義兄皇子に囚われて溺愛されてます

浅葱

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五六、快要新年了(まもなく新年)

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 結果的に、曹梅花は明玲が正式に偉仁に嫁いでからも侍女としてこちらの館に残ることになった。
 それについて曹家からは礼状が届いたと、偉仁が呆れたようにみなに伝えた。梅花も実家から手紙が届いたようである。梅花もまた呆れたように明玲に手紙を見せた。
 蘇王の館に侍女として残るということは妾妃になれるのかもしれない。これまで以上に明玲に仕え、決して心象を悪くしてはならない。そして必ずや蘇王の妾妃におさまるようにと書かれていた。

「わぁ……」
「……燃やした方がよかったのでしょうか」
「……いいえ、見せてくれてありがとう。こんな風に考える方もいらっしゃるのね」

 曹家からしたら、少しでも権力者に擦り寄って甘い汁が啜りたいのだろう。でも、と明玲は思う。哥は明玲を一切曹家には関わらせないと言った。だとしたら例え梅花が偉仁の妾妃になったとしても、同じ措置をとるのではないかと考えないのだろうか。梅花の情に訴えるつもりなのか。明玲には理解できそうもなかった。
 梅花はとても機嫌が悪そうだった。
 それは親が愚か故なのか、それとも他に要因があるのか明玲には判別がつかなかった。

「ねぇ……しつこいようだけど、梅花メイファは本当に蘇王の……」
「勘弁してください」

 梅花がうんざりしたように遮った。

「私は普通の家に嫁いで、普通に暮らしたいんです。皇都にはもう近寄りたくもないですし、妾妃もそんなに娶らない方ならなおいいですね」
「……周梨ジョウリーもそうなの?」
「……そうですね。あまり身分の高い方の家に嫁ぐのは遠慮したいです」

 明玲は首を傾げた。明玲も偉仁に嫁ぐのだと聞く前はどのような方に嫁ぐのかと考えたことがあった。けれど相手の家がどのような家であるかなど考えたこともなかった。なるほど梅花も周梨もよく考えていると思った。

「そうなのね」
「明玲様は初めからどなたに嫁ぐか決まっていましたから、あまりピンとこないかもしれませんね」
「どちらにせよ結婚相手は私では決められないから、言うだけ無駄だとは思いますけど」

 梅花がため息混じりに言う。そもそも出会いがない中で選ぶも選ばないもあったものではない。それでも周梨や梅花に関しては趙山琴が目をかけているからあまり望まぬ結果にはならないだろう。

「悪いようにはならないと思うわ……たぶん」
「そこは確信を持って言ってほしかったです」

 はっきりしないことを言えるはずもない。明玲は苦笑した。
 館では新年に向けていろいろ準備を始めていた。明玲はいつも通りだが、館中がせわしなく動いている印象がある。新年はまたみなで皇都へ行かなければいけないらしい。王などと呼ばれていても面倒なことだと偉仁が言っていた。

明玲ミンリン、癒してくれ」

 そう言って偉仁は毎晩明玲を腕の中に閉じ込める。

「早く新年が明けないものか……明玲、そなたを抱きたい……」
「……っ……」

 そんなこと、耳元で囁かないでほしかった。明玲が正式に偉仁に嫁ぐまで偉仁は待っているのだという。それがなんとももどかしいと明玲は思ったが、誘うようなはしたない真似はできなかった。
 でも本当は、明玲は早く哥のものになりたかった。



ーーーー
曹家について偉仁が言ったことについては19話参照のこと。
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