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番外編 幕間小話
【インタビュー・真砂編】
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──左右大臣様の記事が大変な好評を頂きましたため、改めて〝官僚インタビュー特別企画〟と題し、重役の皆様へ突撃取材を続行致します!
本日は閻魔庁の地盤を支える整備局、局長の真砂様に取材許可を頂きましたので、簡単にご本人のプロフィールを紹介します。
名前・真砂
職業・閻魔庁 整備局 局長
種族・鬼神、白銀種
身長・215cm
武器・拳鍔(ナックルダスター)
好きな食べ物・たこわさ、刺身、揚げ出し豆腐
嫌いな食べ物・里芋の甘煮
好きなもの・楽しいこと全般
嫌いなもの・退屈なこと、見合い話
では早速、お話を伺っていきたいと思います。
──本日はお忙しい中、お時間を頂き有難うございます。
『いやいや、こちらこそ! 読んだよ、夕立と陀津羅の回。面白かったわぁ。しかし大臣の後が俺じゃ、だいぶ格が下がると思うけど、良いのかねぇ』
──とんでもございません! 整備局は大変、重要な部署ですし、真砂様は白銀鬼神の大名家でいらっしゃいますから!
『いやぁ、照れるなぁ。そんなに凄くないよ、俺んちなんて』
──ご謙遜がお上手でいらっしゃる、奥ゆかしいお方です。では、質問に入らせて頂きますね。
『はいよ、なんでもどうぞ』
──休日はなにをして過ごしていらっしゃいますか?
『午前中は鍛錬して、午後からはぶらぶらしてることが多いかな』
──鍛錬というのは、例えばどのようなことをなさるんですか?
『古武術をひと通り。特に体術系メインでやってるよ。デスクワークが多いから、油断するとすぐ鈍っちゃうからさぁ』
──なるほど。ご愛用武器が拳鍔なのは、近接戦闘を得意とされているからなんですね。
『逆かな。エモノがなくても戦えるようにってのが家訓でね。脳筋ばかりで嫌になるよ、ほんと』
──流石は鬼神名家でいらっしゃいます。では、午後からは具体的にどんなことをされていますか?
『適当に歓楽街ぶらついて、可愛い子が居たら誘って飲みに行く』
──真砂様ほどの人気者となれば、さぞお付き合いされた方も多いんでしょうね。
『そうでもないよ。ラフな関係が多いから、その日、楽しく過ごせればそれで良いって感じ』
──特定の方はいらっしゃらないと?
『居ないね』
──因みに、好きな方はいらっしゃいますか?
『まぁ、居るっちゃ居るかな。片思いだし、ほとんど諦めてるけど』
──なんと! 真砂様が片思いされているとは衝撃の事実です! お気持ちを伝えたりはされましたか?
『それとなく誘ってはいるんだけど、まったく取り合ってもらえねーの。むしろ、めちゃくちゃ邪険にされてる。ま、そこも良いんだけどね』
──なんというか、意外すぎました……。その方とはいつお知り合いに?
『もうかれこれ千年弱になるなぁ。一目惚れとは言わないけど、二目惚れくらいだったわ。あの頃が懐かしいぜ』
──千年も思い続けていらっしゃるとは、真砂様の新たな一面を知ることが出来て光栄です。しかしこれ、記事にしても構わないのでしょうか? その方も読まれるのでは?
『ああ、良いの良いの。読まないと思うし、読んだところで絶対気づかないから』
──このような質問は野暮かと思いますが、お好みのタイプなどお聞きしても?
『うーん……真面目なんだけどちょっとズレてて、自分のこととなると鈍いくせに他人の変化には敏感で、ぶっきらぼうなのに優しくて、たまに見せる笑顔がたまらなく可愛い子、かな』
──かなり特定されていますね。丁寧にお答え頂けてありがたいのですが、本当に掲載して大丈夫でしょうか……さすがに気づかれるのでは……?
『はは、100パーセントないから平気だよ。例え実名を出したとしても、軽口で済まされて終わりさ』
── なんとなく真砂様の笑顔が寂しく見えます……。では仕切り直して、お仕事についてお伺いしますね。整備局で1番大変なことはなんですか?
