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新しい村で愛されています(続々編)
3.結婚事情を聞いてみます
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妻だって。嫁だって。インが部屋を出て行ってから、俺は枕を抱きしめてベッドでごろごろと転がった。つーか、なんで部屋に連れてくるのにわざわざベッドまで運ぶんだよ。俺、やっと表に出たと思ったら一歩も自分の足で歩いてないぞ。抱き上げられて馬に乗せられて、移動の休憩時間だって抱き上げられて、そしてこの屋敷に着いてからだって床に足をつけてない。靴は? 一応ルームシューズみたいなのは置かれてるし、さっき護衛の人たちに顔見せする時は靴下は履かせられたけど。
なんか、妻の足を他の人間の前で見せてはいけないんだとか。靴下を履いて隠しているのは既婚者の証拠らしい。はうはう……。
「ただいまー、って。ルイは何かわいいことしてんの」
ちょっと確認ーと出て行ったロイが戻ってきた。ベッドでごろごろ転がっている俺を見て笑う。
「……ううう……」
何も言えない。だって今の気持ちは到底言い表せない。ちなみに部屋には護衛としてハレが窓際にいる。つまりごろんごろん転がっているのも見られていたわけだがいいのだ。全く知らない人でもないし。でもなんかロイに見られたのは恥ずかしく思った。よくわからないけど不思議だ。
ロイがベッドに腰掛けた。そしてすぐに俺の上に覆いかぶさってきた。
「びっくりしちゃった?」
「……うん」
何を? とは聞き返さない。だってどう考えたってうちの連中は知っていたに違いないから。知らぬは俺ばかりで、いつのまに、というかんじである。
「目ぇ反らさないの。村長になるってことは社会的立場を確立するってことだからねー。インはルイにぞっこんだし、ルイはインの所有物だから必然的にお嫁さんになっちゃったワケ。わかった?」
「……うん、でも……」
「知らせてほしかった?」
「うん……」
「もー、ホントかわいいなー」
髪に、額に、頬にちゅ、ちゅ、ちゅと口づけられた。
「本当は僕のお嫁さんになってほしかったけどしょうがないよね。みんなさー、わかってるけどルイを自分だけのお嫁さんにしたかったんだ。だから知らせたくなかったの」
「……え」
「インの所有物だってわかってても、少しでも長く僕の恋人でいてほしかったんだよ」
ちゅ、と唇に口づけ。俺は顔が熱くなるのを感じた。
「すぐそうやって赤くなっちゃうところもかわいい。……抱かせて?」
「……うん」
ロイが舌なめずりをする。その舌がエロくて俺はどきどきしてしまった。
「ルイをお嫁さんにするのは無理だけど、旦那様にはできるかなー。だってルイは僕のこと抱くもんね」
「そ、そういうのできるのか?」
「種族によっても違うけど、結婚てわりと自由なんだよ。お互いをちゃんと養うだけの能力があれば旦那さんいっぱい、奥さんいっぱいとかも可能だし」
「そ、そうなのか……」
「まー、でも普通はお互いで精いっぱいだから1:1が普通だけどねー。ファンとハレは混血とはいえ蛇族だから、運命の人を死んでも愛すってかんじだけど」
この間も聞いたけどけっこう重い。
「巨人族だと嫁さんになる人が少ないから、嫁さん一人に対して夫が二人以上とか当たり前みたいだけどねー」
「えええ。……ってことはアイツは……」
今の今まですっかり忘れていた元の世界での会社の後輩を思い出した。確かアイツも天使になって、その所有者が巨人族で……。
「アイツって?」
さすがにロイも忘れているようだ。
「前に、なんか巨人族? の二人が来ただろ? その時に連れてこられた元の世界の……」
「ああ、いきなりルイのおっぱいにしゃぶりついたあの子! そういえばあれから音沙汰ないねー」
「アイツの相手って巨人族が二人だったよな……」
「そうだったよね。多分今はもっと増えてるんじゃないかな。天使さまの護衛含めて最低四人はいないと厳しいし」
「四人……」
四人の巨人族にのしかかられる後輩を想像し、俺はなんともいえない顔をした。
「大丈夫だよ。巨人族はみんなエインみたいにめちゃくちゃ優しいし。今頃メロメロのとろっとろになってると思うよー」
「それならいいんだけどな……」
「ルイのこと忘れるほど愛されてたらいいよね」
「うん、そうだな」
今までどう過ごしていたか聞きたくないわけではないけど、この間みたいにいきなり乳首を吸われるのは嫌だ。ただ乳首を舐めたり吸ったりするだけでも技術って必要なんだなとあれでわかった。そんなこと絶対知りたくなかったが。
「そういえば、こっちの世界の結婚てなんかするのか?」
「え? うーん、特にないけど……親戚がいればお披露目の食事会ぐらいはするかな。元の世界ではどうだったの?」
「えーと……結婚式ってのをやってから披露宴、かな。夫はタキシード? を着て妻はウエディングドレスを着て……」
「ウエディングドレスってどういうの?」
「うーん、白いひらひらがいっぱいついたドレスだよ。今は少し色付きのものもあるみたいだけど、基本は白かな」
「ふーん。なんで白なの? 僕たちが普段着てる服も白いけど」
「えーと確か、白には「清楚」とか「純潔」とかいうイメージがあって、それを着て嫁ぐことで「あなたの色に染まる」みたいな意味があったような……」
なんかロイの目がキラーンと光ったような……。
「へー……ドレスの形とか今度詳しく教えてね」
「……俺は着ないぞ」
「異世界の参考だよー」
なんかあやしい。でもまぁいいか。
「ルイ、抱かせて」
ロイの方が絶対かわいいと思うのに、そんな風に頼まれたら断れない。俺は返事の代わりにロイをぎゅっと抱きしめたのだった。
なんか、妻の足を他の人間の前で見せてはいけないんだとか。靴下を履いて隠しているのは既婚者の証拠らしい。はうはう……。
「ただいまー、って。ルイは何かわいいことしてんの」
ちょっと確認ーと出て行ったロイが戻ってきた。ベッドでごろごろ転がっている俺を見て笑う。
「……ううう……」
何も言えない。だって今の気持ちは到底言い表せない。ちなみに部屋には護衛としてハレが窓際にいる。つまりごろんごろん転がっているのも見られていたわけだがいいのだ。全く知らない人でもないし。でもなんかロイに見られたのは恥ずかしく思った。よくわからないけど不思議だ。
ロイがベッドに腰掛けた。そしてすぐに俺の上に覆いかぶさってきた。
「びっくりしちゃった?」
「……うん」
何を? とは聞き返さない。だってどう考えたってうちの連中は知っていたに違いないから。知らぬは俺ばかりで、いつのまに、というかんじである。
「目ぇ反らさないの。村長になるってことは社会的立場を確立するってことだからねー。インはルイにぞっこんだし、ルイはインの所有物だから必然的にお嫁さんになっちゃったワケ。わかった?」
「……うん、でも……」
「知らせてほしかった?」
「うん……」
「もー、ホントかわいいなー」
髪に、額に、頬にちゅ、ちゅ、ちゅと口づけられた。
「本当は僕のお嫁さんになってほしかったけどしょうがないよね。みんなさー、わかってるけどルイを自分だけのお嫁さんにしたかったんだ。だから知らせたくなかったの」
「……え」
「インの所有物だってわかってても、少しでも長く僕の恋人でいてほしかったんだよ」
ちゅ、と唇に口づけ。俺は顔が熱くなるのを感じた。
「すぐそうやって赤くなっちゃうところもかわいい。……抱かせて?」
「……うん」
ロイが舌なめずりをする。その舌がエロくて俺はどきどきしてしまった。
「ルイをお嫁さんにするのは無理だけど、旦那様にはできるかなー。だってルイは僕のこと抱くもんね」
「そ、そういうのできるのか?」
「種族によっても違うけど、結婚てわりと自由なんだよ。お互いをちゃんと養うだけの能力があれば旦那さんいっぱい、奥さんいっぱいとかも可能だし」
「そ、そうなのか……」
「まー、でも普通はお互いで精いっぱいだから1:1が普通だけどねー。ファンとハレは混血とはいえ蛇族だから、運命の人を死んでも愛すってかんじだけど」
この間も聞いたけどけっこう重い。
「巨人族だと嫁さんになる人が少ないから、嫁さん一人に対して夫が二人以上とか当たり前みたいだけどねー」
「えええ。……ってことはアイツは……」
今の今まですっかり忘れていた元の世界での会社の後輩を思い出した。確かアイツも天使になって、その所有者が巨人族で……。
「アイツって?」
さすがにロイも忘れているようだ。
「前に、なんか巨人族? の二人が来ただろ? その時に連れてこられた元の世界の……」
「ああ、いきなりルイのおっぱいにしゃぶりついたあの子! そういえばあれから音沙汰ないねー」
「アイツの相手って巨人族が二人だったよな……」
「そうだったよね。多分今はもっと増えてるんじゃないかな。天使さまの護衛含めて最低四人はいないと厳しいし」
「四人……」
四人の巨人族にのしかかられる後輩を想像し、俺はなんともいえない顔をした。
「大丈夫だよ。巨人族はみんなエインみたいにめちゃくちゃ優しいし。今頃メロメロのとろっとろになってると思うよー」
「それならいいんだけどな……」
「ルイのこと忘れるほど愛されてたらいいよね」
「うん、そうだな」
今までどう過ごしていたか聞きたくないわけではないけど、この間みたいにいきなり乳首を吸われるのは嫌だ。ただ乳首を舐めたり吸ったりするだけでも技術って必要なんだなとあれでわかった。そんなこと絶対知りたくなかったが。
「そういえば、こっちの世界の結婚てなんかするのか?」
「え? うーん、特にないけど……親戚がいればお披露目の食事会ぐらいはするかな。元の世界ではどうだったの?」
「えーと……結婚式ってのをやってから披露宴、かな。夫はタキシード? を着て妻はウエディングドレスを着て……」
「ウエディングドレスってどういうの?」
「うーん、白いひらひらがいっぱいついたドレスだよ。今は少し色付きのものもあるみたいだけど、基本は白かな」
「ふーん。なんで白なの? 僕たちが普段着てる服も白いけど」
「えーと確か、白には「清楚」とか「純潔」とかいうイメージがあって、それを着て嫁ぐことで「あなたの色に染まる」みたいな意味があったような……」
なんかロイの目がキラーンと光ったような……。
「へー……ドレスの形とか今度詳しく教えてね」
「……俺は着ないぞ」
「異世界の参考だよー」
なんかあやしい。でもまぁいいか。
「ルイ、抱かせて」
ロイの方が絶対かわいいと思うのに、そんな風に頼まれたら断れない。俺は返事の代わりにロイをぎゅっと抱きしめたのだった。
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