサッカーの練習してるから仕方ないか。〕
「そうだね…。にしてもレフさんに要のお兄さんも…一緒に待っていてくれるんですか?」
翔太郎が聞くと、レフは真面目な顔で頷いた。
「はい!韻さんが心配ですもの…!翔太郎さん、こんな時こそ暗い顔をせずスマイルですよ!」
「~!」
ナメクジの様子は相変わらずなので、翔太郎は思わず苦笑。翔太郎は少し落ち着いたのか微笑んでその場でしゃがむと、三人に言った。
「なんだか、不思議な気分だな。もう僕は死んでいるのに…今もこうして毎日を送れている事。新しいお友達が出来て…不思議な縁も出来て。」
〔人外になら亡くなった事を知られてもいいって、結構ルーズな制約だよね。〕
ポチに言われると、翔太郎はふとある事を思い出して口に出す。
「ポチくんそう言えば。どうして制約の事だったり、僕の境遇を知っているの?」
翔太郎は今までの謎を聞いてみると、ポチは答える。
〔噴水事件が起きて、韻が学校途中に丁度そのニュースを見かけてさ。翔太郎さんの大学だからって、僕を代わりに向かわせたんだ。僕が来た頃には翔太郎さんは壁にめり込んでいた訳だけど…そこから全部聞いていたし見ていた。〕
それに翔太郎は苦笑して、笑いが引きつりながらも言った。
「そ、そう…?そっか…だからか…事件の後すぐに僕を再生してくれたの。」
〔うん。〕
するとレフは目を丸くしてポチに言う。
「再生の力…妖力を持つ者にしては随分と珍しい能力ですよね。」
〔そうだね。僕のレベルまで再生が行える妖は、他に一匹も存在しない。〕
「再生の分野は、霊力の方が得意なんですけどね。ですが再生の力を持つ霊能者も希少な存在…再生の力を持つ者が生まれるのは稀なんです。」
それを黙って聞いていた翔太郎は、やがて笑みを浮かべて言った。
「つまりポチくんは、ただでさえ霊能者でも珍しい部類の力を妖なのに持っている…本当に珍しい妖なんですね!」
「そうです!」
レフはそう言って笑う。翔太郎も関心の眼差しをポチへ向けていると、ポチは恥ずかしそうにして謙遜する。
〔でも、この力を手に入れたのも他の協力もあってだから…その…僕だけの力かと言ったら違うし…〕
「それでもポチくんの力ですよ!」
翔太郎に言われ、ポチは照れて視線を逸らすので精一杯だった。するとナメクジは何かに気づいたのか、急に姿をポチに変える。ポチはそれを見るとすぐにツッコミを入れた。
〔わかりにくいから僕以外になってくれる?〕
しかし要の兄は警戒した様子で言う。
〔強い霊力がこちらに近づいている。…でもなんだ、妖力も微かに感じる…。
まるで…〕
「まるで?」
翔太郎がそう言っていると、誰かが歩いてやってくる。明かりに照らされた顔を見て、翔太郎は目を剥いた。
それは韻だったのだ。韻は虚ろな目をし、瞳は光を帯びていない。こちらを睨んでいるようにも見える。
しかし翔太郎にとっては、そんな事は些細な違和感だった。それよりも先に、笑顔を浮かべて韻へ駆ける。
「韻!心配したんだよ!?」
そう言って翔太郎は韻の前まで来ると、韻は翔太郎ではない誰かをジッと睨んでいた。返事がない事にやっと翔太郎は違和感を感じると、韻は言う。
「退けよ、兄貴。」
「韻…?」
韻は翔太郎を押し退けると、三人の方を睨んだ。ポチは冷や汗を浮かべて言う。
〔ひ、韻…僕が二人になっているけど、片方は要の兄で…〕
と言った瞬間、韻は力を使った。しかしいつもの雷ではなく、紫色の光を帯びた霊能力だった。その光はレフを拘束し、地面へ叩きつける。まるで重力で全身を打ちつけられたようなレフ。
翔太郎は愕然として言う。
「韻…!それは霊能力…!」
「そうだよ…」
韻はそう言って、レフに一歩ずつ近づく。レフは強く地面に押さえつけられているせいか、苦しそうだった。韻はレフを見下し、そして憎しみの表情を浮かべて言う。
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