44 / 250
44.展開が急すぎる
しおりを挟む
目が覚めた時、太陽の光の位置がおかしかった。そして尻穴がじんじんする。喉が痛い。声上げすぎである。
ふーっと息を吐いて寝返りを打った。尻がきゅんとした。
まだ何かはさまっている、という感覚はないが、腫れている気がする。今日は尻穴を休ませてもらわなければならないだろう。
「……口でしたことないな」
そういえば、とまた思い出す。安田はゲイでもないのに俺自身を口でしてくれるし、岡もしてくれる時がある。俺もした方がいいんだろうかと思うがイマイチする気になれない。
「岡も、安田のことも好きなんだけどな……」
そう呟いた時、
「僕も先輩のこと大好きですよ」
「!?」
いつのまにそこにいたのか、寝室の扉を開けたところに岡がいた。白いシャツにチノパンという姿がなんともそそる。その右手には水の入ったコップ。俺はカァッと顔に熱が上がるのを感じた。
「あ、あの……」
岡はベッドの端に腰掛けると、上半身をうつ伏せで少し持ち上げた状態の俺の背中に口付けた。
「!!」
それからコップを渡してくれた。俺は遠慮なくごくごくと喉を鳴らして飲み、コップを返した。やはり喉が渇いていたようだ。
そしてまた俺の背中に口付けを落とす。
「もう先輩が愛しくてたまらないんです。……一緒に、暮らしませんか?」
「……無理だろ……」
「安田さんも一緒に、部屋をシェアするかんじなら不可能ではないと思うんですけど」
確かに二人で住むとなると男同士でもちょっと世間の目は気になる。だが三人以上なら、仲のいい人間同士が家賃を浮かす為にシェアハウスをしているという体が取れる。
「……岡はそれでいいのか?」
「安田さんはノッてくれましたよ。僕、先輩と二人でHするのも好きなんですけど、やっぱりもう一人先輩を好きな人と一緒にするの好きなんですよね。先輩があられもなく感じてる姿、本当に可愛いので」
「っ、背中……」
岡は俺の背筋を指でツーと辿りながらちゅ、ちゅと何度もキスを落とす。なんだかぞわぞわしてくるからやめてほしかった。
「でもさ、まだ俺たち付き合い始めたばかりだろ……?」
岡は俺より三歳も下だ。そのうちもっと若くて可愛い子がいたら……とか思ってしまう。
「先輩は……僕と暮らすの嫌ですか?」
岡が不安そうな声を出した。そんな風に言われると弱い。
「んー……岡は俺のことまだほとんど知らないだろう? 俺本当にずぼらでさ、飯は作れないし、洗濯もいいかげんだし、部屋の掃除もろくにしないしで、一緒に暮らしたらすぐに幻滅されそうなんだよ」
「先輩のアバウトさは先輩のお宅を訪問した時にわかりました。僕は家事をするのは苦にならない方なので、何かあればその都度言いますよ?」
「智のずぼらっぷりなんて今に始まったことじゃないだろ? 家事は俺も手伝うしな。あんまり智の行動が目に余るようならケツマン犯しまくればいいだろ?」
安田も寝室に来ていたらしい。いつのまに。
「安田は……つか、安田もそれでいいのか?」
「さすがにここじゃ狭いから改めて物件を探す必要はあるだろうけどな。俺と岡でまとめて金出して、智が家賃を払うって方法なら気兼ねもないだろうし」
なんだか眩暈がしてきた。
外堀がすごい勢いで埋められている気がする。いや、それが嫌だというわけではない。ただ展開の早さに俺がついていけないだけだ。
「でも、ちょっと早すぎないか……?」
安田がシーツを剥ぎ、俺を仰向けにした。
「今度は何が不安なんだ? 智はいつだってそうだろう?」
そう、安田が勢いでいろいろなことを成している間に、俺はいつだって二の足を踏んでいる。だから今回俺が岡を犯すと言った時あんなに驚いたのだ。
「あ」
そこまで考えて、全ての責任はやっぱり俺にあるということに気づいた。
「先輩?」
「智?」
「……前向きに検討するけど、急ぐのはやめよーな?」
苦笑して言うと、二人の顔がパァッと明るくなった。そんな顔をされたら逆らえないじゃないか。
「先輩、愛してます!」
そう言って岡が俺の乳首に吸い付く。なんでそこで乳首なんだ。
「智、やっぱお前サイコーだ!」
安田がそう言ってもう片方の乳首に吸い付いた。乳輪からちゅうううっと強く吸われるのが気持ちいい。
「あっ、なんでっ、胸っ……?」
「こういう時はHしないと」
「そうだそうだ」
なんでこんなにこの二人は気が合っているのだろう。
「し、尻はだめだからなッ!」
「はいっ! 舐めるだけにします!」
「おうっ! 薬塗ってやるぜ」
いや、そういうことではなく……。
そのまま俺は、俺の腹が空腹を訴えるまで二人に可愛がられてしまったのだった。
やっぱり早まったかもしれない。
ふーっと息を吐いて寝返りを打った。尻がきゅんとした。
まだ何かはさまっている、という感覚はないが、腫れている気がする。今日は尻穴を休ませてもらわなければならないだろう。
「……口でしたことないな」
そういえば、とまた思い出す。安田はゲイでもないのに俺自身を口でしてくれるし、岡もしてくれる時がある。俺もした方がいいんだろうかと思うがイマイチする気になれない。
「岡も、安田のことも好きなんだけどな……」
そう呟いた時、
「僕も先輩のこと大好きですよ」
「!?」
いつのまにそこにいたのか、寝室の扉を開けたところに岡がいた。白いシャツにチノパンという姿がなんともそそる。その右手には水の入ったコップ。俺はカァッと顔に熱が上がるのを感じた。
「あ、あの……」
岡はベッドの端に腰掛けると、上半身をうつ伏せで少し持ち上げた状態の俺の背中に口付けた。
「!!」
それからコップを渡してくれた。俺は遠慮なくごくごくと喉を鳴らして飲み、コップを返した。やはり喉が渇いていたようだ。
そしてまた俺の背中に口付けを落とす。
「もう先輩が愛しくてたまらないんです。……一緒に、暮らしませんか?」
「……無理だろ……」
「安田さんも一緒に、部屋をシェアするかんじなら不可能ではないと思うんですけど」
確かに二人で住むとなると男同士でもちょっと世間の目は気になる。だが三人以上なら、仲のいい人間同士が家賃を浮かす為にシェアハウスをしているという体が取れる。
「……岡はそれでいいのか?」
「安田さんはノッてくれましたよ。僕、先輩と二人でHするのも好きなんですけど、やっぱりもう一人先輩を好きな人と一緒にするの好きなんですよね。先輩があられもなく感じてる姿、本当に可愛いので」
「っ、背中……」
岡は俺の背筋を指でツーと辿りながらちゅ、ちゅと何度もキスを落とす。なんだかぞわぞわしてくるからやめてほしかった。
「でもさ、まだ俺たち付き合い始めたばかりだろ……?」
岡は俺より三歳も下だ。そのうちもっと若くて可愛い子がいたら……とか思ってしまう。
「先輩は……僕と暮らすの嫌ですか?」
岡が不安そうな声を出した。そんな風に言われると弱い。
「んー……岡は俺のことまだほとんど知らないだろう? 俺本当にずぼらでさ、飯は作れないし、洗濯もいいかげんだし、部屋の掃除もろくにしないしで、一緒に暮らしたらすぐに幻滅されそうなんだよ」
「先輩のアバウトさは先輩のお宅を訪問した時にわかりました。僕は家事をするのは苦にならない方なので、何かあればその都度言いますよ?」
「智のずぼらっぷりなんて今に始まったことじゃないだろ? 家事は俺も手伝うしな。あんまり智の行動が目に余るようならケツマン犯しまくればいいだろ?」
安田も寝室に来ていたらしい。いつのまに。
「安田は……つか、安田もそれでいいのか?」
「さすがにここじゃ狭いから改めて物件を探す必要はあるだろうけどな。俺と岡でまとめて金出して、智が家賃を払うって方法なら気兼ねもないだろうし」
なんだか眩暈がしてきた。
外堀がすごい勢いで埋められている気がする。いや、それが嫌だというわけではない。ただ展開の早さに俺がついていけないだけだ。
「でも、ちょっと早すぎないか……?」
安田がシーツを剥ぎ、俺を仰向けにした。
「今度は何が不安なんだ? 智はいつだってそうだろう?」
そう、安田が勢いでいろいろなことを成している間に、俺はいつだって二の足を踏んでいる。だから今回俺が岡を犯すと言った時あんなに驚いたのだ。
「あ」
そこまで考えて、全ての責任はやっぱり俺にあるということに気づいた。
「先輩?」
「智?」
「……前向きに検討するけど、急ぐのはやめよーな?」
苦笑して言うと、二人の顔がパァッと明るくなった。そんな顔をされたら逆らえないじゃないか。
「先輩、愛してます!」
そう言って岡が俺の乳首に吸い付く。なんでそこで乳首なんだ。
「智、やっぱお前サイコーだ!」
安田がそう言ってもう片方の乳首に吸い付いた。乳輪からちゅうううっと強く吸われるのが気持ちいい。
「あっ、なんでっ、胸っ……?」
「こういう時はHしないと」
「そうだそうだ」
なんでこんなにこの二人は気が合っているのだろう。
「し、尻はだめだからなッ!」
「はいっ! 舐めるだけにします!」
「おうっ! 薬塗ってやるぜ」
いや、そういうことではなく……。
そのまま俺は、俺の腹が空腹を訴えるまで二人に可愛がられてしまったのだった。
やっぱり早まったかもしれない。
27
あなたにおすすめの小説
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる