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6話・大事にするのが好き
14 *
しおりを挟む美鶴の舌が、胸を這う。
「やっ、美鶴……っ! 焦らさ、ないで……っ」
ワイシャツを全開にしたくせに。
全ては、脱がそうとしない。
中途半端なのが、羞恥心を増幅させていることに……美鶴は気付いているのだろうか。
「今日はこのままヤるか?」
舌先で、胸の突起をぴんっ、と弾かれる。
「そ、んな……ん、っ」
半端に脱がされているのも、ジワジワと与えられる快感も。
全部が恥ずかしくて、視界が滲む。
思わず、涙目になって美鶴を見つめる。
「そんな顔するから、虐めたくなるんだっつの」
懇願は、ただいたずらに……美鶴の嗜虐心を膨張させただけのようだ。
つまりは、逆効果。
「あ、っ! ひ、ぅ……んっ」
美鶴の大きな手が、乳首に触れる。
たったそれだけのことなのに、体はビクンと大きく反応してしまう。
「あっ、んぅ……ん、く……っ」
俺の反応が気に入ったのだろうか。
美鶴は撫でるだけで、しっかりと乳首を攻めたりしない。
「みつ、る……っ。やっ、さわ……って、っ?」
「触ってるだろ?」
――そうじゃ、ないのに。
美鶴はニヤニヤと、楽しそうに笑っている。
「や、やだ……っ! もっと、ちゃんと……っ」
「具体的には? どうしてほしいんだよ、真冬」
笑みを浮かべたままの美鶴は、意地悪く訊ねた。
絶対に、美鶴はどうしてほしいのか分かっているはずだ。
なのに美鶴は、言葉を欲しがっている。
「……っ! つ、つねって……ほし、いっ」
何だか、これではマゾのようじゃないか。
恥ずかしさから、顔を真っ赤にして、目を伏せる。
そうすると。
「――ひぁ、ん、っ!」
美鶴が俺の乳首を、軽くつねった。
それだけなのに、勝手に声が漏れてしまう。
「ん、ふぁ……あっ、んぁ、っ!」
それすらも、恥ずかしい。
美鶴に開発されたそこは、俺に十分な熱を与える。
「あっ、ん……っ、やぁ……あ、っ」
つんと硬くなった乳首を、美鶴は弄ぶ。
指先でつままれると、ピリピリとした快感が駆け巡る。
指の腹で撫でられると、フワフワとした気持ち良さに包み込まれた。
「も、っと……っ! 美鶴っ、みつ、るぅ……っ」
目を閉じたまま、美鶴に懇願を繰り返した。
俺の気持ちが、通じたのかもしれない。
「ひっ、やぁ、っ!」
美鶴が不意に、俺の乳首に歯を立てたのだ。
「あっ、んんっ、く……っ! んぅ、あ、ぁあ……っ!」
優しく噛まれると、堪らなくなる。
舌でなぞられると、体が勝手に跳ねた。
「真冬……気持ちいいか?」
「きっ、訊くなよ、ばかぁ……っ」
「ハッ、可愛い……ッ」
オマケと言いたげに、強めの甘噛みをされる。
「んっ、ぁあ、っ!」
下半身に熱が溜まって、辛い。
もういっそ、解放してくれたら。
そんな欲望が、俺の口を勝手に動かした。
「美鶴……っ! し、下……さわって、ほしい……っ」
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