40 / 109
第七話・京都駅・ナビゲーションされる人生ルート(四)
しおりを挟む
「運行規定的には、かなりアウトでしょう、それ。」
階段の下から、軽い笑いを含んだ声が飛んできた。
綾女が中央大階段のいちばん下の影の中に立ち、透明な傘を片手に、上を見上げていた。
ちょうど外から入ってきたばかりなのだろう。風が雨粒を運び込んできて、彼女のトレンチコートの裾を濡らしている。
彼女は傘をたたみ、それを遠慮なく側の傘立てに放り込んだ。
「さっき、西木屋でバイトしてる京大の学生をひとり見送ってきたところ。」
彼女は顎を上げる。
「駅に入ってきたら、『出て行きたい人たち』をわざわざ引き留めようとしてる奴がいたからね。」
声は大きくないが、妙に澄んでいて、よく通る。
スーツの男の眉が、ほんのわずかに動いた。
「君が、あの小さな居酒屋の女主人か。」
彼は興味を覚えたように、綾女を一瞥した。
「どのノードに行っても、たいてい君の気配がする。」
「情報ってやつは、耳と時間でしか溜まらないからね。」
綾女は笑った。
「上から人の流れを見下ろしてると、いちばん端っこに立ってる人のこと、忘れがちになるんじゃない?」
その一言が落ちるのとほとんど同時に、劉立澄は動き出していた。
彼は男に向かって直線的に突っ込むのではなく、空中回廊の内側を回り込む階段を、外縁ぎりぎりをなぞるように下りていく。
足音のリズムは、一般的な駆け足とは違っていた。
踏み出しの一歩一歩が、ほんの少しだけ遅い。
膝はわずかに内側に入り、足裏はつま先が先に床を捉え、そのあとで踵が落ちる。ほんの一瞬で、重心がつま先から踵へと転がっていく。
それは、長い時間をかけて身体に叩き込まれた体術の歩法だった。
この身体は、誰の目にも見えない場所の稽古場で、何度も削られてきたのだ。
彼は手すりすれすれを滑るように駆け下りる。
外から見れば、ただ、誰かが少し速く階段を下っているようにしか見えないだろう。
だが、「線」にとっては違う。術式で敷かれたルートにとって、彼の一歩一歩は、要の節点を踏み抜く一打だ。
踏衡九転――本来は山道や屋根の上での位置取りに使う術。
今、その用途は、駅という三層構造の空間での「高さ」の補正に向けられている。
数段おきに、空間の傾きがほんの少しずつ修正されていく。
引き伸ばされた通路は、最初こそ変化が分からない。
しかし中を歩いている人たちの足取りには、少しずつ変化が表れ始める。
彼らは「ずいぶん歩かされた」と感じていたはずなのに――
いつの間にか、足元にまとわりついていた重さが、少しずつ薄れていく。
誰かがふと、足を止めた。
振り返ると、通路の入口は、思っていたよりずっと近くにある。
「おかしいな……」
彼は目をこすり、首を傾げた。
進もうか、引き返そうか迷ったちょうどそのとき、通路の出口から風が吹き込んできた。
遠くで、新幹線の入線メロディが鳴る。
その瞬間、胸の奥で押しつぶされていたある感覚が、ぽんと跳ね上がった。
――「今行かないと、本当に一生行けなくなる。」
それは、この世のどんな放送よりも真っ直ぐな声だった。
通路の外で、スーツの男の目が冷たく細められる。
「ルート制御が揺らいでいる。」
彼は空中に向かって小声で報告した。
「上行線の干渉レベルが、想定値を超えた。」
返事はない。
ただ頭上の裂け目の一部が、肉眼には見えないほどのかすかな光を、ちかりと弾いた。
劉立澄は、中央大階段の下端から身を翻し、手すりを支点にして別のフロアの踊り場へと飛び移った。
駅構内の空間は、その瞬間、三層に引き伸ばされたように見える。
最下層には、人波と通路。
中層には、大階段とショップ。
そして最上層には、ガラスの穹頂と、かすかな裂け目。
彼は中層に立つ。
左手を軽く上げると、空中に細長い剣が形を取った。
澄心剣。
剣身は地味で、誇張された光はない。だが、雨に煙る光の中で、その輪郭だけは驚くほど澄んで見えた。
剣先は、駅内放送のスピーカーの方角を指している。
その瞬間、スピーカーから流れていた「足元にご注意ください」「走らないでください」といった安全アナウンスが、わずかに引っかかったように途切れた。
音声トラックを一本、抜かれたような違和感。
すぐ後ろから、別のものが顔を出す。
彼にしか聞き取れない声だ。
誰かがかつて言った言葉。
――「お前がいなくなったら、家はどうする?」
――「女の子が一人でそんな遠くまで行くなんて、ちょっとねえ。」
――「どこにいても仕事は仕事なんだし、わざわざ動く必要ないだろ。」
もともとバラバラの記憶の中に散っていた声が、術式で編集され、「引き止めるためのBGM」として、駅のアナウンスに混ぜ込まれていた。
それらの声が、何度も、何度も、「出て行きたい人」の耳に流し込まれていたのだ。
剣先が、空中の見えない音声トラックをひと撫でする。
借り物の声が一本一本、弾き飛ばされる。
多重録音された音軌道が分離され、切り離されていく。
本来、その人自身だけの、小さな声だけが露わになる。
――「もうこんなふうには続けたくない。」
「人のノイズを下げてやっているわけか。」
上からスーツの男の声が落ちてくる。
「それは、実験倫理的に問題だろう。」
「彼らの声じゃない部分を消しているだけだ。」
劉立澄は答えた。
「君たちのサンプルは、まだ十分残ってる。」
右手が空を掴む。
それまで何も持っていなかった手に、弧を帯びた日本刀が形を成す。
鞘が重力に引かれて滑り落ち、短い「チャリン」という音が鳴った。
龍牙。
澄心剣よりわずかに幅広で、それでいて、刃文は極端に薄い。
駅の照明の下で他の刃物のように光を弾くことはなく、むしろ周囲の光を吸い込んでしまうような暗さを帯びている。
「剣は、文字に向けて使う。」
彼は言う。
「刀は、道に向けて使う。」
彼は身を低く構え、再び足を切り替えた。
二歩は軽く、三歩目だけわずかに重く。
つま先が先に触れ、踵がそれに続く。
その一連のステップが、駅という空間に複雑な円を描いていく。
地を縛り、人を堰き止める術――これまでも別の戦いで何度も使ってきた技を、彼は今、別の用途に重ねていた。
――歪められたルートだけを、一時的に小さな円の中に封じる。
「この駅全体のナビゲーションシステムを、ここで止められると思っているのか。」
スーツの男は、やや苛立ったように手首を上げた。
彼の背後で、大スクリーンの路線図が、誰かにひっくり返されたように反転する。
すべての線の上に、淡い影が浮かび上がった。
それは、無数の通勤者や旅行者、観光客の影が幾重にも重なってできたものだ。
彼らが過去の何日にもわたり、同じルートを何度も往復した軌跡。
その軌跡を、彼は抜き取り、何本かの「パス・パペット」に編み上げていた。
それらには、人の輪郭はほとんどない。
人影の壁だ。
地下鉄に駆け込もうとする人影ばかりを集めた壁が、下から上へと押し寄せる。
スーツケースを引く影で出来た壁が、階段を逆流して下りてくる。
傘をさし、スマホを掲げる人影が、店の前でいっせいに立ち止まり、また揃って向きを変える壁もある。
それらは、人を殴るためにあるのではない。
ただ、異物をすべて「いつもの通路」に押し戻そうとする。
階段の下から、軽い笑いを含んだ声が飛んできた。
綾女が中央大階段のいちばん下の影の中に立ち、透明な傘を片手に、上を見上げていた。
ちょうど外から入ってきたばかりなのだろう。風が雨粒を運び込んできて、彼女のトレンチコートの裾を濡らしている。
彼女は傘をたたみ、それを遠慮なく側の傘立てに放り込んだ。
「さっき、西木屋でバイトしてる京大の学生をひとり見送ってきたところ。」
彼女は顎を上げる。
「駅に入ってきたら、『出て行きたい人たち』をわざわざ引き留めようとしてる奴がいたからね。」
声は大きくないが、妙に澄んでいて、よく通る。
スーツの男の眉が、ほんのわずかに動いた。
「君が、あの小さな居酒屋の女主人か。」
彼は興味を覚えたように、綾女を一瞥した。
「どのノードに行っても、たいてい君の気配がする。」
「情報ってやつは、耳と時間でしか溜まらないからね。」
綾女は笑った。
「上から人の流れを見下ろしてると、いちばん端っこに立ってる人のこと、忘れがちになるんじゃない?」
その一言が落ちるのとほとんど同時に、劉立澄は動き出していた。
彼は男に向かって直線的に突っ込むのではなく、空中回廊の内側を回り込む階段を、外縁ぎりぎりをなぞるように下りていく。
足音のリズムは、一般的な駆け足とは違っていた。
踏み出しの一歩一歩が、ほんの少しだけ遅い。
膝はわずかに内側に入り、足裏はつま先が先に床を捉え、そのあとで踵が落ちる。ほんの一瞬で、重心がつま先から踵へと転がっていく。
それは、長い時間をかけて身体に叩き込まれた体術の歩法だった。
この身体は、誰の目にも見えない場所の稽古場で、何度も削られてきたのだ。
彼は手すりすれすれを滑るように駆け下りる。
外から見れば、ただ、誰かが少し速く階段を下っているようにしか見えないだろう。
だが、「線」にとっては違う。術式で敷かれたルートにとって、彼の一歩一歩は、要の節点を踏み抜く一打だ。
踏衡九転――本来は山道や屋根の上での位置取りに使う術。
今、その用途は、駅という三層構造の空間での「高さ」の補正に向けられている。
数段おきに、空間の傾きがほんの少しずつ修正されていく。
引き伸ばされた通路は、最初こそ変化が分からない。
しかし中を歩いている人たちの足取りには、少しずつ変化が表れ始める。
彼らは「ずいぶん歩かされた」と感じていたはずなのに――
いつの間にか、足元にまとわりついていた重さが、少しずつ薄れていく。
誰かがふと、足を止めた。
振り返ると、通路の入口は、思っていたよりずっと近くにある。
「おかしいな……」
彼は目をこすり、首を傾げた。
進もうか、引き返そうか迷ったちょうどそのとき、通路の出口から風が吹き込んできた。
遠くで、新幹線の入線メロディが鳴る。
その瞬間、胸の奥で押しつぶされていたある感覚が、ぽんと跳ね上がった。
――「今行かないと、本当に一生行けなくなる。」
それは、この世のどんな放送よりも真っ直ぐな声だった。
通路の外で、スーツの男の目が冷たく細められる。
「ルート制御が揺らいでいる。」
彼は空中に向かって小声で報告した。
「上行線の干渉レベルが、想定値を超えた。」
返事はない。
ただ頭上の裂け目の一部が、肉眼には見えないほどのかすかな光を、ちかりと弾いた。
劉立澄は、中央大階段の下端から身を翻し、手すりを支点にして別のフロアの踊り場へと飛び移った。
駅構内の空間は、その瞬間、三層に引き伸ばされたように見える。
最下層には、人波と通路。
中層には、大階段とショップ。
そして最上層には、ガラスの穹頂と、かすかな裂け目。
彼は中層に立つ。
左手を軽く上げると、空中に細長い剣が形を取った。
澄心剣。
剣身は地味で、誇張された光はない。だが、雨に煙る光の中で、その輪郭だけは驚くほど澄んで見えた。
剣先は、駅内放送のスピーカーの方角を指している。
その瞬間、スピーカーから流れていた「足元にご注意ください」「走らないでください」といった安全アナウンスが、わずかに引っかかったように途切れた。
音声トラックを一本、抜かれたような違和感。
すぐ後ろから、別のものが顔を出す。
彼にしか聞き取れない声だ。
誰かがかつて言った言葉。
――「お前がいなくなったら、家はどうする?」
――「女の子が一人でそんな遠くまで行くなんて、ちょっとねえ。」
――「どこにいても仕事は仕事なんだし、わざわざ動く必要ないだろ。」
もともとバラバラの記憶の中に散っていた声が、術式で編集され、「引き止めるためのBGM」として、駅のアナウンスに混ぜ込まれていた。
それらの声が、何度も、何度も、「出て行きたい人」の耳に流し込まれていたのだ。
剣先が、空中の見えない音声トラックをひと撫でする。
借り物の声が一本一本、弾き飛ばされる。
多重録音された音軌道が分離され、切り離されていく。
本来、その人自身だけの、小さな声だけが露わになる。
――「もうこんなふうには続けたくない。」
「人のノイズを下げてやっているわけか。」
上からスーツの男の声が落ちてくる。
「それは、実験倫理的に問題だろう。」
「彼らの声じゃない部分を消しているだけだ。」
劉立澄は答えた。
「君たちのサンプルは、まだ十分残ってる。」
右手が空を掴む。
それまで何も持っていなかった手に、弧を帯びた日本刀が形を成す。
鞘が重力に引かれて滑り落ち、短い「チャリン」という音が鳴った。
龍牙。
澄心剣よりわずかに幅広で、それでいて、刃文は極端に薄い。
駅の照明の下で他の刃物のように光を弾くことはなく、むしろ周囲の光を吸い込んでしまうような暗さを帯びている。
「剣は、文字に向けて使う。」
彼は言う。
「刀は、道に向けて使う。」
彼は身を低く構え、再び足を切り替えた。
二歩は軽く、三歩目だけわずかに重く。
つま先が先に触れ、踵がそれに続く。
その一連のステップが、駅という空間に複雑な円を描いていく。
地を縛り、人を堰き止める術――これまでも別の戦いで何度も使ってきた技を、彼は今、別の用途に重ねていた。
――歪められたルートだけを、一時的に小さな円の中に封じる。
「この駅全体のナビゲーションシステムを、ここで止められると思っているのか。」
スーツの男は、やや苛立ったように手首を上げた。
彼の背後で、大スクリーンの路線図が、誰かにひっくり返されたように反転する。
すべての線の上に、淡い影が浮かび上がった。
それは、無数の通勤者や旅行者、観光客の影が幾重にも重なってできたものだ。
彼らが過去の何日にもわたり、同じルートを何度も往復した軌跡。
その軌跡を、彼は抜き取り、何本かの「パス・パペット」に編み上げていた。
それらには、人の輪郭はほとんどない。
人影の壁だ。
地下鉄に駆け込もうとする人影ばかりを集めた壁が、下から上へと押し寄せる。
スーツケースを引く影で出来た壁が、階段を逆流して下りてくる。
傘をさし、スマホを掲げる人影が、店の前でいっせいに立ち止まり、また揃って向きを変える壁もある。
それらは、人を殴るためにあるのではない。
ただ、異物をすべて「いつもの通路」に押し戻そうとする。
0
あなたにおすすめの小説
あやかし家族 〜五人の兄と愛され末妹〜
南 鈴紀
キャラ文芸
妖狩りにより両親を奪われ、囚われの身となった半妖の少女・鈴音は浄化の狐火を利用するだけの道具のように扱われていた。呪いにより成長は止まり、容姿も思考も幼いまま、感情が消え失せてもなおただ生かされるままに生きていた。
しかし妖保護部隊本部第一部隊との出会いにより、鈴音の止まっていた時間が動き出す。
掴みどころはないが頼れる氏神・雅仁、兄には厳しいが弟妹には優しい狼の妖・千里、人間嫌いだが人当たりの良い振りが得意な人間・遥杜、可愛いもの好きで元気いっぱいの猫又・鴇羽、大人しいが思いやりに溢れる猫又・瑠璃。
五人の兄と過ごす時間の中で、無いものだらけだった鈴音にもやがて大切なものが増えていく。
妖×家族の心温まる和風ファンタジー。
後宮祓いの巫女は、鬼将軍に嫁ぐことになりました
由香
キャラ文芸
後宮で怪異を祓う下級巫女・紗月は、ある日突然、「鬼」と噂される将軍・玄耀の妻になれと命じられる。
それは愛のない政略結婚――
人ならざる力を持つ将軍を、巫女の力で制御するための契約だった。
後宮の思惑に翻弄されながらも、二人は「契約」ではなく「選んだ縁」として、共に生きる道を選ぶ――。
後宮の手かざし皇后〜盲目のお飾り皇后が持つ波動の力〜
二位関りをん
キャラ文芸
龍の国の若き皇帝・浩明に5大名家の娘である美華が皇后として嫁いできた。しかし美華は病により目が見えなくなっていた。
そんな美華を冷たくあしらう浩明。婚儀の夜、美華の目の前で彼女付きの女官が心臓発作に倒れてしまう。
その時。美華は慌てること無く駆け寄り、女官に手をかざすと女官は元気になる。
どうも美華には不思議な力があるようで…?
【完結】非モテアラサーですが、あやかしには溺愛されるようです
* ゆるゆ
キャラ文芸
疲れ果てた非モテアラサーが、あやかしたちに癒されて、甘やかされて、溺愛されるお話です。
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
灯台の猫と、嘘をつく少女(キャラ文芸短編集)
倉木元貴
キャラ文芸
灯台の猫と、嘘をつく少女
海沿いの町に住む高校生・澪は、灯台に住みつく白猫の声が聞こえる。
猫は澪の“嘘”を見抜き、彼女の心の奥にある後悔を揺さぶる存在だった。
転校生の遥斗が澪の秘密に気づき、二人は白猫の正体を探り始める。
しかし灯台の取り壊しが迫る中、白猫は突然姿を消す。
取り壊し前夜、白猫は澪に「最後の嘘をついてほしい」と告げる。
澪がその嘘を口にした瞬間、白猫は静かに消え、澪は初めて“本音”で未来と向き合う。
紅葉に消える恋
秋の山里で沙耶は、不思議な青年と出会う。彼は人懐っこく優しいが、どこか秘密を抱えている。交流を重ねるうちに心を通わせる二人。しかし秋祭りの夜、月明かりの下で青年の正体が露わになる。
火輪の花嫁 ~男装姫は孤高の王の夢をみる~
秦朱音|はたあかね
キャラ文芸
王を中心に五家が支配する、綺羅ノ国。
五家に覡(かんなぎ)として仕える十六夜家の娘、久遠(くおん)は、幼い頃から男として育てられてきた。
都では陽を司る日紫喜家の王が崩御し、素行の悪さで有名な新王・燦(さん)が即位する。燦の后選びに戦々恐々とする五家だったが、燦は十六夜家の才である「夢見」を聞いて后を選ぶと言い始めた。そして、その夢見を行う覡に、燦は男装した久遠を指名する。
見習いの僕がこの国の后を選ぶなんて、荷が重すぎる――!
久遠の苦悩を知ってか知らずか、燦は強引に久遠を寝室に呼んで夢見を命じる。しかし、初めて出会ったはずの久遠と燦の夢には、とある共通点があって――?
謎に包まれた過去を持ち身分を隠す男装姫と、孤独な王の恋と因縁を描く、和風王宮ファンタジー。
※カクヨムにも先行で投稿しています
後宮なりきり夫婦録
石田空
キャラ文芸
「月鈴、ちょっと嫁に来るか?」
「はあ……?」
雲仙国では、皇帝が三代続いて謎の昏睡状態に陥る事態が続いていた。
あまりにも不可解なために、新しい皇帝を立てる訳にもいかない国は、急遽皇帝の「影武者」として跡継ぎ騒動を防ぐために寺院に入れられていた皇子の空燕を呼び戻すことに決める。
空燕の国の声に応える条件は、同じく寺院で方士修行をしていた方士の月鈴を妃として後宮に入れること。
かくしてふたりは片や皇帝の影武者として、片や皇帝の偽りの愛妃として、後宮と言う名の魔窟に潜入捜査をすることとなった。
影武者夫婦は、後宮内で起こる事件の謎を解けるのか。そしてふたりの想いの行方はいったい。
サイトより転載になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる