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26話「由夏の悩み事」
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由夏はいつも突然現れる。 いや突然とはいっても、大体は俺が自分の部屋にいる時だが。 それでもやっぱり何も予告なく現れる。 もちろん今もだ。
「めっちゃ久しぶりだな由夏。 1、2ヶ月ぶりか?」
「……多分そうね」
久しぶりに俺の前に現れた彼女は何やら元気がなさそうだ。 いつものような俺のことをバカにした感じがない。 まあおじいちゃんとしてはそれでいいのだが。
由夏は今日は制服を着ている。 衣替えをしたのか冬のセーラー服を着ている。顔を見ると当たり前だが唯に似ているのだが、目元なんか特に唯に似ていて、目の前に唯がいるかのようだ。
「……何か元気ないけど、どうした?」
「…………何でもない」
絶対何でもなくないだろ。
あからさまに元気ないじゃねえか。
「そうか。 ……じゃあおじいちゃんはコンビニでも行ってくるからまたな」
そう言って部屋から出ようとすると由夏が俺の服の裾を掴んできた。
「へ? どうした?」
「…………相談が……あるの」
由夏は俯きそう呟いた。
「相談?」
「……うん」
「……うーんと、まあ話聞くぐらいならできるけど。 一体どうしたんだ?」
俺が尋ねると由夏は顔を上げた。 目が合う。何故かドキッとしてしまう。
「……恋愛相談があるの」
「へ? なんだって?」
聞き間違いか? 恋愛相談とか言ってたか?
「だーかーら! 恋愛相談があるの!」
由夏は大声で叫んだ。
あまりにも大声で叫ぶので思わず耳を塞いでしまう。
「……聞こえてるわ……恋愛相談だろ。 話してみな」
果たして恋愛経験の少ない28歳童貞男が解決することができる内容なのか分からんがとりあえず聞いてみることにした。
内容はこうだ。
由夏には好きな人がいるらしい。
その人とは昔からの付き合いで、家も近所で家族同士も仲が良いらしい。
幼少期からお互いを知っているため今まで異性として意識したことがなかったが、最近になって由夏の方が意識しだしいつの間にか好きになっていたらしい。
……あれ? なんか聞いたことのある話のような?
……いや気のせいか。
「それで由夏はどうしたいんだ?」
「……どうしたいって……そりゃあ告白したいわよ。 でも……それで今までの関係が崩れちゃうなら……もうわかんない!」
ああ、由夏は俺と全く同じ状況にいるのか。 好きだけど、なかなか告白に踏み出せない。
俺には色々とアドバイスしてくれるのだが、自分の恋愛となると奥手になってしまう。
きっとこういうところは俺に似たのだろう。
そしてそんな俺に何が言えるのだろう。 28年間ただ生きてきて肝心なところは成長していない俺に何が言えるだろうか。
たとえ何か言ったとして全く説得力のないものになるだろう。
そう思うと俺は黙っていることしかできなかった。
誰かに相談された時、うまいこと言えるような引き出しの少なさ、自分の薄っぺらさに嫌気がさす。
ただなんとなく時間を浪費していたツケがまわってきたのだと実感する。
しばらくそのまま黙っていると、由夏は俯いていた顔を上げ笑顔を作った。
「まあ、恋愛経験の少ないおじいちゃんに話してもどうしようもないか!」
「……すまん」
「いいよ、謝んなくて。 ごめんね、じゃあまたねおじいちゃん」
そう言うと由夏は姿を消した。
俺は自分の薄っぺらさに、情けなさに絶望した。
「めっちゃ久しぶりだな由夏。 1、2ヶ月ぶりか?」
「……多分そうね」
久しぶりに俺の前に現れた彼女は何やら元気がなさそうだ。 いつものような俺のことをバカにした感じがない。 まあおじいちゃんとしてはそれでいいのだが。
由夏は今日は制服を着ている。 衣替えをしたのか冬のセーラー服を着ている。顔を見ると当たり前だが唯に似ているのだが、目元なんか特に唯に似ていて、目の前に唯がいるかのようだ。
「……何か元気ないけど、どうした?」
「…………何でもない」
絶対何でもなくないだろ。
あからさまに元気ないじゃねえか。
「そうか。 ……じゃあおじいちゃんはコンビニでも行ってくるからまたな」
そう言って部屋から出ようとすると由夏が俺の服の裾を掴んできた。
「へ? どうした?」
「…………相談が……あるの」
由夏は俯きそう呟いた。
「相談?」
「……うん」
「……うーんと、まあ話聞くぐらいならできるけど。 一体どうしたんだ?」
俺が尋ねると由夏は顔を上げた。 目が合う。何故かドキッとしてしまう。
「……恋愛相談があるの」
「へ? なんだって?」
聞き間違いか? 恋愛相談とか言ってたか?
「だーかーら! 恋愛相談があるの!」
由夏は大声で叫んだ。
あまりにも大声で叫ぶので思わず耳を塞いでしまう。
「……聞こえてるわ……恋愛相談だろ。 話してみな」
果たして恋愛経験の少ない28歳童貞男が解決することができる内容なのか分からんがとりあえず聞いてみることにした。
内容はこうだ。
由夏には好きな人がいるらしい。
その人とは昔からの付き合いで、家も近所で家族同士も仲が良いらしい。
幼少期からお互いを知っているため今まで異性として意識したことがなかったが、最近になって由夏の方が意識しだしいつの間にか好きになっていたらしい。
……あれ? なんか聞いたことのある話のような?
……いや気のせいか。
「それで由夏はどうしたいんだ?」
「……どうしたいって……そりゃあ告白したいわよ。 でも……それで今までの関係が崩れちゃうなら……もうわかんない!」
ああ、由夏は俺と全く同じ状況にいるのか。 好きだけど、なかなか告白に踏み出せない。
俺には色々とアドバイスしてくれるのだが、自分の恋愛となると奥手になってしまう。
きっとこういうところは俺に似たのだろう。
そしてそんな俺に何が言えるのだろう。 28年間ただ生きてきて肝心なところは成長していない俺に何が言えるだろうか。
たとえ何か言ったとして全く説得力のないものになるだろう。
そう思うと俺は黙っていることしかできなかった。
誰かに相談された時、うまいこと言えるような引き出しの少なさ、自分の薄っぺらさに嫌気がさす。
ただなんとなく時間を浪費していたツケがまわってきたのだと実感する。
しばらくそのまま黙っていると、由夏は俯いていた顔を上げ笑顔を作った。
「まあ、恋愛経験の少ないおじいちゃんに話してもどうしようもないか!」
「……すまん」
「いいよ、謝んなくて。 ごめんね、じゃあまたねおじいちゃん」
そう言うと由夏は姿を消した。
俺は自分の薄っぺらさに、情けなさに絶望した。
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