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2章【不誠実コントラスト】

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 ――穢れを、知らないのだろう。

 そう思ってしまうほど、可憐な肌だった。


「ん、っ。……くす、ぐったい……っ」


 女と見間違えるような容姿でも、秋在は男。

 胸に膨らみはないし、体に柔らかさもない。

 それは、冬総が舌を這わせたって……同じだ。


「ひ、あ……っ!」


 胸を舐められ、秋在はくすぐったさに身をよじる。

 冬総が抱き留めているので、逃げることは叶わないが。

 胸の突起に舌を這わせ、そのまま舌先で突いてみる。


「んっ、ふ……っ」


 華奢な体が、ピクリと跳ねた。

 しかし、決定的な快楽には結びつかないらしい。

 秋在はひたすら、こそばゆそうに身をよじっている。


「ぁ、ん……っ。そこ、もう……くすぐったくて、イヤ……っ」
「気持ち良く、ないか?」
「あん、まり……っ」


 舌先で押し潰すように突いても、弾くように舐めてみても。

 秋在は、思ったような反応を返さなかった。

 ならばと、冬総はダメもとで歯を寄せる。


(まぁ……舐めて反応がないなら、噛んでも同じか……?)


 軽い思いつき程度のノリで、突起に歯を立てた。

 すると。


「――ひぁ、っ!」


 秋在の腰が、ビクリと跳ねる。

 くすぐったさからくる声とは違う、甘い響き。

 胸の突起を歯で挟まれた瞬間……秋在が、目に見えて違う反応を示した。

 驚きつつも、冬総はもう一度……胸の突起を甘噛みする。

 すると案の定。


「ひ、ぃ……っ! あ、ぁ……ん、っ!」


 秋在が、切なげな声を漏らした。

 今度は強く、吸ってみる。


「ひゃ、あ……っ! んっ、うぁ、っ!」


 それに対しても、秋在は同様の反応を示した。


(これは、意外と……悪くない、反応か……?)


 中性的な容姿をした秋在が。

 普段はどこか、自分たちとは違うものを見ている秋在が……まるで、常人のような反応を示している。

 だからこそ冬総は、口角を上げた。


「へぇ? 噛まれたり吸われたりするの、好きなんだな?」
「そ、んなの……っ。し、知ら、ない……っ」
「『知らない』って? ココをこうやって噛んだら……」


 ――カリッ、と。

 先程より強めに、突起を歯で挟む。


「んぁ、っ!」
「……こうやって、感じたような声出すクセにか?」


 素直な反応を示した秋在が、堪らない。

 空いている方の胸に、冬総は手を滑らせた。

 肌触りのいい秋在の素肌は、何故だかずっと触っていたくなるような……そんな感触。

 しかし、撫でることが目的ではない。

 冬総は胸をまさぐり、反対側にある突起を見つけ。


「――ひぁ、んっ!」


 つねるように、つまんでみせた。


(ちょっと痛いくらいが、春晴は感じるんだな……たぶん)


 甘噛みし、反対側を指先でこねくり回しながら。

 冬総は冷静に、秋在の性感帯を考察した。




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