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54.ベランダで少しだけ話をしてみる
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遅めの昼食を食べ終えてからベランダに出た。ジャックの腕の中で、風が気持ちいいと思った。
食休みをしたらまた二輪挿しされてしまうのだろうか。想像しただけでふるりとした。
「期待しているのか?」
「期待なんか……してないっ……!」
恥ずかしくなってジャックの胸に顔を埋めた。
「カイトはなんでこんなにかわいいのだろうな」
「か、かわいくなんか、ない、から……」
俺は早川先輩より大きいしがたいもいいんだぞ。かわいいはずがないのだ、と思うのだけどジャックとジャンは巨人族だから俺なんかよりはるかに大きい。ジャックとか3m近くあるし。体格差だけでもまるで大人と子供だ。
ジャックがくくっと笑う。なんか面白くなかった。
「……ジャックって、巨人族の中では背丈ってどうなんだよ? 高い方? それとも普通?」
「そうだな、高い方かもしれん。俺より高い者はあまりいない」
「そうなんだ? ジャンは普通?」
「普通といえば普通だな。エインさまはどちらかといえば低い方だ。それでもただの人よりは大きいだろうが」
「エインさま?」
「カイトの先輩とやらのところにいた巨人族だ」
「ああ!」
早川先輩のところにいた巨人族の名前が確かエインだった。そんなに顔を合わせたわけでもないので覚えていない。つか、先輩以外覚えていないといってもいい。ジャックは苦笑した。
「お茶を飲むか?」
ベランダのベンチにジャックが腰かけて聞いてきた。俺はその腕の中にいるから、必然的に一緒に座ることになった。
「うん」
後ろに控えていたジャンがすぐに用意してくれた。昼食の後だがお茶菓子もついていた。食べやすい大きさのクッキーだった。ミルクティーをこくこくと飲む。これけっこうおいしい。
庭の向こうでレイドじゃない奴隷が見回りをしているのが見えた。今レイドは交替して寝ているのかもしれない。いい天気だった。このまままったりと過ごしてもいいような気がするのだが、色を含んだ目で見られたら落ち着かなくなってしまった。なんだか、そういうことにもこの身体は反応してしまうらしい。厄介だなって思った。
寝起きのぽわぽわはとっくになくなっているから、すぐに抱いてほしいとは思わない。だから俺は気にしないことにした。二人が我慢できなくなればまた寝室に連れ込まれるだろう。それまで俺はのんびり庭を眺めていればいい。
庭の向こうには道があって、その更に向こうに森が見える。以前の俺ならなんかいないかと喜び勇んで入っていってしまうだろう。それできっと迷子になってパーティーメンバーに迷惑をかけるんだ。でももうそんなことはできない。少しでも怪我をすれば身体をおかしくしてしまう。いわゆる免疫不全みたいな状態になっているのだ。
できることは、男たちに愛されることだけ。尻穴の周りと尻穴の中だけはどんなに刺激を受けても平気で、それ以外の場所はいじられ続ければ赤くなってしまったりするので回復魔法を使える人間が側にいないといけない。
弱いなぁって思う。もう冒険もできなくて、確かにお金がなくなってひもじい思いはしないけど……。
なんか目が潤んできた。
「カイト、泣くな……」
目元をジャックの指が拭ってくれた。
「……っ泣いて、ない……」
しょうがないとか、どうしようもないんだとか、自分に言い訳ばかりしている。こんなことなら死んでしまえばよかったのかもしれない。でも俺はまだここにいて、「天使」なんてものになってしまって、生き恥を晒している。
「俺、なんでこの世界に来たのかな……」
「わからん。異世界から人を呼ぶ技は王宮にしか伝わっていないはずだ。だが、その技があるならば自然と渡ることもあるのかもしれない」
よくわからなかったけどなんとなくそれに納得してしまった。先輩は召喚されてこちらの世界に来たらしい。光山先輩がこの世界の王様になって……とか意味のわからないことを聞いた。この世界大丈夫かとか失礼なことを考えてしまった。
もしかしたら光山先輩とか早川先輩がこちらに来てしまったから、それに引かれて渡ってしまったのかもしれないと思えば、ありかなとも考えた。……かなり無理はあるけど。
「カイトにとっては望まない”渡り”だったかもしれない。だが、俺たちはカイトに出会えたことが嬉しくてならないんだ。カイトだから俺たちは嫁を得ることができた。やっと一人前になったんだ」
「……え……」
「この世界には様々な人種がいる。あまり結婚ということに囚われない種族もいるが、巨人族は伴侶がいなければ認められない」
「それって、じゃあ……」
先輩のところの人は?
「エインさまはまた違うが、俺たちはそうなのだ」
「んー……でもさ、俺とは子どもはできないんだろ?」
「子は授かりものだ。できない夫婦など沢山いる。我らにとって大事なものは伴侶なのだ」
「そうなんだ……」
巨人族って全然わからないけどそういうものらしい。性欲が強いから伴侶を得るとずっとヤりまくるというのだ。どんなエロ本だと思う。
「伴侶って何するんだよ?」
わかりきった答えを聞く。ジャックがニヤリとした。かっこよすぎていやだなぁ。
「もちろん、愛し合うに決まっている」
クッキーは一枚しか食べられなかった。
食休みをしたらまた二輪挿しされてしまうのだろうか。想像しただけでふるりとした。
「期待しているのか?」
「期待なんか……してないっ……!」
恥ずかしくなってジャックの胸に顔を埋めた。
「カイトはなんでこんなにかわいいのだろうな」
「か、かわいくなんか、ない、から……」
俺は早川先輩より大きいしがたいもいいんだぞ。かわいいはずがないのだ、と思うのだけどジャックとジャンは巨人族だから俺なんかよりはるかに大きい。ジャックとか3m近くあるし。体格差だけでもまるで大人と子供だ。
ジャックがくくっと笑う。なんか面白くなかった。
「……ジャックって、巨人族の中では背丈ってどうなんだよ? 高い方? それとも普通?」
「そうだな、高い方かもしれん。俺より高い者はあまりいない」
「そうなんだ? ジャンは普通?」
「普通といえば普通だな。エインさまはどちらかといえば低い方だ。それでもただの人よりは大きいだろうが」
「エインさま?」
「カイトの先輩とやらのところにいた巨人族だ」
「ああ!」
早川先輩のところにいた巨人族の名前が確かエインだった。そんなに顔を合わせたわけでもないので覚えていない。つか、先輩以外覚えていないといってもいい。ジャックは苦笑した。
「お茶を飲むか?」
ベランダのベンチにジャックが腰かけて聞いてきた。俺はその腕の中にいるから、必然的に一緒に座ることになった。
「うん」
後ろに控えていたジャンがすぐに用意してくれた。昼食の後だがお茶菓子もついていた。食べやすい大きさのクッキーだった。ミルクティーをこくこくと飲む。これけっこうおいしい。
庭の向こうでレイドじゃない奴隷が見回りをしているのが見えた。今レイドは交替して寝ているのかもしれない。いい天気だった。このまままったりと過ごしてもいいような気がするのだが、色を含んだ目で見られたら落ち着かなくなってしまった。なんだか、そういうことにもこの身体は反応してしまうらしい。厄介だなって思った。
寝起きのぽわぽわはとっくになくなっているから、すぐに抱いてほしいとは思わない。だから俺は気にしないことにした。二人が我慢できなくなればまた寝室に連れ込まれるだろう。それまで俺はのんびり庭を眺めていればいい。
庭の向こうには道があって、その更に向こうに森が見える。以前の俺ならなんかいないかと喜び勇んで入っていってしまうだろう。それできっと迷子になってパーティーメンバーに迷惑をかけるんだ。でももうそんなことはできない。少しでも怪我をすれば身体をおかしくしてしまう。いわゆる免疫不全みたいな状態になっているのだ。
できることは、男たちに愛されることだけ。尻穴の周りと尻穴の中だけはどんなに刺激を受けても平気で、それ以外の場所はいじられ続ければ赤くなってしまったりするので回復魔法を使える人間が側にいないといけない。
弱いなぁって思う。もう冒険もできなくて、確かにお金がなくなってひもじい思いはしないけど……。
なんか目が潤んできた。
「カイト、泣くな……」
目元をジャックの指が拭ってくれた。
「……っ泣いて、ない……」
しょうがないとか、どうしようもないんだとか、自分に言い訳ばかりしている。こんなことなら死んでしまえばよかったのかもしれない。でも俺はまだここにいて、「天使」なんてものになってしまって、生き恥を晒している。
「俺、なんでこの世界に来たのかな……」
「わからん。異世界から人を呼ぶ技は王宮にしか伝わっていないはずだ。だが、その技があるならば自然と渡ることもあるのかもしれない」
よくわからなかったけどなんとなくそれに納得してしまった。先輩は召喚されてこちらの世界に来たらしい。光山先輩がこの世界の王様になって……とか意味のわからないことを聞いた。この世界大丈夫かとか失礼なことを考えてしまった。
もしかしたら光山先輩とか早川先輩がこちらに来てしまったから、それに引かれて渡ってしまったのかもしれないと思えば、ありかなとも考えた。……かなり無理はあるけど。
「カイトにとっては望まない”渡り”だったかもしれない。だが、俺たちはカイトに出会えたことが嬉しくてならないんだ。カイトだから俺たちは嫁を得ることができた。やっと一人前になったんだ」
「……え……」
「この世界には様々な人種がいる。あまり結婚ということに囚われない種族もいるが、巨人族は伴侶がいなければ認められない」
「それって、じゃあ……」
先輩のところの人は?
「エインさまはまた違うが、俺たちはそうなのだ」
「んー……でもさ、俺とは子どもはできないんだろ?」
「子は授かりものだ。できない夫婦など沢山いる。我らにとって大事なものは伴侶なのだ」
「そうなんだ……」
巨人族って全然わからないけどそういうものらしい。性欲が強いから伴侶を得るとずっとヤりまくるというのだ。どんなエロ本だと思う。
「伴侶って何するんだよ?」
わかりきった答えを聞く。ジャックがニヤリとした。かっこよすぎていやだなぁ。
「もちろん、愛し合うに決まっている」
クッキーは一枚しか食べられなかった。
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