23 / 54
21話「焼きそばパン」
しおりを挟む
朝目覚めると1日進んでいた。昨夜の修羅場はやり直し案件かと思ったが、どうやら違うみたいだ。 俺としてはやり直したいのだが。 肝心な時に由夏は現れない。
今日は月曜日で学校があるのだが、いつも起こしにくる唯がまだ来ない。
やっぱり……なんか怒ってるよな唯
まいったな……
とりあえず……学校に行く支度でもするか。
思えば2回目の高校生活ではあるが、元々頭の悪い俺なので高2の授業内容に全然ついていけてなかった。 数学なんて分からなすぎて授業中ほとんど寝て過ごしている。 まあ当時もそうしていたのだが。
そんなことを考えながら、数学の教科書をカバンに突っ込む。
「淳一、唯ちゃん来たわよー!」
あれ? なんだ唯、結局来たのか。
なんだよ心配して損した。
「分かった。 すぐ行く」
急いで準備をし、玄関へ向かった。
玄関に着くと唯がわかりやすいしかめっ面をして立っていた。
やっぱり怒ってるな……
「お、おう唯。 お待たせ」
恐る恐る唯に話しかける。
「……」
俺が話しかけても唯はそっぽを向いている。
……無言かよ。 頼むから返事してくれ!
「あー……じゃあ学校行くか」
「……ん」
不機嫌そうに唯は頷き、俺たちは学校へと向かった。
沈黙に耐えきれず、間を埋めようとカバンを開けると弁当を入れ忘れたことに気づいた。
あー、急いでたから忘れてたわ……まあ購買で買えばいいか。
学校に着き、教室に向かう途中でさっきから終始無言の唯に話しかけた。
「ちょっと先に購買寄っていいか? 弁当持ってくるの忘れたわ」
「ん」
不機嫌そうに唯は頷く。 自然と俺の顔もこわばる。
さっきから「ん」しか言ってねえし……
目も合わせてくれないし……
さて、どうしたもんかな……
購買に着き、俺は今日の昼飯を選び始めた。
少し悩んだ末、結局定番の焼きそばパンとカップラーメンを買うことにした。 会計を済ませ、購買の外で待たせている唯の元に戻るとさっきよりも不機嫌な顔で俺を睨みつけた。
「……遅い」
「す、すまん……ほら、これやるからさ! ごめんって!」
さっき買った焼きそばパンを唯に手渡すと、途端に唯のこわばっていた顔が緩んでいく。
「え! くれるの?」
唯がしかめっ面から完全に笑顔になり俺を見つめた。
唯の笑顔の可愛さに俺も自然と口元が緩む。
そのことを気付かれないよう、唯の顔を直視せずに呟く。
「あ、ああ。 付き合わせて悪いからな」
「ありがとう淳一!」
なんだこいつ……単純かよ。 そういう俺も単純かよ……
……今思い出したけど、昔にもこういうことがあった。 小さい頃、俺が唯を怒らせるようなことをした時、今みたいに唯の好物をあげた。 すると唯はすぐ機嫌を良くして俺を許してくれた。
そんな単純な唯が可愛く思えて……愛しくも思えた。
でも変なところで素直じゃなくて単純じゃないんだけど。
そんなことを考えていると思わず笑ってしまう。
「何笑ってるの?」
「いや、唯って単純だなーって思ってな」
「は? 何よいきなり」
「まあ、お前が機嫌良くなったみたいでよかったわ」
俺がそう言うと唯は顔を曇らせた。
「は? 別に機嫌悪くないけど?」
「いや、機嫌悪いだろ……朝から超不機嫌だっただろ」
俺がそう言うと唯は俯きながら口を開いた。
「……だってあの女……真柴さんが……」
「真柴がどうかしたか?」
俺が問うと、唯は一瞬俺の顔を見たかと思えばすぐ視線を逸らした。
「別に……なんでもない。 忘れた!」
「忘れたってお前……まあいいけどさ」
俺はそう言って、教室へと歩きはじめた。
「……バカ淳一」
唯はしばらくしてから俺の後を追って来た。
今日は月曜日で学校があるのだが、いつも起こしにくる唯がまだ来ない。
やっぱり……なんか怒ってるよな唯
まいったな……
とりあえず……学校に行く支度でもするか。
思えば2回目の高校生活ではあるが、元々頭の悪い俺なので高2の授業内容に全然ついていけてなかった。 数学なんて分からなすぎて授業中ほとんど寝て過ごしている。 まあ当時もそうしていたのだが。
そんなことを考えながら、数学の教科書をカバンに突っ込む。
「淳一、唯ちゃん来たわよー!」
あれ? なんだ唯、結局来たのか。
なんだよ心配して損した。
「分かった。 すぐ行く」
急いで準備をし、玄関へ向かった。
玄関に着くと唯がわかりやすいしかめっ面をして立っていた。
やっぱり怒ってるな……
「お、おう唯。 お待たせ」
恐る恐る唯に話しかける。
「……」
俺が話しかけても唯はそっぽを向いている。
……無言かよ。 頼むから返事してくれ!
「あー……じゃあ学校行くか」
「……ん」
不機嫌そうに唯は頷き、俺たちは学校へと向かった。
沈黙に耐えきれず、間を埋めようとカバンを開けると弁当を入れ忘れたことに気づいた。
あー、急いでたから忘れてたわ……まあ購買で買えばいいか。
学校に着き、教室に向かう途中でさっきから終始無言の唯に話しかけた。
「ちょっと先に購買寄っていいか? 弁当持ってくるの忘れたわ」
「ん」
不機嫌そうに唯は頷く。 自然と俺の顔もこわばる。
さっきから「ん」しか言ってねえし……
目も合わせてくれないし……
さて、どうしたもんかな……
購買に着き、俺は今日の昼飯を選び始めた。
少し悩んだ末、結局定番の焼きそばパンとカップラーメンを買うことにした。 会計を済ませ、購買の外で待たせている唯の元に戻るとさっきよりも不機嫌な顔で俺を睨みつけた。
「……遅い」
「す、すまん……ほら、これやるからさ! ごめんって!」
さっき買った焼きそばパンを唯に手渡すと、途端に唯のこわばっていた顔が緩んでいく。
「え! くれるの?」
唯がしかめっ面から完全に笑顔になり俺を見つめた。
唯の笑顔の可愛さに俺も自然と口元が緩む。
そのことを気付かれないよう、唯の顔を直視せずに呟く。
「あ、ああ。 付き合わせて悪いからな」
「ありがとう淳一!」
なんだこいつ……単純かよ。 そういう俺も単純かよ……
……今思い出したけど、昔にもこういうことがあった。 小さい頃、俺が唯を怒らせるようなことをした時、今みたいに唯の好物をあげた。 すると唯はすぐ機嫌を良くして俺を許してくれた。
そんな単純な唯が可愛く思えて……愛しくも思えた。
でも変なところで素直じゃなくて単純じゃないんだけど。
そんなことを考えていると思わず笑ってしまう。
「何笑ってるの?」
「いや、唯って単純だなーって思ってな」
「は? 何よいきなり」
「まあ、お前が機嫌良くなったみたいでよかったわ」
俺がそう言うと唯は顔を曇らせた。
「は? 別に機嫌悪くないけど?」
「いや、機嫌悪いだろ……朝から超不機嫌だっただろ」
俺がそう言うと唯は俯きながら口を開いた。
「……だってあの女……真柴さんが……」
「真柴がどうかしたか?」
俺が問うと、唯は一瞬俺の顔を見たかと思えばすぐ視線を逸らした。
「別に……なんでもない。 忘れた!」
「忘れたってお前……まあいいけどさ」
俺はそう言って、教室へと歩きはじめた。
「……バカ淳一」
唯はしばらくしてから俺の後を追って来た。
0
あなたにおすすめの小説
貞操逆転世界で出会い系アプリをしたら
普通
恋愛
男性は弱く、女性は強い。この世界ではそれが当たり前。性被害を受けるのは男。そんな世界に生を受けた葉山優は普通に生きてきたが、ある日前世の記憶取り戻す。そこで前世ではこんな風に男女比の偏りもなく、普通に男女が一緒に生活できたことを思い出し、もう一度女性と関わってみようと決意する。
そこで会うのにまだ抵抗がある、優は出会い系アプリを見つける。まずはここでメッセージのやり取りだけでも女性としてから会うことしようと試みるのだった。
お兄ちゃんはお兄ちゃんだけど、お兄ちゃんなのにお兄ちゃんじゃない!?
すずなり。
恋愛
幼いころ、母に施設に預けられた鈴(すず)。
お母さん「病気を治して迎えにくるから待ってて?」
その母は・・迎えにくることは無かった。
代わりに迎えに来た『父』と『兄』。
私の引き取り先は『本当の家』だった。
お父さん「鈴の家だよ?」
鈴「私・・一緒に暮らしていいんでしょうか・・。」
新しい家で始まる生活。
でも私は・・・お母さんの病気の遺伝子を受け継いでる・・・。
鈴「うぁ・・・・。」
兄「鈴!?」
倒れることが多くなっていく日々・・・。
そんな中でも『恋』は私の都合なんて考えてくれない。
『もう・・妹にみれない・・・。』
『お兄ちゃん・・・。』
「お前のこと、施設にいたころから好きだった・・・!」
「ーーーーっ!」
※本編には病名や治療法、薬などいろいろ出てきますが、全て想像の世界のお話です。現実世界とは一切関係ありません。
※コメントや感想などは受け付けることはできません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
※孤児、脱字などチェックはしてますが漏れもあります。ご容赦ください。
※表現不足なども重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけたら幸いです。(それはもう『へぇー・・』ぐらいに。)
大丈夫のその先は…
水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。
新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。
バレないように、バレないように。
「大丈夫だよ」
すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ニュクスの眠りに野花を添えて
獅子座文庫
恋愛
過去のトラウマで人前で声が出せなくなった伯爵令嬢ラニエラ・アンシルヴィアは辺境の男爵、オルテガ・ルファンフォーレとの政略結婚が決まってしまった。
「ーーあなたの幸せが此処にない事を、俺は知っています」
初めて会った美しい教会で、自身の為に一番美しく着飾った妻になる女の、真っ白なヴェールを捲る男は言う。
「それでもあなたには此処にいてもらうしかない」
誓いの口づけを拒んだその口で、そんな残酷なことを囁くオルテガ。
そしてラニエラの憂鬱な結婚生活が始まったーーーー。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
子持ち愛妻家の極悪上司にアタックしてもいいですか?天国の奥様には申し訳ないですが
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
胸がきゅんと、甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちだというのに。
入社して配属一日目。
直属の上司で教育係だって紹介された人は、酷く人相の悪い人でした。
中高大と女子校育ちで男性慣れしてない私にとって、それだけでも恐怖なのに。
彼はちかよんなオーラバリバリで、仕事の質問すらする隙がない。
それでもどうにか仕事をこなしていたがとうとう、大きなミスを犯してしまう。
「俺が、悪いのか」
人のせいにするのかと叱責されるのかと思った。
けれど。
「俺の顔と、理由があって避け気味なせいだよな、すまん」
あやまってくれた彼に、胸がきゅんと甘い音を立てる。
相手は、妻子持ちなのに。
星谷桐子
22歳
システム開発会社営業事務
中高大女子校育ちで、ちょっぴり男性が苦手
自分の非はちゃんと認める子
頑張り屋さん
×
京塚大介
32歳
システム開発会社営業事務 主任
ツンツンあたまで目つき悪い
態度もでかくて人に恐怖を与えがち
5歳の娘にデレデレな愛妻家
いまでも亡くなった妻を愛している
私は京塚主任を、好きになってもいいのかな……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる