短編集[作:ヘタノヨ コヅキ]

ヘタノヨコヅキ@商業名:夢臣都芽照

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【残念イケメンVS残念イケメン(仮)?!】

オマケSS【二人は似た者同士?】 下

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 小野賀の言葉を待つこと、数秒。その間、小野賀はずっと黙っていた。


「……?」


 かと思いきや突然、皆葉に向けていた指をゆっくりと引っ込める。
 そして首を傾げ、顎に手をあてた。


「……。……うぅん?」


 その次は腕を組み、唸り始めたではないか。

 ──あっ、コレはめんどくさい流れかも。皆葉がそう直感したのと。


「──抱けるな、ギリギリ」


 小野賀がポンコツ回答をしたのは。……悲しいことに、同時だった。

 まるで人類史上最も難しい問題を回答したかのように、小野賀はスッキリと、それでいて優越感に浸っているかのような表情を浮かべている。

 対する、皆葉はと言うと。


「──きもっ」


 冷ややかな目を向けていた。

 自分の容姿に絶対的な自信を持っている小野賀は、当然ながら皆葉の呟きにブチ切れる。


「この俺様に向かって『キモイ』とはなんだッ! 先ず始めに『カッコいい』と言えッ! 話はそれからだろうッ!」
「うわぁ、普通に引く。……っていうかそもそも、抱けるとか抱けないとかそういう話だったっけ?」


 怒りの琴線がイマイチよく分からない小野賀の囀りは、この際スルー。皆葉は不意に、我之との会話を思い出す。

 ……それは、先週のこと。


『──杏歩、聴いて! き、昨日の放課後、なんだけどさ? ……は、初めて小野賀と手を繋いだの……!』


 ただ手を繋いだだけではしゃいでいた、幼馴染み。
 それに対して、その恋人はそんな幼馴染みが男でも『抱ける』と言ってのけた。

 一連の会話ややり取りをひとつの線で繋いだ後、皆葉は肩を竦める。それはもう、わざとらしいほどに。


「はぁ、やれやれ」
「そのセリフはわざわざ声に出して言うものではないだろうッ!」


 それでも皆葉は肩を竦め、首を横に振る。
 しかし小野賀が怒鳴る中、突然、教室の扉が開いた。


「お待たせ。……どうかしたの?」


 どうやら、日誌を職員室へ置いてきたらしい。我之は駆け足気味に小野賀と皆葉へ近寄り、小首を傾げた。


「いや……」


 皆葉はポンコツな彼氏を見た後に、その彼女へ目を向ける。
 思い起こされるのは、ファミレスで『小野賀が好きすぎて辛い!』と泣いていたある日の我之だ。

 ──あ、もういいや。全てを諦めた皆葉は、ヘラリと笑みを浮かべた。


「二人って、本当にお似合いだなぁって」

「えっ! わ、わわっ、私がいない間になんて話をしているのっ!」
「ちっ、違うぞ我之ッ! オイ、皆葉ッ! そんな話はしていなかっただろうがァッ!」


 予想外の返答に、我之は赤面する。それと同じかそれ以上に、小野賀も赤面していた。


「杏歩相手に、へっ、変な惚気話しないでよっ! するんなら、その……わ、私がいるとき、とかっ。……わ、私相手にっ、私の好きなところとか言ったらいいじゃないっ!」
「お、お前……ッ! そういう女らしい表情を軽々しくするなと何度言わせたら気が済むんだッ! 俺様をトキメキで殺す気かッ! この快楽殺人者めッ!」

「小野賀こそ、そうやって私をドキドキさせて楽しいの? いつも私ばっかり小野賀にドキドキして、馬鹿みたいっ!」
「寝言は寝て言え、我之ッ! 俺様の方がお前を好きに決まっているだろうがッ!」


 ──今日も平和だなぁ。キャンキャンと喚く友人二人を眺めて、皆葉はゆっくりと現実逃避をしたのであった。




オマケSS【二人は似た者同士?】 了




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