アフター5

あいうえお

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衝撃とはこういうことか

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「悪性の癌です」
看護師の私は、医師の前では理解のいい患者を装うことに何故か優越感を感じていた。
「それで治療は何ですか?」まるで自分が患者ではないように。
「手術して取りましょう。幸い転移するスピードはゆっくりな種類の癌です」大したことはないと言うように、その医師は手術の説明をした。

癌の告知を受けた診察室には私と医師のみ。家族にも「余裕だから」と、平気な強気な自分を見せていた。
告知の実感はもちろんなく、術後の痛みに対する恐怖だけが心の中を渦巻いていた。
手術することを決めたが、その後思ってもみないことが起こった。

時間が経つにつれて癌である自分を実感していき、これは夢であってほしい、と願いながら朝を迎える。でも現実は変わらず。何で自分が?何も悪いことしてないのに?とぶつけることの出来ない苛立ちを、大量の涙で流した。

手術は不安だらけだったが、無事成功に終わった。
そして初めて、生きることについて考え直してみた。
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