88 / 208
パラサイト
時給
しおりを挟む
「きゃーっ」
と、両手をクロスして胸を隠しながら、秋吉は私から離れた。
その勢いで、転びそうになった私は、何か「キャー」だ、と、腹が立ったが、雇い主にサボりを見つかった衝撃の方が勝って、時計を確認する。
休み時間…だよな、まだ、私はっ。
私は、時計の針に自分の認識を裏付けされて気持ちを落ち着けた。
「すいません。すぐ戻ります。」
一呼吸して、冷静に長山に言った。
長山は、私を軽く見てから、少しいかつい顔で秋吉を睨む。
「秋吉さん、現場で遊ばないでください。」
そう言われて、秋吉は苦笑する。
「…すいません。」
秋吉が直立して真面目に謝った。
私は、慌ててフォローに入る。
「すいません。私が、草柳さんに会いたいと言ったものですから。」
と、言いながら、何か、割りきれない気持ちが込み上げてくる。
そうだ、長山。
長山が、池の話を聞いて、慌てて温室を出ていったりするから、混乱したのだ。
「そうですか…。」
長山は何かを考えるように一度、床に視線を落とした。
「草柳レイさんとは、この方なのでしょうか?」
私は、思いきって聞いてみた。
そう、長山は私の話を聞いて池に向かった。
この…ロボが本当に草柳レイだとしたら、池にいるわけがない。
だとしたら、長山は何に驚いたと言うのだろう?
「はい、そうです。だから、驚きましたよ~。レイさんが池にいるなんて、池上さんが言うから。」
はあっ……○_○)!!
目眩(めまい)がしてきた。確かに、いま、ソファーに座る彼女が、池にいるなんて言われたら、ビックリするに違いはない。
穴があったら入りたい(///∇///)
私が、恥ずかしさで頭がおかしくなりそうになっていると、長山はぼやくようにこう続けた。
「本当に驚きましたよ。1号を若葉さんが、池に運んだのかと思いましてね。」
「い、1号!?」
だ、ダメだ、1号とか言われると、昭和のロボアニメのオープニング曲が頭を回る。
「確かに、そうですよね?7年前の話ですからね。俺だって学生だったし。
ほら、あの時給1500円でロボットが派遣されたときには、俺、働いてましたから。」
秋吉が懐かしそうに話をする。
その内容に、自分が随分と老け込んだような気がした。
と、両手をクロスして胸を隠しながら、秋吉は私から離れた。
その勢いで、転びそうになった私は、何か「キャー」だ、と、腹が立ったが、雇い主にサボりを見つかった衝撃の方が勝って、時計を確認する。
休み時間…だよな、まだ、私はっ。
私は、時計の針に自分の認識を裏付けされて気持ちを落ち着けた。
「すいません。すぐ戻ります。」
一呼吸して、冷静に長山に言った。
長山は、私を軽く見てから、少しいかつい顔で秋吉を睨む。
「秋吉さん、現場で遊ばないでください。」
そう言われて、秋吉は苦笑する。
「…すいません。」
秋吉が直立して真面目に謝った。
私は、慌ててフォローに入る。
「すいません。私が、草柳さんに会いたいと言ったものですから。」
と、言いながら、何か、割りきれない気持ちが込み上げてくる。
そうだ、長山。
長山が、池の話を聞いて、慌てて温室を出ていったりするから、混乱したのだ。
「そうですか…。」
長山は何かを考えるように一度、床に視線を落とした。
「草柳レイさんとは、この方なのでしょうか?」
私は、思いきって聞いてみた。
そう、長山は私の話を聞いて池に向かった。
この…ロボが本当に草柳レイだとしたら、池にいるわけがない。
だとしたら、長山は何に驚いたと言うのだろう?
「はい、そうです。だから、驚きましたよ~。レイさんが池にいるなんて、池上さんが言うから。」
はあっ……○_○)!!
目眩(めまい)がしてきた。確かに、いま、ソファーに座る彼女が、池にいるなんて言われたら、ビックリするに違いはない。
穴があったら入りたい(///∇///)
私が、恥ずかしさで頭がおかしくなりそうになっていると、長山はぼやくようにこう続けた。
「本当に驚きましたよ。1号を若葉さんが、池に運んだのかと思いましてね。」
「い、1号!?」
だ、ダメだ、1号とか言われると、昭和のロボアニメのオープニング曲が頭を回る。
「確かに、そうですよね?7年前の話ですからね。俺だって学生だったし。
ほら、あの時給1500円でロボットが派遣されたときには、俺、働いてましたから。」
秋吉が懐かしそうに話をする。
その内容に、自分が随分と老け込んだような気がした。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
それなりに怖い話。
只野誠
ホラー
これは創作です。
実際に起きた出来事はございません。創作です。事実ではございません。創作です創作です創作です。
本当に、実際に起きた話ではございません。
なので、安心して読むことができます。
オムニバス形式なので、どの章から読んでも問題ありません。
不定期に章を追加していきます。
2025/12/27:『ことしのえと』の章を追加。2026/1/3の朝8時頃より公開開始予定。
2025/12/26:『はつゆめ』の章を追加。2026/1/2の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/25:『がんじつのおおあめ』の章を追加。2026/1/1の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/24:『おおみそか』の章を追加。2025/12/31の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/23:『みこし』の章を追加。2025/12/30の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/22:『かれんだー』の章を追加。2025/12/29の朝4時頃より公開開始予定。
2025/12/21:『おつきさまがみている』の章を追加。2025/12/28の朝8時頃より公開開始予定。
※こちらの作品は、小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで同時に掲載しています。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる