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【天使は翼を手折るのがお好きらしい】 *

11 *

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 ボクからの許可を得て。
 真宵君が更に激しく、腰を打ち付けてきた。


「佐渡様、佐渡様ッ!」


 一際奥深く逸物を突き挿れると、真宵君の体が大きく震える。
 その感覚に、ボクは声をあげた。


「ふぁあ、っ! あつ、熱いぃ……んんっ!」


 愚息をビクビクと痙攣させて、ボクのお尻にたっぷりと精液を注ぎ込む。
 もしかして男のボクを孕ませるつもりなのかと、そう疑ってしまうほど。真宵君は長く長く、射精している。


「あぁ……っ、お尻のナカ……真宵君ので、いっぱいだねぇ……っ?」


 二回も精液を注ぎ込まれて、なんだかフワフワした気分になってきた。
 ボクは笑みを浮かべて、真宵君の首に手を添える。


「ねぇ、ボクのこともイカせて……っ?」


 まだ、物足りない。この程度のピストン運動で、ボクが満足できるわけないじゃないか。
 まだ衰えていない真宵君の愚息が、再びボクのナカを擦り始める。


「……あ、っ! やっ、ぁん! 精液、がぁ……っ! お尻の、ナカで……ふぁ、ぁあ……っ!」


 二回分の精液が、真宵君の抜き刺しによっていやらしい水音を奏でた。
 グチュグチュと音を立てて、ボクのお尻にムリヤリ染み込ませるかのように、精液を泡立てている。

 完璧に、犯されているのだ。男にナカ出しをされて、精液を擦りつけられて、男性器で喘がされて。

 正直、サイアクの気分だよ。……けど、相手が真宵君なら、ヤッパリ堪らない。


「佐渡様……素晴らしいですッ!」


 下を向けば、ボク好みの【美】が、顔を歪めている。

 涙と精液でグチャグチャになっていた顔は、汗も混ざって更に汚らしい。こんな姿、誰が見たってドン引きするだろう。

 自分の立派な逸物をまるでディルドのように扱われて、愛なんか無いこの行為に、何回も付き合わされて……。本当に、可哀想な真宵君だ。

 まぁ、正直なところ同情する気持ちなんか、これっぽちも湧いてこないけどね。


「あぁ、っ! あんっ、んん! ま、真宵君、もっとたっぷり……ナカに出してぇ、っ!」


 精子を、無意味に吐き出してしまえ。
 最高の遺伝子を、ムダ遣いしろ。
 みっともなく、男に欲情したらいい。
 ボク自身の手で、最高な優等生をサイテイサイアクな劣等生にしてあげよう。


「佐渡様、どうか……どうか家畜風情に、その高貴なる精液をおかけください……ッ!」
「うん、うんっ! 出ちゃう、出ちゃうからぁ、っ! 豚未満の下劣な肉に、かけてあげる……っ! あ、あっ! あぁ、ぁあんっ!」


 ──それが、完璧な君のサイアクな奉公に対する、ボクからの最上級な返礼だ。

 真宵君が、五回目の射精をすると同時に。ボクも、真宵君の体に向かって射精した。


「ふぁ、ぁあっ!」
「佐渡様ッ!」


 ボクは背を仰け反らせて、真宵君は腰を打ち付けて。
 お互いに、長い時間をかけてたっぷりと。……精液を、吐き出す。


「あぁ……はぁ、はあ……っ」


 真宵君と繋がったまま、ボクは体育倉庫の天井を見上げて、息を整える。
 ボクの下では、真宵君も同じように荒い息を吐いているようだ。


「はぁ、はーっ。……佐渡、様……っ」


 ボクの名前を呼んで惚けている真宵君の首に、ボクはギュッと、指を食い込ませる。


「──なにバテてるの? 誰が、いつ、休んでいいって言ったわけ?」


 そう言うと。
 真宵君がボクのナカでまた、熱くそそり勃った。




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