『もっぱら、どっかの破壊鬼神がぶっ壊す建物の修繕だな。毎日毎日、どこかしら破壊しないと生きていけないんだわ、あいつ』
──そ、それはまた大変そうで……。なぜそんなことになるんでしょうね。
『まぁ閻魔庁は六道が決まっちゃうとこだから、地獄って言われた亡者がしょっちゅう逃げるのよ。それ捕まえるためなんだけど……加減ってもんがなぁ、出来ねーんだよなぁ何度言っても。それさえなきゃ、基本的に多忙ってわけでもないのよ、整備局は』
──なるほど。では、お仕事の中で好きな部分はありますか?
『無いね。皆無。出来れば仕事なんてしたくない』
──な、なるほど。やはり大変なお仕事ということですね。では、ご趣味はなんですか?
『飯屋めぐりかな。雰囲気良いとことか、カジュアルでも美味かったりとか、珍しい酒を置いてたりとか。そういうの見つけるとテンション上がる』
──楽しそうなご趣味ですね。好きな食べ物がおつまみ系なのは、やはりお酒がお好きだからですか?
『そうだな。美味い飯と美味い酒と美男美女、これが生き甲斐だね』
──では、最後に読者の皆様へひと言お願い致します。
『みんな仕事やら家庭やら大変だろうけど、上手いこと気晴らし見つけて楽しくやってこうぜ! 遊びたくなったら、いつでも誘ってくれよな』
──赤裸々なご回答、有難うございました。
以上、真砂様の素顔が垣間見える、充実したインタビューでした。やはり、重責を担うお仕事をされている方は、ライフバランスも上手く保たれていることがよく分かりましたね。
月刊Hell一同、真砂様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。──
◇
「けっ。あの好色ジジイ、雑誌でまで嫌味たぁ、ねちっこい野郎だぜ。大人ぶったことばっかり言いやがって、腹立つな」
「夕立様、やっぱり注目するところがズレてる……。こんなのもう、告白してるも同然じゃないか……」
「あ? なにブツブツ言ってんだ、月出」
「いえ、なんでもありません!」
「千年の片思いかぁー、ロマンチックー! 真砂さまって、実は一途なタイプなんですね」
「アイツがそんな殊勝なわけあるか。騙されるんじゃねぇぞ、丑生。こんなもん、ウケ狙いで適当言ってるに決まってんだろ」
「えー、そうですかねぇ?」
「はぁ……。真砂様が不憫に思えてきたな……」
皮肉にも、真砂の分析はかくも的確であることが証明された記事であった。
本日は閻魔庁の地盤を支える整備局、局長の真砂様に取材許可を頂きましたので、簡単にご本人のプロフィールを紹介します。
名前・真砂
職業・閻魔庁 整備局 局長
種族・鬼神、白銀種
身長・215cm
武器・拳鍔(ナックルダスター)
好きな食べ物・たこわさ、刺身、揚げ出し豆腐
嫌いな食べ物・里芋の甘煮
好きなもの・楽しいこと全般
嫌いなもの・退屈なこと、見合い話
では早速、お話を伺っていきたいと思います。
──本日はお忙しい中、お時間を頂き有難うございます。
『いやいや、こちらこそ! 読んだよ、夕立と陀津羅の回。面白かったわぁ。しかし大臣の後が俺じゃ、だいぶ格が下がると思うけど、良いのかねぇ』
──とんでもございません! 整備局は大変、重要な部署ですし、真砂様は白銀鬼神の大名家でいらっしゃいますから!
『いやぁ、照れるなぁ。そんなに凄くないよ、俺んちなんて』
──ご謙遜がお上手でいらっしゃる、奥ゆかしいお方です。では、質問に入らせて頂きますね。
『はいよ、なんでもどうぞ』
──休日はなにをして過ごしていらっしゃいますか?
『午前中は鍛錬して、午後からはぶらぶらしてることが多いかな』
──鍛錬というのは、例えばどのようなことをなさるんですか?
『古武術をひと通り。特に体術系メインでやってるよ。デスクワークが多いから、油断するとすぐ鈍っちゃうからさぁ』
──なるほど。ご愛用武器が拳鍔なのは、近接戦闘を得意とされているからなんですね。
『逆かな。エモノがなくても戦えるようにってのが家訓でね。脳筋ばかりで嫌になるよ、ほんと』
──流石は鬼神名家でいらっしゃいます。では、午後からは具体的にどんなことをされていますか?
『適当に歓楽街ぶらついて、可愛い子が居たら誘って飲みに行く』
──真砂様ほどの人気者となれば、さぞお付き合いされた方も多いんでしょうね。
『そうでもないよ。ラフな関係が多いから、その日、楽しく過ごせればそれで良いって感じ』
──特定の方はいらっしゃらないと?
