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11.なんだかんだいって嫌いじゃないし
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「風呂……」
毎日ではないが三、四日に一度は入っていた訓練後の楽しみが……。
「カイエ、ごめん。でもカイエのかわいいお尻、揉まれてるの見たら我慢できなくて……」
「だからってお前まで揉むことないだろうっ!」
「上書きしとかないとと思って!」
「あほうっ!」
リックはどう考えてもあほだ。俺はあれから自身が勃ってしまい、それを落ち着かせるのがたいへんだったのだ。絶対尻揉まれて勃ったのは同僚たちにバレていただろう。しかも騒ぎを聞きつけた副団長にものすっごく怒られて大浴場は出禁になるし……リックが来てから踏んだり蹴ったりだ。
同僚たちは取り成してくれたが、そうしたら副団長がものすごい形相で、
「恋人同士で大浴場に来るなと書いてあるだろうっ!」
と禁止事項が書かれたプレートをバンバン叩いた。
「恋人じゃありません!」
「恋人だなんてそんなー」
俺は即座に否定したがリックは身体をくねくねさせて喜んでいた。大馬鹿野郎である。
「とにかく! カイエ! リックがお前に懸想していることはわかっていただろう! お前らの関係がどうにかなるまで大浴場には入るんじゃない!」
「えええええ~~~」
どうにかなったら入っていいのかなーとリックはのんきなことを言っていた。どちらにせよ二度と一緒に入ることはないだろう。
「何か文句があるか?」
ああ? と顎を上げられて俺は震え上がった。副団長だけあってがたいもでかく、それでいて怜悧な美形である。細めの眼鏡が冷たさに拍車をかけていて一部の騎士には超人気だ。アイツらは絶対マゾだ。ちなみに俺は怖がっている方である。それにしても浮いた話一つ聞かないんだよな。性欲ってどうなってるんだろうかとか現実逃避でどうでもいいことを考えた。
「めっそーもございません!!」
「わかったなら部屋へ戻れ!!」
「はい! 申し訳ありませんでした。失礼します!」
という顛末を経て、何故か俺はまたリックを部屋に入れてしまった。入れてから気づく俺ってなんなんだろう。内心ため息をついた。
で、何故かまたベッドに押し倒されている。隣の部屋のナツは今夜もいないようだ。毎晩どこに行っているんだろうか。恋人のところなんだろうな。
問題は俺を押し倒しながら嬉しそうな顔をしているリックである。
「……なんで俺はお前に押し倒されてるんだ?」
「さっき感じてたじゃん。責任もってカイエのこといっぱいイカせるからっ!」
「そんな責任は負わなくていい。とっととどけ!」
「やだー」
やだじゃないっ! どうにかあの場では無理矢理抑えたけど、イッたわけではないのだ。触れられたらすぐにイッてしまうに違いなかった。
「カイエ……好きだよ」
俺の両腕を掴んだまま、リックが真面目な顔で言う。ちょっとどきっとしたのは内緒だ。
「す、好きだからって何してもいいわけじゃないだろ……」
うわん。なんだこの抱かれます側な科白。しかも語尾が消えかけてるし。
「うん、わかってるんだ。でもカイエは僕のこと全然意識してくれないから、せめて意識してほしかった。僕がカイエをお嫁さんにしたいと思うぐらい好きだって」
真面目な顔でそんなこと言われたらどきどきしてしまう。童顔なのになんか凛々しくも見えて、俺は顔が熱くなるのを感じた。
「お、俺は……お前の嫁にはならないよ……」
「今はね」
リックが困ったように笑んだ。
「今だけじゃ……」
「じゃあさ、今は身体の関係だけでもいいよ」
「え……」
意外なことを言われて俺は目を丸くした。
「初日に暴走しちゃってごめんね。本当は給料が入ってから口説く予定だったんだ。騎士の給料ってどれぐらいもらえるのかわからなかったし、でも少なくはないだろうから僕の稼ぎだけでも養えそうだったらって」
「ええ……」
リックはそんなことを考えていたのか。俺を養おう、なんて。胸のどきどきが収まらない。
「お、俺は別に養ってもらう必要なんか……」
「うん、そこはわかってる。カイエの方が先に騎士になったんだから稼いでるのは当たり前だしね。でもいざという時は僕の給料で養えた方がいいでしょ。巨人族はねカイエ、お嫁さんを外に出したくないものなんだ」
「そ、そんなのやだぞ……」
「うん。夫が複数いるならお嫁さんを閉じ込めておいてもいいと思うけど、カイエは僕が独占したいから家の中にいてなんて強要はしないよ」
内心ほっとした。……ほっとしたってなんだよ。
「でもまだ僕の方の準備ができてないから、カイエは僕を性欲処理に使ってよ」
「せ、性欲処理っ!?」
すごい響きだった。どきどきが止まらない。このどきどき、リックに聞こえてないだろうな。
「うん、カイエが気持ちよくなる為の道具にさ……」
そう言ってリックは俺の唇にちゅっと口づけた。ちゅ、ちゅと角度を変えて口づけを受けるのが気持ちいい。俺は観念して身体の力を抜いた。
すぐに服をスムーズに脱がされて、胸をあらわにされてしまう。
「カイエのおっぱい、舐めさせて……」
「お、おっぱいじゃない……あぁっ……!」
胸をやわやわと揉まれて乳首にちゅ、ちゅと口づけられる。
そうだ、リックは俺に性的奉仕をするんだ。それならまぁいいかなんて俺は思ってしまった。
毎日ではないが三、四日に一度は入っていた訓練後の楽しみが……。
「カイエ、ごめん。でもカイエのかわいいお尻、揉まれてるの見たら我慢できなくて……」
「だからってお前まで揉むことないだろうっ!」
「上書きしとかないとと思って!」
「あほうっ!」
リックはどう考えてもあほだ。俺はあれから自身が勃ってしまい、それを落ち着かせるのがたいへんだったのだ。絶対尻揉まれて勃ったのは同僚たちにバレていただろう。しかも騒ぎを聞きつけた副団長にものすっごく怒られて大浴場は出禁になるし……リックが来てから踏んだり蹴ったりだ。
同僚たちは取り成してくれたが、そうしたら副団長がものすごい形相で、
「恋人同士で大浴場に来るなと書いてあるだろうっ!」
と禁止事項が書かれたプレートをバンバン叩いた。
「恋人じゃありません!」
「恋人だなんてそんなー」
俺は即座に否定したがリックは身体をくねくねさせて喜んでいた。大馬鹿野郎である。
「とにかく! カイエ! リックがお前に懸想していることはわかっていただろう! お前らの関係がどうにかなるまで大浴場には入るんじゃない!」
「えええええ~~~」
どうにかなったら入っていいのかなーとリックはのんきなことを言っていた。どちらにせよ二度と一緒に入ることはないだろう。
「何か文句があるか?」
ああ? と顎を上げられて俺は震え上がった。副団長だけあってがたいもでかく、それでいて怜悧な美形である。細めの眼鏡が冷たさに拍車をかけていて一部の騎士には超人気だ。アイツらは絶対マゾだ。ちなみに俺は怖がっている方である。それにしても浮いた話一つ聞かないんだよな。性欲ってどうなってるんだろうかとか現実逃避でどうでもいいことを考えた。
「めっそーもございません!!」
「わかったなら部屋へ戻れ!!」
「はい! 申し訳ありませんでした。失礼します!」
という顛末を経て、何故か俺はまたリックを部屋に入れてしまった。入れてから気づく俺ってなんなんだろう。内心ため息をついた。
で、何故かまたベッドに押し倒されている。隣の部屋のナツは今夜もいないようだ。毎晩どこに行っているんだろうか。恋人のところなんだろうな。
問題は俺を押し倒しながら嬉しそうな顔をしているリックである。
「……なんで俺はお前に押し倒されてるんだ?」
「さっき感じてたじゃん。責任もってカイエのこといっぱいイカせるからっ!」
「そんな責任は負わなくていい。とっととどけ!」
「やだー」
やだじゃないっ! どうにかあの場では無理矢理抑えたけど、イッたわけではないのだ。触れられたらすぐにイッてしまうに違いなかった。
「カイエ……好きだよ」
俺の両腕を掴んだまま、リックが真面目な顔で言う。ちょっとどきっとしたのは内緒だ。
「す、好きだからって何してもいいわけじゃないだろ……」
うわん。なんだこの抱かれます側な科白。しかも語尾が消えかけてるし。
「うん、わかってるんだ。でもカイエは僕のこと全然意識してくれないから、せめて意識してほしかった。僕がカイエをお嫁さんにしたいと思うぐらい好きだって」
真面目な顔でそんなこと言われたらどきどきしてしまう。童顔なのになんか凛々しくも見えて、俺は顔が熱くなるのを感じた。
「お、俺は……お前の嫁にはならないよ……」
「今はね」
リックが困ったように笑んだ。
「今だけじゃ……」
「じゃあさ、今は身体の関係だけでもいいよ」
「え……」
意外なことを言われて俺は目を丸くした。
「初日に暴走しちゃってごめんね。本当は給料が入ってから口説く予定だったんだ。騎士の給料ってどれぐらいもらえるのかわからなかったし、でも少なくはないだろうから僕の稼ぎだけでも養えそうだったらって」
「ええ……」
リックはそんなことを考えていたのか。俺を養おう、なんて。胸のどきどきが収まらない。
「お、俺は別に養ってもらう必要なんか……」
「うん、そこはわかってる。カイエの方が先に騎士になったんだから稼いでるのは当たり前だしね。でもいざという時は僕の給料で養えた方がいいでしょ。巨人族はねカイエ、お嫁さんを外に出したくないものなんだ」
「そ、そんなのやだぞ……」
「うん。夫が複数いるならお嫁さんを閉じ込めておいてもいいと思うけど、カイエは僕が独占したいから家の中にいてなんて強要はしないよ」
内心ほっとした。……ほっとしたってなんだよ。
「でもまだ僕の方の準備ができてないから、カイエは僕を性欲処理に使ってよ」
「せ、性欲処理っ!?」
すごい響きだった。どきどきが止まらない。このどきどき、リックに聞こえてないだろうな。
「うん、カイエが気持ちよくなる為の道具にさ……」
そう言ってリックは俺の唇にちゅっと口づけた。ちゅ、ちゅと角度を変えて口づけを受けるのが気持ちいい。俺は観念して身体の力を抜いた。
すぐに服をスムーズに脱がされて、胸をあらわにされてしまう。
「カイエのおっぱい、舐めさせて……」
「お、おっぱいじゃない……あぁっ……!」
胸をやわやわと揉まれて乳首にちゅ、ちゅと口づけられる。
そうだ、リックは俺に性的奉仕をするんだ。それならまぁいいかなんて俺は思ってしまった。
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