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しおりを挟むそれは王都の夜に、静かに忍び寄った。
黒い外套の一団―。
辺境国家ゼルベリアに仕える、魔術戦闘集団だった。
狙いは…
""レティシア・ヴァン・クロードの魔力回路の解析並びに破壊""
学園での魔力暴走事故の結界魔術。
この力を良しとしない者と、知識欲・軍事力を満たそうと動きを見せた。
***
その夜、レティシアは王宮の回廊で違和感を感じた
「……魔力の流れが歪んでる?」
と、次の瞬間。
“ズン”という重低音とともに、王宮の塔が爆発した。
すぐさま爆発音がする方へ向かおうとするレティシアの前に立ちはだかったのは、フードをかぶった暗殺者。
「我らが主の命により、お前の魔力回路を破壊させてもらう。」
「……女1人を襲う為に塔を爆発させるなんて、頭おかしいんじゃないの?と言いたいところだけど、暗殺者が闇討ちもせず、せっかく姿を見せてくれたのだから、」
舐めるような笑みを浮かべ、レティシアは髪をかき上げる。
「――歓迎してあげるわ。“死をもって”ね」
刺客たちが同時に魔術を発動。
空間がゆがみ、火の矢と氷の刃が飛び交う。
しかし――その中心で、レティシアは一歩も動かず、呟いた。
「“反転結界”」
周囲の魔術が一斉に反転し、撃った本人たちに返される。
「ぐっ……! こいつ、反射系の魔術を同時に……!」
「舐めるのは勝手だけど――後悔は覚悟しておきなさい?」
その瞬間、彼女の背後から更に敵が襲いかかる。
だが、刃が触れる寸前で――
「レティシア、下がれ!」
金の閃光が走る。
アレクシスが剣を抜き、敵の攻撃を弾き飛ばした。
「……遅いわよ、王子さま」
「守るとは言ってない。“共闘する”って言ったろ?」
背中を合わせる二人。
目の前に迫る敵を見て、レティシアがふっと笑う。
「なら……背中は任せたわよ」
「こちらこそ」
二人が同時に走る。
魔法と剣、静と動が絶妙に噛み合い、暗殺者たちを一人また一人と打ち倒していく。
アレクシスは気づいていた。
彼女の魔術は、ただ破壊的なだけではない。
仲間の動きすら計算し、戦場全体を制御していた。
(本当に――“戦う姿”も美しい人だ)
だがその美しさの裏には、誰よりも孤独な決意があることも。
だからこそ、今は。
「君の戦場に、俺は立ち続けるよ。対等な相手として」
「……変わったわね、ほんと」
レティシアは笑った。
その横顔には、ほんの少しだけ“信頼”の色が灯っていた。
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