『居ないね』
──因みに、好きな方はいらっしゃいますか?
『まぁ、居るっちゃ居るかな。片思いだし、ほとんど諦めてるけど』
──なんと! 真砂様が片思いされているとは衝撃の事実です! お気持ちを伝えたりはされましたか?
『それとなく誘ってはいるんだけど、まったく取り合ってもらえねーの。むしろ、めちゃくちゃ邪険にされてる。ま、そこも良いんだけどね』
──なんというか、意外すぎました……。その方とはいつお知り合いに?
『もうかれこれ千年弱になるなぁ。一目惚れとは言わないけど、二目惚れくらいだったわ。あの頃が懐かしいぜ』
──千年も思い続けていらっしゃるとは、真砂様の新たな一面を知ることが出来て光栄です。しかしこれ、記事にしても構わないのでしょうか? その方も読まれるのでは?
『ああ、良いの良いの。読まないと思うし、読んだところで絶対気づかないから』
──このような質問は野暮かと思いますが、お好みのタイプなどお聞きしても?
『うーん……真面目なんだけどちょっとズレてて、自分のこととなると鈍いくせに他人の変化には敏感で、ぶっきらぼうなのに優しくて、たまに見せる笑顔がたまらなく可愛い子、かな』
──かなり特定されていますね。丁寧にお答え頂けてありがたいのですが、本当に掲載して大丈夫でしょうか……さすがに気づかれるのでは……?
『はは、100パーセントないから平気だよ。例え実名を出したとしても、軽口で済まされて終わりさ』
── なんとなく真砂様の笑顔が寂しく見えます……。では仕切り直して、お仕事についてお伺いしますね。整備局で1番大変なことはなんですか?
『もっぱら、どっかの破壊鬼神がぶっ壊す建物の修繕だな。毎日毎日、どこかしら破壊しないと生きていけないんだわ、あいつ』
──そ、それはまた大変そうで……。なぜそんなことになるんでしょうね。
『まぁ閻魔庁は六道が決まっちゃうとこだから、地獄って言われた亡者がしょっちゅう逃げるのよ。それ捕まえるためなんだけど……加減ってもんがなぁ、出来ねーんだよなぁ何度言っても。それさえなきゃ、基本的に多忙ってわけでもないのよ、整備局は』
──なるほど。では、お仕事の中で好きな部分はありますか?
『無いね。皆無。出来れば仕事なんてしたくない』
──な、なるほど。やはり大変なお仕事ということですね。では、ご趣味はなんですか?
『飯屋めぐりかな。雰囲気良いとことか、カジュアルでも美味かったりとか、珍しい酒を置いてたりとか。そういうの見つけるとテンション上がる』
──楽しそうなご趣味ですね。好きな食べ物がおつまみ系なのは、やはりお酒がお好きだからですか?
『そうだな。美味い飯と美味い酒と美男美女、これが生き甲斐だね』
──では、最後に読者の皆様へひと言お願い致します。
『みんな仕事やら家庭やら大変だろうけど、上手いこと気晴らし見つけて楽しくやってこうぜ! 遊びたくなったら、いつでも誘ってくれよな』
──赤裸々なご回答、有難うございました。
以上、真砂様の素顔が垣間見える、充実したインタビューでした。やはり、重責を担うお仕事をされている方は、ライフバランスも上手く保たれていることがよく分かりましたね。
月刊Hell一同、真砂様のご多幸を心よりお祈り申し上げます。──
◇
「けっ。あの好色ジジイ、雑誌でまで嫌味たぁ、ねちっこい野郎だぜ。大人ぶったことばっかり言いやがって、腹立つな」
「夕立様、やっぱり注目するところがズレてる……。こんなのもう、告白してるも同然じゃないか……」
「あ? なにブツブツ言ってんだ、月出」
「いえ、なんでもありません!」
「千年の片思いかぁー、ロマンチックー! 真砂さまって、実は一途なタイプなんですね」
「アイツがそんな殊勝なわけあるか。騙されるんじゃねぇぞ、丑生。こんなもん、ウケ狙いで適当言ってるに決まってんだろ」
「えー、そうですかねぇ?」
「はぁ……。真砂様が不憫に思えてきたな……」
皮肉にも、真砂の分析はかくも的確であることが証明された記事であった。
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拙作にお付き合いくださり、大変嬉しく存じます^^*
温かいお言葉のひとつひとつを、大切に心へ刻ませて頂きます。
ご感想、本当に有難うございました(。ᵕᴗᵕ。)