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私は、小さな町工場に務めている。職場には御局様がいる。
63歳 パート事務員 白川さん。小柄でポッチャリして、一見ニコニコした優しそうな女性に見えるが、騙されてはいけない。
この女、とんでもないのだ。
自分より下に見ている従業員には挨拶をしない。こちらからしても、無視。
自分が、荷物を運んでいる時には、手を貸さない、もしくは声をかけない従業員には、気が利かない等とヒステリックに怒鳴って怒る。
自分の嫌っている従業員が、事務室に入るとその人が出ていくか出ていかないかのタイミングで、空気が汚れた等といいルームフレグランススプレーを
吹きまくる。
などなど・・・
どうにかして白川さんとは関わらないようにしたいのだが、仕事上そうもいかず毎日、気を使ってあくまでも事務的に会話をすますなどして、やり過ごしていた。
「人が、こんなに重いものを運んでるのにボーして、周り見えてるの?もういいから、そこをどいて!!ジャマだから!!」
白川さんのヒステリックな声が工場にひびく。
「どっちによけてるの?こっち側によけるのが常識でしょ!!それだけのこともできないのね。」
最近入ったパートさんが、白川さんに怒鳴られてる・・・届いた荷物を検品して、決まった場所にしまうのは白川さんの仕事なのに、それを手伝わなかったと言われるのは良い迷惑だ・・・
「ほんと・・・白川さんは気が強いねぇ・・・」
小さな工場なので、社長も現場にでてくる。白川さんより年上だが、まだまだ社長としてがんばっている。
ため息をつきながら、ボソリと私のとなりで社長が呟いた。
いやいやいや、白川さん注意しろよ!!どう見たって言い過ぎじゃん、てか、言いがかりじゃん!!
新人さん、辞めちゃうよ!?何人、あの人のせいで辞めたと思ってんの?
私は呆れて返事が出来なかった。すると
「えっ、思わない?気が強いよね?」
と、再度聞いてくる。しつこい。
今まで、言わずにいたがあれは気が強いんじゃない。
「性格が悪いと思います。」
1日でも見てたら分かるだろ。
今度は社長が黙った。
「・・・。」
絶句して、私を見ている。
もう、これでいい。何人もの若い子があの人に泣かされた。私だって我慢してる。
私のとうとう口から出てしまった本音は、周りに人がいなかったため、社長だけにしか聞かれていなかった。
けれど、どうやら結構な影響を社長に与えてしまったようで・・・
社長の白川さんに、対する態度がガラリと変わったのだ。
今まで野放しで、どんな自己中な内容を怒鳴り散らしてても苦笑いで、自分はそっと場を離れていた社長が、白川さんを注意してる!!しかも、かなりキツめに!!
荷物運びの手伝いの強要には、
「それは君の仕事でしょ?他の人の仕事の手を止めさるようなことはやめなさい。」
「あまり、大声でワガママを主張するのはやめなさい。ここは君の家じゃないんだから。」
そして、営業の男性社員が事務室を退室した際にルームフレグランスをふこうとしたら
「空気が汚れた?キミの人間性の方がよっほど問題がある。彼は、会社のために頑張ってくれているよ。」
社長が白川さんから従業員をかばっている・・・やっと、みんなのストレスを分かってくれたのか!?
それから1ヶ月程たった、ある日、パートの事務員さんが1人増えた。今までずっと社員の事務員さんと白川さんの2人だったし、みんな知らなかったのでビックリした。
社長が職安に募集を出していたようだった。
新しい事務員さんはサバサバした40代の女性で、もともと似たような会社で事務員として働いていたらしく、かなりの即戦力だった。パソコンも得意で仕事が早いし、何よりもうビクビクしながら白川さんに書類やコピーをお願いしなくてすむので、正直、みんな助かったのが本音だ。
ただそのせいで、白川さんの仕事はどんどん減っているようだった。
まあ、普通に考えたら気持ちよく笑顔で対応してくれる人に頼みたいから、仕方ないことだと思う。
新しい事務員さんが入って1ヶ月後、白川さんが退職した。
みんな、またビックリしたが私は、内心ホッとした。なんなら、嬉しかった。
そして、社長から言われた。
「君のあの言葉のお陰だよ。あんまりハッキリ言う君に衝撃を受けて、自分の会社の環境と従業員を守る責任を思い出したよ。」
63歳 パート事務員 白川さん。小柄でポッチャリして、一見ニコニコした優しそうな女性に見えるが、騙されてはいけない。
この女、とんでもないのだ。
自分より下に見ている従業員には挨拶をしない。こちらからしても、無視。
自分が、荷物を運んでいる時には、手を貸さない、もしくは声をかけない従業員には、気が利かない等とヒステリックに怒鳴って怒る。
自分の嫌っている従業員が、事務室に入るとその人が出ていくか出ていかないかのタイミングで、空気が汚れた等といいルームフレグランススプレーを
吹きまくる。
などなど・・・
どうにかして白川さんとは関わらないようにしたいのだが、仕事上そうもいかず毎日、気を使ってあくまでも事務的に会話をすますなどして、やり過ごしていた。
「人が、こんなに重いものを運んでるのにボーして、周り見えてるの?もういいから、そこをどいて!!ジャマだから!!」
白川さんのヒステリックな声が工場にひびく。
「どっちによけてるの?こっち側によけるのが常識でしょ!!それだけのこともできないのね。」
最近入ったパートさんが、白川さんに怒鳴られてる・・・届いた荷物を検品して、決まった場所にしまうのは白川さんの仕事なのに、それを手伝わなかったと言われるのは良い迷惑だ・・・
「ほんと・・・白川さんは気が強いねぇ・・・」
小さな工場なので、社長も現場にでてくる。白川さんより年上だが、まだまだ社長としてがんばっている。
ため息をつきながら、ボソリと私のとなりで社長が呟いた。
いやいやいや、白川さん注意しろよ!!どう見たって言い過ぎじゃん、てか、言いがかりじゃん!!
新人さん、辞めちゃうよ!?何人、あの人のせいで辞めたと思ってんの?
私は呆れて返事が出来なかった。すると
「えっ、思わない?気が強いよね?」
と、再度聞いてくる。しつこい。
今まで、言わずにいたがあれは気が強いんじゃない。
「性格が悪いと思います。」
1日でも見てたら分かるだろ。
今度は社長が黙った。
「・・・。」
絶句して、私を見ている。
もう、これでいい。何人もの若い子があの人に泣かされた。私だって我慢してる。
私のとうとう口から出てしまった本音は、周りに人がいなかったため、社長だけにしか聞かれていなかった。
けれど、どうやら結構な影響を社長に与えてしまったようで・・・
社長の白川さんに、対する態度がガラリと変わったのだ。
今まで野放しで、どんな自己中な内容を怒鳴り散らしてても苦笑いで、自分はそっと場を離れていた社長が、白川さんを注意してる!!しかも、かなりキツめに!!
荷物運びの手伝いの強要には、
「それは君の仕事でしょ?他の人の仕事の手を止めさるようなことはやめなさい。」
「あまり、大声でワガママを主張するのはやめなさい。ここは君の家じゃないんだから。」
そして、営業の男性社員が事務室を退室した際にルームフレグランスをふこうとしたら
「空気が汚れた?キミの人間性の方がよっほど問題がある。彼は、会社のために頑張ってくれているよ。」
社長が白川さんから従業員をかばっている・・・やっと、みんなのストレスを分かってくれたのか!?
それから1ヶ月程たった、ある日、パートの事務員さんが1人増えた。今までずっと社員の事務員さんと白川さんの2人だったし、みんな知らなかったのでビックリした。
社長が職安に募集を出していたようだった。
新しい事務員さんはサバサバした40代の女性で、もともと似たような会社で事務員として働いていたらしく、かなりの即戦力だった。パソコンも得意で仕事が早いし、何よりもうビクビクしながら白川さんに書類やコピーをお願いしなくてすむので、正直、みんな助かったのが本音だ。
ただそのせいで、白川さんの仕事はどんどん減っているようだった。
まあ、普通に考えたら気持ちよく笑顔で対応してくれる人に頼みたいから、仕方ないことだと思う。
新しい事務員さんが入って1ヶ月後、白川さんが退職した。
みんな、またビックリしたが私は、内心ホッとした。なんなら、嬉しかった。
そして、社長から言われた。
「君のあの言葉のお陰だよ。あんまりハッキリ言う君に衝撃を受けて、自分の会社の環境と従業員を守る責任を思い出したよ。」
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