いまこの瞬間が止まればいいのに

銀河猫

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体育祭 準備

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 テスト期間が終わりいよいよ体育祭の準備が本格的になってきた。

 この学校はそれぞれの学年6クラスあり3クラスごとに赤組白組に分かれるらしい。

 今、僕は殺人的な日差しが降り注ぐグラウンドにいる。

 2年の赤組3クラスで授業時間を使って合同種目で勝つ為にざっくりと体力測定をするらしい。皆さんガチすぎませんか?

 とりあえず100メートル走、握力測定など適当に流す。握力は50.6だったのだがその際、鈴宮がやたら腕をペタペタ触ってきたのだがそんなに貧弱だと思われてたのだろうか。

 さらに僕を憂鬱にさせるのが日差しだけではない。余興に等しい種目にくじ引きで選ばれてしまったのだ。

 その競技とはデカパン競走である。デカパン競走とはその名の通りデカパンを履いてゴールまで走る競技である。で。

 男女でというのも問題なのだが相方の女がこれまた有名なのが問題である。

 熊谷くまがや かおる   身長が高くてクール美人なカッコイイ人で男女にすごいモテる。一時期部活をやっていたそうだが辞めたらしい。

 本来なら僕とはなんの縁も無さそうな人だが、昼時間ちょくちょく僕のいるベンチまでやってくるのだ。ただ弁当を食べてボーッとしてる事も有れば時折話しかけてくる事もある。不思議とその時間が嫌いではなく、お陰で彼女とはそこそこ話す仲である。

 「よろしくね。鷹宮」

 「ああ、こちらこそよろしく。熊谷」

 うわぁ、顔綺麗。そして周囲の視線もすげぇ。

 「デカパン競走なんて初めて聞いたよ。私。」

 「僕もだよ。今まで定番すぎる競技しかした事なかったから少し戸惑ってる」

 「ふふ。周りの視線凄いし早速練習しようか」

 「…そうだな」

 彼女が微笑んだだけでこちらに向けられる視線に殺意が混じりはじめた。
 …絵になる人だなぁ

 そんなこんなでとりあえず走る。

 「これ、疲れるし結構恥ずかしいね」

 「言うな。意識しないようにしてるんだから」

 「普通男の子ならもっとくっついて来そうな物だけど、鷹宮は紳士だね」

 「…………まぁな」

 これがイケメンか…
 オーラが眩しすぎて浄化されそう。

 それから僕達は暫く走っては話すを繰り返していた。


 


 「…ねぇ、葵。アレ、どう思う」

 「う、う~ん。ライバル出現!…だったりして?」

 「…………」

 「鈴、顔…ヤバイよ…?」

 「おーい。葵、玲香ー」

 「あれ?司君?どうしたの?」

 「ああ、今ちょうど休憩でな。偶々目に入ったんだがなんか玲香が不穏な気配を放ってるように見えてな」

 「それが、アッチを見てもらえばわかるかな」

 そう言って私が指を差した鷹宮君の方を見る

 「ああ、なるほど」

 「理解が早くて助かるよ」

 「とりあえず玲香、一旦落ち着け」

 「何?もともと落ち着いてるけど?」

 目も座っていて今にも突撃しそうなのにどの辺が落ち着いてるのだろうか。

 「今焦って突撃なんてしようもんなら状況が悪化するだけだぞ。」

 「そうそう。一旦落ち着いて様子をみよう」

 「いざ体育祭が始まれば頑張ってる辰巳の応援とかで好感度が稼げるしな」

 「司君の言う通りだよ。いっときの我慢だよ、鈴」

 「な、なるほど。その方が良さそうね。…ん?あれ?葵、あんたいつの間に司のこと名前呼びになったの⁉︎」

 「ごく最近からだよ。別にそんな気にする事じゃないと思うんだけどなぁ」

 「そうだな。むしろそっちこそ名前で呼んでもらわないのか?」

 俯きがちに赤くなった顔を隠しながら話し始める。

 「…その、実は…って呼んでくれたの、…それにね、自分のことオレって言っててカッコよくて」

 「うっわぁ。熱いねぇ」

 「そうだなぁ。聞いてるこっちまで熱くなってくる。それに聞いてない事まで喋りだしてるし」




 なんか鈴宮達の所も盛り上がっている。

 「これなら本番も大丈夫そうだね」

 「そうだな。最悪転ばなければいいよ」

 「鷹宮らしいな」

 「これが僕らしいなんて一体どう思われてるのか気になるとこだが、これかも練習一緒になるから改めてよろしく」

 「ああ、暫くよろしく」

 日光と視線(若干の殺意)に晒され続けた練習時間はやたらと長く感じたがそれなりには充実した時間だった。
 やはり運動は大事ということか。


 普段適当に流してるのにいつもの授業の時よりも走って気を使って疲れたのか残りの授業全て眠ってしまった。




 そんでもって今日鈴宮家に呼び出され爆睡決めた事を凄まじく怒られた。あと熊谷の事についてもやたら聞かれた。

 しかし同級生に説教されるとは……何よりその後香澄ちゃんに慰められたのがきく…


 「辰巳、体育祭頑張ろうね」

 「ん、おう」

 「私も頑張るから見てて」

 「ああ、応援するよ。じゃあまたね」

 そう言って僕は鈴宮家をあとにする。体育祭か…3年ある高校生活でだった1度だけ。真面目に取り組むべきだろうか?楽しめるだろうか、楽しんでもらえるだろうか。

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