夏の夜話 短編集

のーまじん

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無人駅

ごきげんよう

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 長々と私の下らない話をしてしまい、すいませんでした。

 その後、到着した電車は、ホームの惨状にパニックになり、
 その出来事は、インターネットの検索ワードを一瞬で塗り替えてゆきました。
 私の作品は、『魔神』の予言通り注目され、この出来事は手記としてコミカライズされたのです。

 私は書籍作家の末席に名を残し現在に至ります。

 どうそじんは、それとは違うペンネームです。

 私は、もう一度、自分の本来書きたかった世界に挑戦したいと考えているのです。
 けれど、もう、手遅れかもしれません。
 あの時、私もまた、あのガラケーの黒ユリに触れてしまったから。
 でも、私の黒ユリは、愛しい相手に送るユリ。
 私は、人ならざるモノに見染められたのです。

 最後にもう一度、言わせてください。

 あなたの考えているやり方でポイントを集めても、幸せにはなれないと私は考えます。

 なぜなら、読者層が変わってしまうからです。
 少なくとも、私はそうでした。

 そうしたら、なかなか、イメージの違う話を書く事が、かなわなくなるのです。

私はあなたの作品が大好きです。目を閉じると見えるようなあなたの文書。
植物の表現も、
風の歌う音の表現も。
廃駅になった、あの駅への哀悼のあのうたも。

 現在、私は都会に住んでいるのですが、につまるとあの沿線に遊びに行くのです。
 そして、駅のホームであなたの詩を口ずさみます。
 もしかしたら、何度かすれ違っているかもしれませんね。
 これからの先生の活躍をお祈りしています。
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