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2話・無理矢理が好き
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しおりを挟む性交の音と、俺が自分のペニスを扱く音。
その二つが混ざって、もう……なにが何だか、分からない。
「そんな、締めつけてくんなよ……ッ! っつゥか、処女のクセに感じすぎだろ……ッ」
「ふあ、っ! ま、また、奥ばっかり……っ! んっ、んぅっ!」
「ハッ! メチャクチャ気持ちよさそうじゃねェの? 手、すげェ動いてるぜ?」
「みっ、見るな、ばかぁ……っ! んぁ、っ! そっ、そこはっ、やだぁ、っ!」
高遠原が奥を突くと、ペニスを扱きたくてたまらない。
うつ伏せのまま、何度も何度も高遠原に穿たれる。
「勘違い、するなよ、っ! 俺は、かっ、感じてなんか――」
「ペニス扱いてその言い訳はナシだろ? ……なァッ!」
「ひぁっ、あぁっ! こ、これ以上っ、激しくするなぁっ!」
ベッドが、ギシギシと軋む。
それだけで、行為の激しさを生々しく伝えてきた。
頭の中がグチャグチャになってしまっても、一つだけハッキリとわかる。
「真冬……ッ! そろそろ、出すぞ……ッ」
「んぁ、あぁ、っ! いやだ、いやぁ、っ! 抜いて、抜けよっ、あっ、んぁあっ!」
――もう、お互いに限界なんだってことが。
「ぃ、あっ、あぁっ! もっ、むりぃ……っ! でる、でるぅ……っ! あっ、ふぁ、ああぁっ!」
「く……ッ!」
俺がベッドに体を押しつけると同時に。
高遠原の熱いモノが、奥へと打ちつけられる。
「あぁ、あ、っ!」
手のひらが、汚れていく感覚。
それと、もう一つ。
(ナカに、出されてる……っ! アイツの、精液が……っ!)
高遠原が。
俺のナカで射精してるという、感覚。
「ふぁ……あ、あ……っ」
だけど、ナカに出された敗北感よりも。
俺は、三度目の絶頂による快感で……満たされていた。
「はっ、ふぁ……ぅあ、ぁ……っ」
意味のない声を漏らしながら、俺はぐったりと脱力する。
そんな俺の後ろで、高遠原が笑った。
「はァ……ハハッ。……真冬。随分と可愛い声、出すじゃねェか?」
乱暴に、頭を撫でられる。
――うるさい。
――大嫌いだ。
――早く俺から離れろ。
言い返したいのに、言葉がまとまらない。
頭を撫でる手に抵抗しようとしても、体すらまともに動かなかった。
(悔しい……っ)
そう思うと同時に、瞼がどんどん重くなっていく。
それを俺は、不思議だとは思わなかった。
(三回も射精したら、さすがに……っ)
早く、文句を言わなくちゃいけないのに。
「……真冬?」
近くにいる筈なのに、高遠原の声が遠く感じる。
逃げなくちゃとか、どうにかしなくちゃとか……頭の片隅で、吠えている自分がいた。
だけど、怒涛の展開に疲れたせいか。
俺の意識は、飛んでしまった。
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