16 / 23
第十四章 坊主で面接
しおりを挟む
僕は小さいころからずっと同じ床屋に行って、いつもツーブロックにしてもらっていました。
首がすぐ傾くらしく、何度もまっすぐに戻してもらいながら切ってもらっていたのを覚えています。
けれど、ウィーンに留学した時からは毎回違う床屋に行くようになりました。
というのも当時は、グループ購入を武器にお得なクーポンをゲットする『グルーポン』というインターネットサービスが流行っていて、僕は一番お得なクーポンのある床屋を探して行っていたのです。
髪型も、一度テニス部の罰ゲームでツルツルの丸坊主にしてからは、色々試すようになっていました。
エジンバラ留学が近づいていたころ、『半分刈り上げ半分ロン毛』という、お気に入りのバンドのボーカルの奇抜なヘアにしてもらったのですが、床屋を出た直後、急に翌日の面接が決定しました。
というのも大学の卒業単位取得に企業での職場体験(インターンシップ)が必要で、
「ウィーンに日本人の学生なんて受け入れてくれる企業なんてないだろ……」と頭を悩ませていたところ、母の知り合いに在オーストリア日本大使館の大使と同級生という人がいて、彼らのお陰で同大使館で初のインターン生が受け入れられることになったのです。
本当は面接もエジンバラ留学の後になるはずだったのですが、大使館の都合で、急きょ前倒しになったのです。
気合いを入れてメッシュまで入れていた僕でしたが、床屋に「明日面接なんです」と急遽戻って言いました。
しかし、頭の半分を三ミリに刈ってしまったため、手遅れ。
唯一残された手段は、全部三ミリの坊主にすることでした。
思いきったおかげで無事に面接は通り、エジンバラより帰国し二か月間、大使館の広報文化部でインターンシップをさせてもらうことになりました。
交流イベントの手伝いやオーディオガイドの翻訳など、本当に多くのことを体験させてもらいました。
特に大使夫妻には本当に良くしてもらい、インターンが終わった後も、僕の食生活を気にかけ、大使公邸で晩さん会があるたびに、残り物を恵んでもらったり、食事や旅行に連れて行ってもらったりしました。
しかし同じ大使館でも、アメリカ大使館には悪い思い出があります。
九月十一日(同時多発テロの日)に、アメリカ大使館の星条旗をツイッターに上げようとカメラを構えたところ、すぐに警備員に捕まり、住所・年齢・ビザの有無・ウィーンで何をしているのかなど、厳しく職質されました。
当然のことですが、大使館員よりもっと厳しいのは警察です。特に、移民の多いウィーンの警察は外国人に容赦がありません。
ある日、僕がローラーブレードで友だちの家に向かっていたところ、歩道が分かりづらく、たまたま車道を走ってしまいました。すると誰が通報したのかパトカーが来て、即罰金。どんなに説明しても、抵抗するだけ無駄です。
何しろ日本大使の知り合いですら、赤信号で渡ってしまい、問答無用で罰金を払わされたというのですから……
首がすぐ傾くらしく、何度もまっすぐに戻してもらいながら切ってもらっていたのを覚えています。
けれど、ウィーンに留学した時からは毎回違う床屋に行くようになりました。
というのも当時は、グループ購入を武器にお得なクーポンをゲットする『グルーポン』というインターネットサービスが流行っていて、僕は一番お得なクーポンのある床屋を探して行っていたのです。
髪型も、一度テニス部の罰ゲームでツルツルの丸坊主にしてからは、色々試すようになっていました。
エジンバラ留学が近づいていたころ、『半分刈り上げ半分ロン毛』という、お気に入りのバンドのボーカルの奇抜なヘアにしてもらったのですが、床屋を出た直後、急に翌日の面接が決定しました。
というのも大学の卒業単位取得に企業での職場体験(インターンシップ)が必要で、
「ウィーンに日本人の学生なんて受け入れてくれる企業なんてないだろ……」と頭を悩ませていたところ、母の知り合いに在オーストリア日本大使館の大使と同級生という人がいて、彼らのお陰で同大使館で初のインターン生が受け入れられることになったのです。
本当は面接もエジンバラ留学の後になるはずだったのですが、大使館の都合で、急きょ前倒しになったのです。
気合いを入れてメッシュまで入れていた僕でしたが、床屋に「明日面接なんです」と急遽戻って言いました。
しかし、頭の半分を三ミリに刈ってしまったため、手遅れ。
唯一残された手段は、全部三ミリの坊主にすることでした。
思いきったおかげで無事に面接は通り、エジンバラより帰国し二か月間、大使館の広報文化部でインターンシップをさせてもらうことになりました。
交流イベントの手伝いやオーディオガイドの翻訳など、本当に多くのことを体験させてもらいました。
特に大使夫妻には本当に良くしてもらい、インターンが終わった後も、僕の食生活を気にかけ、大使公邸で晩さん会があるたびに、残り物を恵んでもらったり、食事や旅行に連れて行ってもらったりしました。
しかし同じ大使館でも、アメリカ大使館には悪い思い出があります。
九月十一日(同時多発テロの日)に、アメリカ大使館の星条旗をツイッターに上げようとカメラを構えたところ、すぐに警備員に捕まり、住所・年齢・ビザの有無・ウィーンで何をしているのかなど、厳しく職質されました。
当然のことですが、大使館員よりもっと厳しいのは警察です。特に、移民の多いウィーンの警察は外国人に容赦がありません。
ある日、僕がローラーブレードで友だちの家に向かっていたところ、歩道が分かりづらく、たまたま車道を走ってしまいました。すると誰が通報したのかパトカーが来て、即罰金。どんなに説明しても、抵抗するだけ無駄です。
何しろ日本大使の知り合いですら、赤信号で渡ってしまい、問答無用で罰金を払わされたというのですから……
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
24hポイントが0だった作品を削除し再投稿したらHOTランキング3位以内に入った話
アミ100
エッセイ・ノンフィクション
私の作品「乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる」がHOTランキング入り(最高で2位)しました、ありがとうございますm(_ _)m
この作品は2年ほど前に投稿したものを1度削除し、色々投稿の仕方を見直して再投稿したものです。
そこで、前回と投稿の仕方をどう変えたらどの程度変わったのかを記録しておこうと思います。
「投稿時、作品内容以外でどこに気を配るべきなのか」の参考になればと思いますm(_ _)m
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる